オールドゲーマー感涙仕様で温故知新:「グラディウス ポータブル」レビュー(1/4 ページ)
アーケードゲーマーであれば、誰もがプレイしたであろうタイトルの1つに、必ずと言っていいほど挙げられる“グラディウス”シリーズ。その集大成とも呼べる作品が、PSPにて登場する。オールドゲーマー諸君よ、歓喜せよ!
現代のゲームにも劣らない、オールドゲームたち
変革は、常にアーケードゲームからだった……。今では考えにくくなってしまったが、ほんの20年ほど前までは、ゲームのターニングポイントは家庭用ゲームからではなく、ゲームセンターのゲームから生み出されていた。「インベーダー」や「ギャラクシアン」、「スクランブル」など、アイデアに富んだゲームが次々と生み出されていき、後生の時代に多大なる影響を与えていったことを覚えている人もいるだろう。
しかし、心に残るタイトルが数多くあれど、当時のゲームをプレイしたいと思っても、実際にはそう簡単に遊べないのが現状だ。普通の人ならば、思い出のゲームを探し求めて全国のゲームセンターを回るようなことはしないだろうし、かといって基盤やコントロールパネルを購入してまでゲームをしようと言う気にもならないはず。そうなるともう、当時のプレーヤーとしては、懐かしいタイトルたちが復刻されることを願うしかないわけだが、実際にゲーム化されるのは一部のタイトルのみ。
とはいえ、最近は昔のゲームの良さが見直されてきたためか、オールドゲームを数本パックにして復刻発売するというメーカーが数多く見られるようになったのは、非常にうれしいことだ。新作ゲームを出すことはもちろん重要なのだろうけれど、思い出のゲームを蘇らせてもらったときほどメーカーに感謝したくなるのは、オールドゲーマーなら皆同じなのではないだろうか?
アーケードゲーム史上に燦然と輝くグラディウスシリーズを振り返る
そこで、今回取り上げる「グラディウス ポータブル」だが、これはまさにオールドゲーマーたちの待ち望んでいた1本といえるタイトルだろう。収録されているのは、グラディウス、グラディウスII、III、IVに加え、待っていた人も多いという「グラディウス外伝」の5本。特に、グラディウスとグラディウスIIはPS版グラディウスデラックスパックをPS2でプレイするとスローモーションになってしまうため、実質的には遊べない状態が長い間続いていただけに嬉しい収録タイトルだ。当然ながら、移植度は完全で、処理落ちなども忠実に再現されている。ここからは、各タイトルごとに細かく見てみよう。
「グラディウス」(以下「I」と表記)がゲームセンターに登場したのは1985年。これまでにはなかったパワーアップシステムを採用しただけでなく、自機の分身ともいえるオプションシステムを初めて導入した偉大なる作品だ。見たものを釘付けにする破壊力抜群の真っ青なレーザーや、耳に残る美しいBGM、一見しただけではなんだか分からないオプションなど、当時のゲーマー心を刺激してやまないタイトルだったといえる。また、ゲームセンターの開店と同時に店内へ突入することができれば、バブルシステムのロードミュージックを聞くこともできた。
このあたりはPSP版でもきちんと再現されており、「I」を選択するとロード画面が表示された後に、バブルシステムのロード画面とともに曲が流れるようになっている。もちろん、途中でボタンを押せばキャンセルもできるので、最後まで聞く必要はない。これ以外の部分に関しても、ほぼ満足のいく内容に仕上がっている。不満があるとすれば、PSP本体の方向キーが押しづらいと言うぐらい(笑)。むしろ、アナログパッドでプレイする方が意外にやりやすいかもしれないので、どちらかしっくりくる方でプレイしたいところだ。
「グラディウスII」は、「I」の続編という形で1988年に登場。グラディウスシリーズで一番の名作と呼ぶ人も多く、当時のゲームとしても完成度の高さは群を抜いていた。前作譲りのパワーアップシステムは健在で、今回は機体を4種類から選択できるようになった。これにより、戦略の幅が大きく広がり、自分だけの攻略ルートを造る楽しみが増えたといえる。さらに、バリアの種類も2つに増えたものの、ほとんどの人がフォースフィールドを使用していたため、シールドが影の薄い存在になってしまったという事実もあった。
PSP版の出来もほぼパーフェクトだが、若干処理落ちに関しての処理で“?”と思うところがあったものの、本当に些細な部分だから問題ないだろう。ただし、リップルレーザーがどこを飛んでいるのかが、よく分からなくなるのが残念だ。これは、液晶画面の性質上の問題なのでどうしようもないわけだが、非常に悔やまれるところ。やはり、テレビに出力してプレイしたいものだが……。
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