レビュー
» 2006年02月08日 17時57分 公開

オールドゲーマー感涙仕様で温故知新「グラディウス ポータブル」レビュー(1/4 ページ)

アーケードゲーマーであれば、誰もがプレイしたであろうタイトルの1つに、必ずと言っていいほど挙げられる“グラディウス”シリーズ。その集大成とも呼べる作品が、PSPにて登場する。オールドゲーマー諸君よ、歓喜せよ!

[篠崎薫,ITmedia]

現代のゲームにも劣らない、オールドゲームたち

 変革は、常にアーケードゲームからだった……。今では考えにくくなってしまったが、ほんの20年ほど前までは、ゲームのターニングポイントは家庭用ゲームからではなく、ゲームセンターのゲームから生み出されていた。「インベーダー」や「ギャラクシアン」、「スクランブル」など、アイデアに富んだゲームが次々と生み出されていき、後生の時代に多大なる影響を与えていったことを覚えている人もいるだろう。

 しかし、心に残るタイトルが数多くあれど、当時のゲームをプレイしたいと思っても、実際にはそう簡単に遊べないのが現状だ。普通の人ならば、思い出のゲームを探し求めて全国のゲームセンターを回るようなことはしないだろうし、かといって基盤やコントロールパネルを購入してまでゲームをしようと言う気にもならないはず。そうなるともう、当時のプレーヤーとしては、懐かしいタイトルたちが復刻されることを願うしかないわけだが、実際にゲーム化されるのは一部のタイトルのみ。

 とはいえ、最近は昔のゲームの良さが見直されてきたためか、オールドゲームを数本パックにして復刻発売するというメーカーが数多く見られるようになったのは、非常にうれしいことだ。新作ゲームを出すことはもちろん重要なのだろうけれど、思い出のゲームを蘇らせてもらったときほどメーカーに感謝したくなるのは、オールドゲーマーなら皆同じなのではないだろうか?

アーケードゲーム史上に燦然と輝くグラディウスシリーズを振り返る

 そこで、今回取り上げる「グラディウス ポータブル」だが、これはまさにオールドゲーマーたちの待ち望んでいた1本といえるタイトルだろう。収録されているのは、グラディウス、グラディウスII、III、IVに加え、待っていた人も多いという「グラディウス外伝」の5本。特に、グラディウスとグラディウスIIはPS版グラディウスデラックスパックをPS2でプレイするとスローモーションになってしまうため、実質的には遊べない状態が長い間続いていただけに嬉しい収録タイトルだ。当然ながら、移植度は完全で、処理落ちなども忠実に再現されている。ここからは、各タイトルごとに細かく見てみよう。

歴代グラディウスシリーズが収録された本作。残念ながら、ソーラーアサルトは入っていない

 「グラディウス」(以下「I」と表記)がゲームセンターに登場したのは1985年。これまでにはなかったパワーアップシステムを採用しただけでなく、自機の分身ともいえるオプションシステムを初めて導入した偉大なる作品だ。見たものを釘付けにする破壊力抜群の真っ青なレーザーや、耳に残る美しいBGM、一見しただけではなんだか分からないオプションなど、当時のゲーマー心を刺激してやまないタイトルだったといえる。また、ゲームセンターの開店と同時に店内へ突入することができれば、バブルシステムのロードミュージックを聞くこともできた。

 このあたりはPSP版でもきちんと再現されており、「I」を選択するとロード画面が表示された後に、バブルシステムのロード画面とともに曲が流れるようになっている。もちろん、途中でボタンを押せばキャンセルもできるので、最後まで聞く必要はない。これ以外の部分に関しても、ほぼ満足のいく内容に仕上がっている。不満があるとすれば、PSP本体の方向キーが押しづらいと言うぐらい(笑)。むしろ、アナログパッドでプレイする方が意外にやりやすいかもしれないので、どちらかしっくりくる方でプレイしたいところだ。

この美しいレーザーを初めて見たときは、信じられないほど感動したものだ。後にも先にも、ゲームセンターでこれだけインパクトを与えてくれた映像はないだろう。この当時、コナミはグラディウスやツインビーなどで、メイン基盤とROMを分けたバブルシステムを採用していた。そのROMのロード時間に流れたのがBOOT BGM
レーザーを装備していても、微妙な操作が必要になる最初の山場、3面。モアイに苦しめられた思い出がよみがえる人もいるかも?

 「グラディウスII」は、「I」の続編という形で1988年に登場。グラディウスシリーズで一番の名作と呼ぶ人も多く、当時のゲームとしても完成度の高さは群を抜いていた。前作譲りのパワーアップシステムは健在で、今回は機体を4種類から選択できるようになった。これにより、戦略の幅が大きく広がり、自分だけの攻略ルートを造る楽しみが増えたといえる。さらに、バリアの種類も2つに増えたものの、ほとんどの人がフォースフィールドを使用していたため、シールドが影の薄い存在になってしまったという事実もあった。

 PSP版の出来もほぼパーフェクトだが、若干処理落ちに関しての処理で“?”と思うところがあったものの、本当に些細な部分だから問題ないだろう。ただし、リップルレーザーがどこを飛んでいるのかが、よく分からなくなるのが残念だ。これは、液晶画面の性質上の問題なのでどうしようもないわけだが、非常に悔やまれるところ。やはり、テレビに出力してプレイしたいものだが……。

本作から登場するようになったオプションハンター。オプションを4つ装備していると登場し、根こそぎ持って行かれると泣くしかない。どの場面で出現させるかで、難易度も変化した
連射装置がないと腕が疲れる、3面の氷地帯。ここは処理落ちせずスムースに進んでしまうが、アーケード版は処理落ちしたような……? 近所のゲームセンターにグラディウスIIがないため、残念ながら詳細が分からなかった
ここも、大画面に映し出せれば“チャンチャン”パターンも簡単に実行できそう。さすがに、PSPの小さい画面では無理があるように思えた
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/1605/20/news111.jpg 絶対にプラスチックのカップで「焼きプリン」を作るという執念 森永「焼きプリン」の製法特許がすごいと話題
  2. /nl/articles/2312/09/news033.jpg 13年外につながれボロボロのおばあちゃんワンコを保護 人間を信じ始める姿に涙「今まで苦労した分以上の幸せな余生を送れますように」
  3. /nl/articles/2312/10/news011.jpg 犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
  4. /nl/articles/2312/10/news019.jpg 入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
  5. /nl/articles/2312/10/news018.jpg 同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
  6. /nl/articles/2312/10/news061.jpg 遠藤憲一、保護犬を家族に迎える 「保護時には栄養失調と足に怪我を」悲しい過去も、ウキウキお散歩ショットにほっこり
  7. /nl/articles/2312/08/news013.jpg 愛猫が息を引き取る直前「ありがとう、楽しかったよ」と声を掛けたら…… 家族みんなが久々に集った夜の奇跡に涙
  8. /nl/articles/2312/09/news081.jpg 短編ホラーゲーム「8番出口」で“開発者も知らない異変”が発生し笑いと恐怖 「マジでホラー」「本物の『怪異』だ」
  9. /nl/articles/2312/10/news033.jpg 捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
  10. /nl/articles/2312/08/news180.jpg ミス東大の水着グラビアデビューに「東大まで行って」と失望の声 本人&現役グラドルも加わるネット論争に
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」