連載
» 2006年07月13日 01時45分 公開

興行やるなら参考に「SUPERレッスルエンジェルス」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

今回は、プロレスの試合をうまく再現したシステムで好評を博した、「レッスルエンジェルス」シリーズを取り上げてみましょう。スーパーファミコン版「SUPERレッスルエンジェルス」を中心に。終盤ちょっと妄想も入ります。

[ゲイムマン,ITmedia]

90年代前半は、プロレス界激動の時代

画像 後ろの青いビルに、格闘技の殿堂・後楽園ホールがある。「SUPERレッスルエンジェルス」では、ここをどう使うかが鍵になるだろう

 初めて生で見たプロレスは、剛軍団だった。

 私がこの団体を見たのは、当時、剛竜馬選手の“プロレスバカ”ぶりが、ちょっとしたブームになっていたからでもあるが、もうひとつ別の理由もあった。

 その理由は後述するが、同じ理由でハマったゲームが、今回取り上げる「SUPERレッスルエンジェルス」だ。

 「レッスルエンジェルス」(グレイト)はもともと、PCのアダルトゲームだったのだが、プロレスの試合をうまく再現したゲームシステムと、ストーリーが支持を得て、シリーズ化された。

 「レッスルエンジェルス3」は、プロレス団体経営シミュレーションとなったが、経営パートのシステムもよくできていた。「SUPERレッスルエンジェルス」(イマジニア)は、この「3」をスーパーファミコンに移植した作品である。

 PC版「レッスルエンジェルス」および「レッスルエンジェルス2」は、特定の選手が主人公となって、物語が展開する。

 ストーリーには、発売された1992年当時のプロレス界の状況が反映されている。第1作では世代闘争がテーマであり、「2」では団体抗争が中心となる。

 まさにこの年の初め、実際の女子プロレスでは、ジャパン女子がJWPとLLPWに分裂した。

 また、FMWのクラッシャー前泊・シャーク土屋が全日本女子プロレス(全女)に参戦し、本格的な団体抗争が幕を開けた年でもある。アジャ・コングがブル中野からWWWA王座を奪取。若手では、山田敏代と豊田真奈美が台頭してきた。

 男子はさらに激動期で、SWSが分裂してWARやNOW、PWCとなり、みちのくプロレスとオリエンタルプロレスが旗揚げしている。

 団体が分裂したり、崩壊したり、また合併したりと、目まぐるしく移り変わる状況。「レッスルエンジェルス」の登場人物たちも、そんな流れにほんろうされつつ、より高い目標を掲げて、現状を打開すべく立ち向かっていく。

 「レッスルエンジェルス」、「2」は、アダルトソフトだったが、そのストーリーは高く評価された。後にケイエスエスから、アダルト要素を取り払ってリメイクされている(「レッスルエンジェルスV1」、「V2」)。

画像 「レッスルエンジェルス」の主人公・マイティ祐希子。「SUPERレッスルエンジェルス」など、以後の作品にも欠かせない存在だ
画像 「レッスルエンジェルス2」の主人公、武藤めぐみと結城千種も、「SUPERレッスルエンジェルス」に登場する

プロレスらしい試合展開をカードバトルで表現

 ストーリー以上に素晴らしいのが、プロレスの戦いをうまく再現したゲームシステムだ。シリーズ各作品ごとに若干の違いがあるが、ここでは「SUPERレッスルエンジェルス」について説明する。

 基本は、「ドラゴンボール 大魔王復活」(1988年、バンダイ)に近いカードバトル。

 双方の選手(タッグマッチの場合はチーム)に、5枚ずつのカードが配られる。カードには1〜9、Aの数字(Aは10に相当)と、技の種類を表す文字が書かれている。

 各ターンごとに、まずカードを1枚出す。次に、出したカードに書かれた種類の技の中から、その選手が使えるものを1つ選ぶ。

 両者の出したカードの数値、技の難易度、選手の能力値などをCPUが計算し、それによってどちらか一方の技がかかる。技をかけられたほうは体力が減る(一部例外あり)。

 技の種類は、投げ、極め(きめ)、打撃、飛びの4種が基本。

 極め技は少々特殊で、相手がほどくまでダメージを与え続けることができる。ただしロープが近いとブレークされやすい。

画像 各選手には技の種類ごとに、攻撃力と防御力が設定されている。武藤めぐみは飛び技が得意で、使える飛び技の数も多い
画像 極め技には、脇固めや逆エビ固めなど、相手の腕や脚にダメージを与える技も多い

 技の難易度については、高い技ほどかかりにくいが、かかると大きなダメージを与えられる。

 そのため、序盤はエルボーやドロップキックなど、難易度の低い技で相手の体力を削り、終盤は大技でたたみかけるという、プロレスらしい試合展開になるのだ。

 カードには上記4種のほかに、他、合、特がある。

 「他」というのは、凶器攻撃や丸め込み技、挑発など、基本4種に入らない技。

 「合」はタッグマッチのときだけ出現するカードで、ダブルのドロップキックや合体パイルドライバーなど、2人で攻撃する技。

画像 格下の相手に余裕を見せて遊んでたら、特カードを出されてフォール負け、なんてことも

 「特」は、各選手に1つずつ設定されている必殺技を使うカード。相手が「特」カードを出さない限り、必ず必殺技が出せる(技をかけるかわりに、自分の体力を回復させることもできる)。

 特カードの存在によって、序盤で大技が出てしまうことがあり、プロレスらしさは若干失われる。しかしゲームとしては、この特カードで一発逆転が起こり得るので、優勢なときでも最後まで気が抜けないし、逆に窮地に立たされても、最後まで希望が持てる。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/1605/20/news111.jpg 絶対にプラスチックのカップで「焼きプリン」を作るという執念 森永「焼きプリン」の製法特許がすごいと話題
  2. /nl/articles/2312/09/news033.jpg 13年外につながれボロボロのおばあちゃんワンコを保護 人間を信じ始める姿に涙「今まで苦労した分以上の幸せな余生を送れますように」
  3. /nl/articles/2312/10/news011.jpg 犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
  4. /nl/articles/2312/10/news019.jpg 入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
  5. /nl/articles/2312/10/news018.jpg 同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
  6. /nl/articles/2312/10/news061.jpg 遠藤憲一、保護犬を家族に迎える 「保護時には栄養失調と足に怪我を」悲しい過去も、ウキウキお散歩ショットにほっこり
  7. /nl/articles/2312/08/news013.jpg 愛猫が息を引き取る直前「ありがとう、楽しかったよ」と声を掛けたら…… 家族みんなが久々に集った夜の奇跡に涙
  8. /nl/articles/2312/09/news081.jpg 短編ホラーゲーム「8番出口」で“開発者も知らない異変”が発生し笑いと恐怖 「マジでホラー」「本物の『怪異』だ」
  9. /nl/articles/2312/10/news033.jpg 捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
  10. /nl/articles/2312/08/news180.jpg ミス東大の水着グラビアデビューに「東大まで行って」と失望の声 本人&現役グラドルも加わるネット論争に
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」