「ヘルゲート:ロンドン」の本気度を体験してください――バンダイナムコゲームス東京ゲームショウ2006(1/2 ページ)

東京ゲームショウのバンダイナムコゲームスブースにおいて、日本語版が試遊できる「ヘルゲート:ロンドン」の説明会が行われ、バンダイナムコゲームスの本気度を宣言した

» 2006年09月23日 15時05分 公開
[加藤亘,ITmedia]

約3年かけて見えてきた終着点――「ヘルゲート:ロンドン」日本語版初公開

左から菊野秀則氏、鵜之澤伸氏、ビル・ローパー氏、そしてヘルゲート:ロンドンをイメージしたモデルさん

 ビジネスデーにあたる22日、東京ゲームショウ2006のバンダイナムコゲームスブースにおいて、「Hellgate:London(ヘルゲート:ロンドン)」の説明会が行われ、フラッグシップ・スタジオCEOのビル・ローパー氏らがその魅力を語った。

 全世界同時展開を目論む「ヘルゲート:ロンドン」は、北米でのクローズドβテストを待たずしてすでに日本語版がプレイアブルで出展されている。英語版は昨年発表会も行われ、今年5月にロサンゼルスで行われたE3 2006においても試遊することができた。

 フラッグシップ・スタジオがPCゲームソフト「Diablo(ディアブロ)」シリーズの開発を手がけたクリエイターたちによって設立された会社であるという実績は、北米、欧州、日本の販売権を獲得したバンダイナムコゲームスの本気度を表している。

 説明会にはバンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤 伸氏とコンテンツ制作本部 第7制作ユニットで本作のプロデューサー菊野秀則氏、そしてフラッグシップ・スタジオCEOのビル・ローパー氏が登壇した。

鵜之澤氏は、「最初、『ディアブロ2』はプレイしたことがありはまった記憶がある。しかし、実は英語版だったこともあり、話はよくわかっていなかった。しかし、『ヘルゲート:ロンドン』はローカライズで進んでおりストーリーが分かりやすい」と、その国の言葉で提供することを第一とし、世界同時発売を目指すと発言
本作日本語版のプロデューサーを務める菊野氏も、日本語化されてプレイアブル出展されていることをアピール。22日から公式サイトも公開されており、今後はここでも情報が公開されていくだろうとコメント
なにげに毎年来日しているローパー氏は、「ディアブロ」シリーズ以上のものを作るために3年前にフラッグシップ・スタジオを設立したことを明かす。RPGのいいところとシューティングを掛け合わせた奥の深いゲーム性を目指したとのこと

 本作は、悪魔達の侵略と地獄の業火で焦土と化した近未来のロンドンが舞台。プレーヤーはわずかに生き残った人類として、暗黒の魔の手から人類の血脈を守るため、科学と魔術の融合した様々な力を発揮しながら、人類の平和を取り戻すことになる。

 ローパー氏は本作で、“RPGの奥深さ”と“FPSの世界への没入感やアクションの緊張感”を融合させた新しいゲームシステムの確立を目指した。イベント・アイテム・ステージ・モンスターを多数用意するだけでなく、プレイするたびに世界が自動生成されることで、常に新しい体験が提供されるというわけだ。


 プレーヤーはヒーローとなり、デーモンと戦いクエストをこなしていく。様々な難易度のステージを渡り、より高度なスキルを身につけながらゲームを進めていく。“遊び応え抜群で、かつ柔軟性溢れるスキルシステム”と“じっくりとカスタマイズが楽しめるアイテム要素”、そして“ランダムに生成される大規模な多種多様の装備類”により、自分だけのヒーローを育成し、自分だけの体験を楽しむことができる。

 菊池氏が本作の特徴として挙げるのは、RPG要素とFPSでのシューティングアクション要素を融合させた点。そしてゲーム世界に入り込める1人称視点も備えながら、自由に3人称視点に切り替えが利く点だ。

 シングルプレイでマルチプレイが用意され、どちらにおいても壊滅した未来のロンドンの深部へと降りていく。街の奥深くに埋没した古代の遺跡、破壊された教会、生存している人類が身を隠している伝説の地下都市など、事実と伝承が交差する中、プレーヤーは人類の未来のために、悪魔たちに立ち向かう。悪魔たちは多種多様で、特有の属性やアビリティ、弱点などを持つ。

 対するプレーヤーにもさまざまな「クラス」が存在する。東京ゲームショウバージョンでは、「Templar」(テンプラー)と「Cabalist」(カバリスト)の2種類が確認できたが、このほかにもプレーヤーキャラクタークラス(ジョブ)は存在するらしい。各クラスには特有のビジュアルやゲームプレイスタイルが用意され、ランダムに生成されるアイテム類によっては、個性的に育てていくこともできる。

左が「Templar」(テンプラー):古来より悪魔の襲撃に備えてきた騎士団の末裔。右が「Cabalist」(カバリスト):独自の儀式や知識により、様々な術を使いこなす魔導師

 前述したが、本作ではさまざまなものがランダムで生成されていく。それはステージやアイテム・武器だけでなく、突発的なチャンスイベントであったり、サイドクエストであったりと、毎回同じプレイ内容にならないよう配慮されている。プレイで得た武器などは他者と交換も可能。これはコミュニティを重視したからなのだとか。プレーヤーは剣や銃器、特殊な法具のような対悪魔武器を手に、ロンドンの街から悪魔を一掃せんと奮闘するのだ。

ビル・ローパー氏インタビュー

 説明会では手応えを感じていると語ったローパー氏に、ちょっとだけ個別インタビューをしてみた。

―― 東京ゲームショウを楽しんでらっしゃいますか?

ローパー すごくワクワクしているんだけど、説明会があったりで実はまだ観ていないんです。次世代機関連はもちろんですが、「ファイナルファンタジー」シリーズのファンなのでスクウェア・エニックスブースは楽しみにしているんです。個人的には任天堂関連のゲームも興味あるので、これらのタイトルもチェックしたいです。

―― ずばり「ヘルゲート:ロンドン」は、いつ頃サービス開始を予定していますか?

ローパー 開発状況はこれから精度を上げていくといった段階。ただし今年中には北米でクローズドβテストを行いたいと思っています。ちょっとずつ拡げていきますが、詳細は未定です。

―― 日本語版ならではのものは?

ローパー 日本語版では“らしい”言葉遣いであったり、特有のことわざであったりと、ただの英語の直訳にならないようにしたいと思っています。その国ごとの文化や風習を加味した細かなところに手を入れていきたいですね。クラスなどについては世界共通にしますが、クエストやイベント、アイテム、武器などは地域ごとにユニークなものを用意する準備がある。特にイベントはその地域にある神話や物語を背景にした文化を取り入れて出していきたいと考えています。

―― 本作はなにかしらの文化なりの下敷きであったり、インスパイアされた作品などはあるのですか?

ローパー さまざまな影響は受けていますが、これと断言できるものは特にありません。チームで持ち寄ったさまざまな要因がこの世界を築き上げたのです。当時、「ハーフライフ」や「ディアブロ」を組み合わせたようなゲームを作ろうと、フラッグシップ・スタジオを立ち上げたわけですが、それにストーリーをちゃんと入れ込もうと話し合いました。ロンドンという土地を選んだのは、長い歴史があり、時代時代で変化を遂げているという点です。ロンドンは現存する建物の下に遺跡があったりと、積み上がってできた都市という印象を持っていました。そんなさまざまな様相を見せてくれるロンドンを舞台にしたらどんなゲームになるんだろうと考えたわけです。それからはたくさん資料を見ましたね。特に世界史は。テンプル騎士団やカバリスト、アリストクラストなど実際のクラスとなる背景を学んだわけです。

―― ゲーム性にも物語が重要視されてますが。

ローパー 説明会でも触れましたが、RPGの物語性とFPSのシューティングアクション要素を融合したのが本作です。ゲーム世界に入り込める1人称視点も備えながら、自由に3人称視点に切り替えられます。武器やアイテムもシームレスに着脱でき、敵と対した時にストレスを感じさせないようにしています。


 ゲームに必要なのは“チーム”と語るローパー氏。クリエイターが知識や技術をためこむのではなく、実際ゲームに入れてみて、それを共有することが大事とのこと。自由にゲームにアイディアを投影し、いいものは残し悪いものはなくすということが容易にできる“チーム”づくりが、良作を生むのではないかと、フラッグシップ・スタジオの環境を誇る。

 本作のビジネスモデルについてはまだ未定のままとなっている。どういう形態でのサービスになるのかもこれから決めるとのこと。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」