「ワルキューレの冒険」は単なる不条理ゲームにあらずゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)

» 2006年10月05日 00時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2       

はるかなる富の国

画像 ブラックサンドラには強さの違う3タイプがいるようだが、攻略法はだいたい同じ

 戦いやすい敵で経験値稼ぎをするのが有効といえる。私は砂漠に出てくるブラックサンドラを、延々と倒しまくった。ワルキューレが近づかないかぎり動かないので、1匹ずつ相手できるし、得られる経験値も高いのだ。1レベル分の経験値を稼ぐのに、だいたい30分くらいかかった。

 この辺までで、マニュアルに書いてない謎といえば、姿の見えない隠しアイテムや、どこに飛ぶかわからないワープゾーンくらい。

画像 ワープゾーンの法則がわかると、船を使わずに目的の場所へ行けるので、特にゲームオーバー後の再開では便利

 隠しアイテムは、透視術の魔法をかければ発見できる。またワープゾーンは、何度か使っているうちに、ワルキューレがどっちを向いているかで行き先が決まるということに気づくはず。

 つまりここまでは、プレイヤーが自力で発見できる謎が多いのだ。

 しかし砂漠を越えた辺りから、「ワルキューレの冒険」は、どんどん厳しいものになっていく。

画像 周りの敵を一掃できる、稲妻の魔法が使えるようになるまでは、ズールの出没地点には近づかないほうがいい

 まず苦労させられるのが、ズールという敵だ。4方向から近づいてきて、ワルキューレの持ち物を盗んで逃げていく。武器だろうが、クリアに必須なアイテムだろうが、容赦なく盗んでいくので、本当に困る。

 謎解きも難しいものになっていく。ヒントは得られないし、考えてわかるようなものでもない。

 例えば、砂漠を越えた後。次の大陸“富の国(フルータジア)”に渡る手段がない。橋もなければ、船を出せる港もないのだ。ではどうするか?

 アファの東端に、周りと色がちょっとだけ違う地面があるので、そこに立ってしばらく待つ。

画像 「たけしの挑戦状」の地図の出し方を連想させる。さすがに1時間も待たなくていいけれど。あと「たけしの挑戦状」のほうが後だけど

 このゲームでは、一定時間ごとに日が暮れて真っ暗になるのだが、この場所で夜を過ごして朝を迎えると、虹の橋がかかって、対岸に渡れるようになるのだ(船が必要)。

 富の国に渡った後も試練は続く。敵が強くなっているし、それよりも何よりも、宿屋がどこにもない。港もないから、アファにも、はじまりの国にも引き返せない。もちろんゲームオーバーになれば、富の国に渡る前からやり直しだ。

 実は、毒の沼の中にある小島に、ワープゾーンが隠されていて、ここでAボタンを押せば宿屋に戻れる。

画像 アファで陸に打ち揚げられたクジラのマッコウを救っていれば、港でマッコウが迎えに来てくれる。クジラに乗ったワルキューレの姿がユニーク

 小島の宝箱に入っているのは、ティアラというアイテム。一見してどんな効果があるかわからないが、これを取れば、ワープゾーンに入った後の行き先が変わるのだ。

 富の国のさらに先へ進めるようになり、そこには宿屋もあるので、ここを拠点として経験値稼ぎもできるし、港から最後の島へ渡り、最後の迷宮へ臨むこともできる。

 ……と、こんな複雑な行動をノーヒントでやれと?

時の鍵の伝説

 「ワルキューレの冒険」の大きな魅力として1つ挙げられるのが、背景設定の秀逸さだ。

 無限の命を持っていたマーベルランドの人々。しかし人間が増えすぎたことで、飢えと争いにより、人々の心に悪魔がとりついた。

 見かねた神は、この世界に“時”を作り、その“時”を定める大時計を設置した。“時”の存在によって人々の命は限りあるものとなり、誰もが哀れみといたわりの心を持つようになった。

 ところが、死を恐れた男が、大時計の“時の鍵”を抜き取ってしまったことで状況が一変。時の狭間に追いやられていた悪の化身ゾウナが復活し、マーベルランドに魔物を解き放ってしまったのだ。

 ゾウナと魔物たちを倒すため、神の子ワルキューレが天界から舞い下りた。

画像 ゾウナとの対決も、ただ倒すだけでは終わらない。時の鍵を鍵穴に差し込んで初めてゲームクリアとなる。ただし、サンドラの像がないとクリアできない(これはマニュアルにヒントがある)

 後半「ハイドライド」にちょっと似ている気もするけれど、「“時”の起源」や「“死”の持つ意味」という神話的なテーマを盛り込んだことにより、マーベルランドという世界に、「ゲームのために存在する世界」ではない、奥の深い世界観が感じられる。

 ゲーム自体にその世界観が、いまひとつ生かされていなかったのが残念だが、それを補完する作品といえるものが、いくつか登場している。

 まずはゲームブック。「ゼビウス」、「ドルアーガの塔」、「ドラゴンバスター」のゲームブックで好評を博した東京創元社が、次にゲームブック化したナムコのゲームが「ワルキューレの冒険」だった。

 主人公はワルキューレではなく、彼女に憧れる青年。彼が冒険の途中に出会って仲間となる、サンディ、ニスペン、アテナという個性的なオリジナルキャラクターが、いい味を出していた。

 ただ、私個人としては不満な点もいくつかあった。大事なシーンの1つが、映画「アリオン」にそっくりだったり、上中下巻それぞれのタイトルが、「迷宮のドラゴン」「ピラミッドの謎」「時の鍵の伝説」と、まったくひねりがなかったり。

 ゲームバランスも、後に行くにつれて、だんだんきつくなっていった。もっとも、これはある意味、原作に忠実といえるかもしれない。

伝説は今なお続く

 もう1つ、マーベルランドの世界観を生かした作品が、1989年に登場したアーケードゲーム「ワルキューレの伝説」である。

 アーケードということもあり、純粋なアクションゲームとなっているが、武器や魔法を入手するという要素は受け継がれている。グラフィックも進化し、ワルキューレの姿が、冨士宏氏の描くイラストそのままなのはもちろん、動きのパターンや、やられパターンも多彩。

 アクション性を向上させながら、雰囲気作りやストーリー性も強化。1991年に発売された、新声社の「ザ・ベストゲーム」という本では、「読者が選んだベスト30」で、このゲームが堂々の第1位に輝いている。

 「ワルキューレの伝説」は、PCエンジンに移植されているほか、プレイステーションの「ナムコミュージアム Vol.5 PlayStation the Best」にも収録されている。

画像 平和の象徴“黄金の種”を、カムーズから取り返せ!(画面は「ナムコミュージアムVol.5」)
画像 派手な魔法が数多く用意されている。魔法を選ぶときは無敵になるので、これも攻略に利用できた

 さらに、1998年発売の、プレイステーション「ナムコアンソロジー2」に、「ワルキューレの冒険」のオリジナル版とアレンジ版が収録されているし、最近では「冒険」「伝説」とも、携帯電話に移植された。

画像 「ナムコアンソロジー2」のアレンジ版は、武器・魔法・アクションが増え、まったく別のゲームになっている

 近年まで移植作品が出ていることから考えても、「ワルキューレの冒険」が、単なる“不条理な難しさを持つゲーム”ではなく、多くのプレイヤーに愛されたゲームであることがうかがい知れる。

 ちなみに、たとえ携帯電話版であっても、ワルキューレはちゃんと、冨士宏氏が描いた金髪のワルキューレになっている。よかったよかった。


取り上げてほしいなつかしゲー募集

思い出のあるゲームについて、ゲイムマンと語ってみませんか? あのゲームが好きだったのに今はもう手元にない、けどもう一度見てみたい! とか、俺が好きだったこのゲームを紹介しないなんて許せない! というあなた。是非こちらから、取り上げてほしいゲームをリクエストしてください。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/01/news052.jpg スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  2. /nl/articles/2403/01/news159.jpg 薬剤師は「医者憧れ」「そいつが見たって薬変わらへん」 バラエティー出演芸人の発言に批判殺到 かまいたち濱家らが相次ぎ謝罪
  3. /nl/articles/2308/31/news023.jpg 庭の草刈り中に小さな卵を発見、孵化させてみたら…… 命の誕生の記録に「すごい可愛い!」「すてきな家族」
  4. /nl/articles/2403/02/news015.jpg 生後2カ月赤ちゃん、ミルクを飲むとなぜか“信じられないほどカメラ目線”に かわいすぎる目力に「懐かしい〜」「たまらん!」
  5. /nl/articles/2308/13/news007.jpg 脱皮に失敗したセミを助けたら…… “ありえない姿に大変身”した姿に感嘆の声「驚きました」「貴重な映像」
  6. /nl/articles/2403/02/news025.jpg イケメンを自覚しているインコの登場シーンに「歩き方がww」「10回はリピート」 笑いをこらえきれない姿がSNSで話題
  7. /nl/articles/2403/01/news028.jpg 伝説の魚・タキタロウと出会い“人生が狂った”学生、驚きの現在が117万表示 数奇な運命に「ロマンだ」「釣りキチ三平世代には憧れ」
  8. /nl/articles/2309/27/news019.jpg 最大2キロ超の“高級カニ”が千葉で大発生!? 浜名湖の名産を都会のドブで「開始1分」採取、食す様子に反響
  9. /nl/articles/2403/02/news023.jpg 世界を旅する女性サックス奏者、外国の路上で演奏していたら…… 驚きの超展開が560万再生「音楽に国境はない」「すごい出会いと巡り合わせ」
  10. /nl/articles/2403/02/news008.jpg 赤ちゃんに、パパが本気で「モンスターズ・インク」のサリーのまねをしたら…… “100点満点”の反応が「めっちゃ可愛い」「そっくり!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小泉進次郎、生後3カ月の長女を抱く姿に「貴重なパパの顔」 2023年末には小泉元首相の“幸せじいじ姿”も話題に
  2. 庭にアジサイがあるなら知っておくべき!? 春になる前に急いでやりたい“大きな花を咲かせる”お手入れ術に反響続々
  3. 生まれたばかりの孫に会いに来た両親、赤ちゃんを見た瞬間号泣し…… 幸せあふれる光景に「一緒に泣いちゃいました」
  4. つんく♂、「僕の大好きな妻」と元モデル妻の貴重ショット公開 「めちゃくちゃお綺麗」と反響
  5. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  6. 「ずっと手を触って」「強烈な口説きが」 グラドル、元K-1王者のセクハラ行為を“告発”→反論しバトルに 「引っ込んどけよロバは」謎の容姿罵倒で流れ弾も
  7. 2歳娘、帝王切開で入院するママの前では強がっていたが…… 離れてから号泣する姿に「いじらしくて可愛くて朝から泣いた」
  8. 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  9. 長女と赤ちゃんの夜のルーティンが「可愛いしか言えん」 愛が強すぎな姉から逃げる姿に「嫌いじゃないのねw」「素敵な姉妹」
  10. 「ほんと愛でしかない」「心から尊敬します」 “6男7女の大家族”うるしやま家のスーパーママ、“15人分のお弁当作り”が神業レベルで称賛の声
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」