“来るべき時が来た”――躍進のこれからにしたいガマニア

東京ゲームショウに4年ぶりの出展を果たしたガマニアデジタルエンターテインメントの偉い人、アルバート氏と浅井氏にインタビュー。今年末からタイトルを大量投入するワケは極めて単純だった。

» 2006年10月06日 02時50分 公開
[加藤亘,ITmedia]
ガマニアデジタルエンターテインメントCEO、Albert Liu氏(右)とCOOの浅井清氏。なんか暗めな照明ですいません……

 今年、4年ぶりに東京ゲームショウに出展を果たしたガマニアデジタルエンターテインメントは、 MMORPGの「Bright Shadow」と「仙魔道 ONLINE」、ボードゲームの双六をオンラインゲーム化した「ネットdeすごろく す〜ぱぁ★リッチ」の3タイトルを国内初のプレイアブルとしてアピールした。

 台湾ではクローズドβテストを行っている「Bright Shadow」は、来年上半期に日本でのサービス化を目指しており、同じく「仙魔道 ONLINE」も台湾ではクローズドβテストを行っているところで、来年上半期には日本でのサービス化を予定している。「ネットdeすごろく す〜ぱぁ★リッチ」も、日本の市場の意見を入れつつ、年末から来年始めにはサービス化したいと考えている(ゲーム紹介はこちら)。

 ゲームショウでは映像出展という形をとった「ART OF WAR」と「星辰online」の2タイトルは、来年の下半期以降に日本で展開したいとのこと。

 今回、年に何度も日本と台湾を往復するガマニアデジタルエンターテインメントのCEO、Albert Liu氏(以下、アルバート氏)とガマニアデジタルエンターテインメントCOOの浅井清氏(以下、浅井氏)に今後の戦略などを聞いてみた。

 アルバート氏は今年のゲームショウなどを見渡してもオンラインゲームが活気づいていると、その状況を歓迎していると語る。浅井氏も韓国発のオンラインゲームが強い中、ガマニアとして出展することに不安もあったが、当日の集客数を振り返ってもどうやら杞憂だったと、ガマニアの注目度が高まっていると感じているという。

 オンラインゲームの日本でのマーケットは、ユーザー数も増え、成長のスピードも素晴らしいと分析する。「日本でもオンラインゲームをサービスしている会社も増えたし、コンシューマを今まで扱ってきたゲームメーカーも興味を持ち参入してきている。これは我々にとっては喜ばしい変化です。人数も増えているし供給者も増えているのですから。素晴らしいゲームを開発するノウハウのある国なので、これから成長するチャンスがあるのではないでしょうか?」(アルバート氏)

 アルバート氏は、今後もガマニアはオンラインゲームのサービスプロバイダーとして、Webサイト上で提供されるエンターテインメントを利用するためのポイントシステム“GASH”ですべてのサービスをつなげていくことを推進していくと再確認し、賞品のラインアップも多彩にし、日本のマーケットの多様化したニーズに答えていきたいと意気込みを語る。早くても1年後には日本に開発チームを作りたいとしている。これはガマニアとしての次なるステップとして予定されていることなのだとか。

 「4年前に『エターナルカオス』を日本でサービス展開した際は、当初予測していたようにはいかず、ギャップを感じました。徐々に日本の市場を知り、軌道修正をし、今に至っています。だから今は日本に進出した時よりも理解しているつもりだし、なによりも一番うれしいのは、ガマニアジャパンがノウハウもたまり、能力のある人材が集まりつつあるということです。だから将来の希望を抱けている」とアルバート氏。将来の希望を聞くと当然とばかりに「トップになることさ」とにこやかに答えてくれた。

 当初感じた日本市場でのギャップについて浅井氏は、「元々ファミコンから家庭用ゲーム機の市場が強いところで、あまりパソコンで遊ぶ習慣がなかったんです。そんな中とは言え、オンラインゲームが浸透し拡大していくと確信しているのに、どういう切り口で浸透させるかを模索しあぐねてました。最近はその施策もできつつあります。家庭用ゲーム機は次世代機などすべてネットワーク化を打ち出しています。我々にしてみれば、オンラインという流れにやっとコンシューマが追いついたといった感想です」と、この流れを歓迎している。

 将来的にはPCやコンシューマ含めてマルチプラットフォーム化していくだろうが、当面はオンラインゲームのビジネスモデル的制約もある中、フレキシブルに対応できるPCのほうが有利なのではないかと考えているのだ。

 「元々、韓国から入ってきたクライアントをタダで配り、接続料金で利益をあげようというのはコンシューマでは考えられないビジネスモデルだったわけです。最近はアイテム課金が主流になってきているが、これもPCだからこそできたことだし、オンラインゲームに関しては今後もしばらくはPC側がリードしていくのではないかと思っています。きっと、新しいビジネスモデルとして、思いもつかないものが出てくるという予感はしています。とはいえ、それもポイントになるのはユーザーのニーズにかなうものということ」(浅井氏)

 ユーザーの支持ありきの日本市場では、細かいところまでサポートするものであることが絶対条件ともなっている。日本のユーザーの多くはコンシューマのゲームで遊んでいるということもあり、サポートもサービスも充実していなくてはならない。2人とも日本のユーザーは目が肥えているので要求は厳しいと口をそろえる。だからこそ、開発の段階から日本のニーズに合わせているのだとか。押しつけるのではなく、積極的に日本に目を向け開発は行われているわけだ。

 今年末から来年にかけて大量にタイトルを投入するには意味がある。2002年にスタートしてガマニアの日本展開は、力を入れるタイミングが早かった印象がある。だからこそ、ようやく収穫期を迎えたオンラインゲーム市場での盛り上がりを逃さず、このタイミングでなるべく多くのタイトルを投入したいという戦略が見えてくる。

 彼らをして“来るべき時が来た”というわけだ。コンテンツも本社と協議しながら、日本を意識した開発を行う。だからこそ投入できるのだという。「現場のスタッフは困っているかもしれないね。たくさんあって」と笑いながら、自社の開発ラインの強靱さに確固たる自信をのぞかせていた。

 最後にアルバート氏は「ガマニアは日本の市場にいい作品を提供したいだけなんです。ユーザーのニーズに合わせて多様化した目的はひとつ。楽しさを提供したいんです」と、メッセージを送る。ユーザーに納得してもらえるものになれば、自然的にそこに落ち着くのは必然というわけだ。4年前と比べても技術も経験も蓄えたガマニアの躍進に注目したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」