極寒の地で繰り広げられる戦いは壮絶で、やけどしそうなほどに熱かった:「ロスト プラネット−エクストリーム コンディション−」レビュー(1/2 ページ)
実存感さえ覚える精緻なグラフィック。荘厳な雰囲気を漂わせるオーケストラサウンド。綿密に織られたストーリー。カプコンが精魂をそそぎ込んで作り上げた「ロスト プラネット」は、さながら大作SFアクション映画のようで、その圧倒的な迫力と臨場感に魅了される。
期待のSFアクション巨編が満を持しての登場
昨年末の制作発表からにわかに注目を集め、発売が待ち望まれていたカプコンの「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」(以下、ロスト プラネット)がいよいよリリースされた。今年8月にドイツで開催されたGame Conventionで「Xbox 360 ベスト・ゲーム賞」を、日本ゲーム大賞2006では「フューチャー部門 優秀賞」をそれぞれ受賞したほか、Xbox Liveで配信された体験版のダウンロード回数が累計100万回に達するなど、前評判と期待感の高かったソフトだ。また、主人公の青年“ウェイン”を韓国の人気俳優イ・ビョンホン氏が演じていることでも話題を呼んでいる。
この「ロスト プラネット」は、三人称視点のアクションシューティングゲームで、雪と氷に閉ざされた惑星を舞台にしたSFテイストの強い作品。そのストーリーや世界観をかいつまんでおくと、舞台となる極寒の星は「EDN-3rd」といい、人類がその星に入植を開始したことに端を発している。その途上で、人類は原住生物「エイクリッド」(AK)の襲撃を受け、一度は撤退を余儀なくされるものの、AKに対抗できる新兵器「バイタルスーツ」(VS)の開発によって、再び入植を試みる。その主な目的は、AKが体内に持っている「サーマルエナジー」を新たな資源として活用することにあった。
一方、第一次入植の撤退で取り残された人類は“雪賊”(台詞の中では「Snow Pirates」と話している)と呼ばれ、AKとの戦いを続けながら、雪賊同士の勢力争いも繰り広げていた。そんな折、ある雪賊によって、凍り付いたVSの中から一人の青年が救出される。それが、本作の主人公“ウェイン”だ。しかし、彼は記憶の大部分を失っており、覚えているのは自分の名前と、父を殺した“ミドリメ”というAKのことだけ。ウェインは、助けてくれた雪賊とともに、失った記憶のカギとなるミドリメを追う……。
このプロローグを見るだけでも、さまざまに想像がふくらむ。例えば、星の名前の“EDN”が英語のEden(楽園)のようにも見えるし、“3rd”は第3惑星と見て取れるあたり、何やら意味深長な感じ。この“人類”というのがどこから来たのかも、あえて触れられていない(記憶違いでなければ、ゲームの初めから終わりまで「地球」という言葉はどこにも出てこなかったはず)。また、凶暴な原住生物の体内に、実は有望な資源があったという設定も興味を引くところで、冒頭からその独特な世界観に引き込まれる。
戦いは熾烈だが、さまざまな武器やVSを扱えるのが楽しい
ゲームモードは、「キャンペーンモード」と「オンラインバトルモード」の2つ。1人プレイ用のキャンペーンモードでは、プレイヤーが主人公のウェインを操作して、与えられたミッションを順にこなすことでストーリーが進んでいく。ミッション内容には、敵を倒しながらルートを切り開いて目的地までたどり着くものと、ターゲットとなる敵を倒した時点でクリアとなるものがある。どのステージもウェインが単身で戦うことになるので、かなり過酷だが、それを支えるのが先述のサーマルエナジーと、ウェインの右腕に装着されている「ハーモナイザー」という装置だ。
AKの体内にあるサーマルエナジーは、倒すと外に放出され、ウェインが腰に付けているタンクに蓄えられる。このサーマルエナジーを継続的に消費しながらスーツの生命維持機能を働かせることによって、全てが凍り付くような極限環境下でも人間が活動できる、という設定なのだ。また、敵からのダメージを受けるとハーモナイザーが自動的に起動し、サーマルエナジーを体力(LIFEゲージ)に直接変換してくれる。その意味で、サーマルエナジーの残量と体力は同義とも取れるが、ハーモナイザーによる体力の回復には少し時間を要するので、その最中に大きなダメージを負うと、回復が追いつかずに死亡してしまうこともある。
画面左上の「LIFEゲージ」が体力、その下の「T-ENG」と書かれた数値がサーマルエナジーの残量を表す。極寒の地で活動するためにスーツの生命維持機能を働かせているので、何もしなくてもT-ENGは減っていく
フィールド上のところどころに置かれた「データポスト」を起動することでも、サーマルエナジーを獲得できる。同時に、周辺のマップがレーダー(画面右上)で確認できるようになる。起動すると暖かそうな光があふれ出すので、初めはストーブかと思った……ミッションの開始前に武器の選択や装備の変更などはなく、基本的には現地調達。フィールド上にマシンガンやショットガンなどのさまざまな武器が落ちているので、それを拾って使うことになる。所持できる数は、銃器が2種類、手投げ弾系が1種類の、合計3種類まで。また、生身で戦うだけでなく、VSに搭乗して戦えるのも本作の大きな魅力だろう。このVSの作りが実に精巧で、金属的な質感といい、重量感といい、本当に存在するかのようなリアリティを覚える。VSについては、まず元となるCGから精巧なフィギュアを作り、それに錆や汚れまで施したうえで写真に撮って、ゲーム中のVSのテクスチャに使っているというから驚く。空中でホバリングできるものや、二足歩行からバイク型に変形するものなど、VSにもさまざまな機体があって、それぞれに操縦性も異なるので、操作していてとてもおもしろい。
武器はフィールド上に落ちているものを拾って使う。武器には人間用とVS用があるが、生身の状態でも強力なVS用武器を使えるのがおもしろいところ。ただし、VS用の武器は大きくて重いため、移動速度が極端に遅くなる人間の状態とVSに搭乗した状態の2通りがあるので、操作がややこしくなるかと思ったが、移動やジャンプ、武器使用といった基本的な操作が共通化されていることや、初めてVSに搭乗するときは、その操作方法が必ず表示されるので、操作で迷うことは少ない。オプションで照準の移動スピードや視点切り替え方法などを微調整できるが、わたしは初期設定のままでも操作しやすいと感じた。
上方向に照準を向けてXボタンを押すと、アンカーを射出し、ジャンプでは届かない高所にも飛び移れる。また、ロープにぶら下がった状態で銃を撃ったり、AKにアンカーを打ち込み、密着した状態で攻撃するなど、さまざまな応用が利くキャンペーンモードにミッションがいくつあるかは伏せておくとして、初プレイではクリアするまでに1時間以上かかるミッションも多くあった。難易度もかなり高めで、EASYモードでもまだ難しいと感じる。AKも、雪賊などの人間も、敵がとにかくアグレッシブで、まるで容赦ない。このゲームでの戦いは、本当に熾烈だ……。
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