ハードがつながる、プレーヤーがつながる――Wiiでつながるポケモン“革命”「ポケモンバトルレボリューション」レビュー(3/3 ページ)

» 2007年01月17日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ニンテンドーDSを持ち寄って、こっそりコマンド、熱い駆け引き

 コロシアムモードにおいてもフリーバトルという項目で2人によるバトルは可能だ。Wiiリモコンにバトルパスを保存し友人宅などに持っていけば、気軽にバトルできる、というのは非常によいところだ。しかし、友人が持つ「ポケットモンスター パール」と自分が持つ「ポケットモンスター ダイヤモンド」でチームを細かく変えつつ対戦をしよう、となった場合には、コロシアムモードではなくDSバトルモードでがっつりたっぷりプレイしていただきたい。

画像画像 友人とニンテンドーDSを持ち寄って遊び倒そう

 DSバトルモードでは、文字通りニンテンドーDS同士の対戦になる。2人のプレーヤーがそれぞれ自分のニンテンドーDSを持ち寄り、ニンテンドーDS側で調整したてもちポケモンをWii側に登録。プレーヤーたちはニンテンドーDSをコントローラにして、Wiiでのポケモンバトルが楽しめるのだ。

画像画像 参加プレーヤー全員のコマンド入力が終わるまで待機しなくてはならない。長考もアリだ

 実際にニンテンドーDSを2つ持ち寄って友人と対戦してみたのだが、これがなかなかおもしろかった。お互いにニンテンドーDSの画面上で攻撃の指示を出すので、相手が何を出してくるのかが分からず、腹の探り合い、駆け引きの連続になる。「このポケモンが出てきたということは、多分“そらをとぶ”を使うだろうから、もう1匹の方に攻撃しておこう」とか「HPの少ないこいつを下げて、おそらくあいつを出してくるだろうから、こっちはそれを見越して、ポケモンを入れ替えちゃおう」という読み合いが何とも楽しく、終始「おおっそうきたか!」、「うわっ、マジかー、やられたー!」と思わず声がもれるほどに熱いバトルが展開したのだった。特に今まで何度もバトルしていて、お互いの傾向と対策が知れている相手ならば、よりいっそう楽しく戦うことができるだろう。

画像画像 DSバトルモードでは、このように実際の主人公キャラがトレーナーとして登場する

WiiのWi-Fiで今夜も誰かとポケモンバトル!

 本作の目玉は「すべてのポケモンが使えること」だと前述したが、もうひとつの特筆すべき点が「Wii初のWi-Fiバトルを実現していること」だ。

 Wi-Fi設定が事前に済んでいるWiiならば「あれっ?」と思う間もなく、簡単にWi-Fiバトルを楽しむことができる。今までのニンテンドーDSにおけるWi-Fi対応タイトルと同じようにフレンドリストやフレンドコードが存在しており、友人同士でコードを交換しあえば「ともだちとバトル」をプレイ可能だ。

 もし周りに「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」を持っている人がいなくても、そこはさすがのWi-Fi。「だれかとバトル」を選択すれば、自分と似た戦績(Wi-Fiでどれだけ勝っているかなどのデータ)の人とマッチングしてもらって、自由に戦闘することができるのだ。

 実際に「だれかとバトル」で対戦相手を探して待機していると、けっこうな割合で相手が見つかるので面白い。中には鍛え上げた伝説のポケモンでこちらの手も足も出ないような強いプレーヤーもいるし、意外なポケモンで意外なわざを出したりして「こいつ、やるなー」と思わず魅了されてしまうようなプレーヤーもいる。何しろ、無料で気軽に、しかもWiiの迫力の演出で、誰かとポケモンバトルが出来てしまうというのは、これはやはり、ちょっとした“革命”と呼んでもいいのではないだろうか。10年前に「交換相手も対戦相手も周りにいねえなあ」と思いながらゲームボーイを遊んでいた自分が、ここに来て何だか報われたような気がする。

画像画像画像 今日もどこかのトレーナーを探してWi-Fiにつないでしまう筆者。早朝はけっこう見つかりにくかったりしますが、めげません

画像 バトル後にお互いが許可をするとフレンドパスの交換が可能。その時の相手のパーティと再度対戦することもできる。Wi-Fiならではの面白い機能だ

 Wi-Fiバトルをがっつりとやってみたが、筆者の環境ではタイムラグやバトル中の通信切断はなかった(待機中の通信切断は何度かあった)。Wiiが発売されたばかりで初のWi-Fi対戦というのを考えれば、まずまずの環境ではなかろうか。おそらくニンテンドーDSで練られたWi-Fiの技術がここに来て開花しているのだろう。この安定性は今後も維持してほしいところだ。

Wiiの革新性はリモコンのみにあらず ポケモンの“革命”を体感してみよう

画像 自分におくりものをあげたいのですが、今のところ高くて買えません……

 連動の一環として面白かったのは、ショップで買える「ふしぎなおくりもの」だ。かなり高額なポイントが必要だが、本作のショップで買ったどうぐ(わざマシンなど)をニンテンドーDS側に送って「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のプレイに役立てることができる、というもの。プレーヤーが「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のプレイも継続するという前提があるのが、何となくうれしい配慮だ。本作を遊ぶことで「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」にも恩恵があり、また「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」で更にポケモンを鍛えることで、本作でのプレイにも新たなメリットが与えられる、という良循環が生まれるのであれば、プレーヤーとしても幸せなことだ。

 総じると、やはり「全ポケモンの3Dによる登場」と「Wi-Fiによる対戦」が本作の魅力であり、そこに価値を見出せるのであれば、本作は間違いなく買いだと言える。ただ、タイトル通りに余りにも“バトル”に特化しすぎている感も感じてしまった。バトル以外の要素として何かプラスαを求めてしまうのは贅沢だろうか。特に前述もしたが、ボックス機能はぜひとも入れてほしかった(うちの「ポケットモンスター ダイヤモンド」は、そろそろカートリッジ内のボックスが埋まってきつつあるのだ……)。ボックス機能は置いておくとしても、ひたすらバトルバトルの連続なので、息抜き的なミニゲーム(Wiiリモコンを活かしたものなど)があれば、さらにゲームとしての価値が高まったように思う。

 と言った感じでファンゆえに気になるところは多々あれど、ファンゆえに楽しませてもらっているところが多いのも確か。Wiiというハードの革新性は、とかくWiiリモコンの操作性ばかりが言及されがちだが、ニンテンドーDSとの快適なワイヤレス通信、データ移動、そして無料で提供されるWi-Fiによる気楽で手軽なバトルを実現させた本作の中身も、十分に革新的だと言えるだろう。Wiiリモコンを横に持って、従来のゲームのようにポチポチとボタンを押す操作もまた一興。とにかく「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」でポケモンを育てた人たちには、まずはプレイをしていただきたい作品だ。

(C)2006 Pokémon.(C)1995-2006 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
Developed by Genius Sonority Inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/16/news077.jpg 大谷翔平、インスタ最新投稿で活躍シーンのハイライト公開 一瞬映る“妻・真美子さんと母・加代子さんの笑顔満開ハイタッチ”に注目
  3. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  4. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  5. /nl/articles/2411/16/news039.jpg 「ディズニーのそういう所だよ」 1歳息子、初ディズニーで言われた“まさかの一言”は…… キャストの愛ある“神対応”が656万表示
  6. /nl/articles/2411/14/news169.jpg 「ちょっと怖い!!」 ミニトマト“1粒”を土に埋めて1カ月育てたら…… → “予想外の光景”に驚がく 「そうなるとは」
  7. /nl/articles/2411/15/news162.jpg 「とんだ裏切りwww」 整骨院が休業→店舗の張り紙を見たら…… “まさかの理由”にツッコミ殺到 「これは仕方ない」
  8. /nl/articles/2411/15/news187.jpg 「2度とライブ来るな」とファン激怒 星街すいせい、“コンサート演出の紙吹雪”が「3万円で売買されてる」 高値転売が物議
  9. /nl/articles/2411/16/news014.jpg 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  10. /nl/articles/2411/11/news056.jpg 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた