世界が驚愕した「その日」が日本にやってきた「Gears of War」レビュー(1/2 ページ)

全世界で280万本を売り上げたモンスタータイトルがついに日本でも発売となった。濃厚な「洋ゲー」の香り漂うZレーティングの世界へ、あなたは踏み込めるか?

» 2007年01月26日 00時00分 公開
[松井悠,ITmedia]

全世界で絶大な人気を誇るZレーティングタイトル

これでもか、と作り込まれたグラフィック。制作に使用しているのはアンリアルエンジンの最新バージョン

 昨年11月、北米で発売されるやいなや、現在までに300万本を超える爆発的なセールスを記録し、たった2カ月で2006年のXbox Liveのオンラインプレイ回数記録のトップに躍り出たアクションシューティング「Gears of War」(以下、「GoW」)が満を持して日本で発売された。

 最初に注意していただきたいのは本作のCEROレーティングが「Z」となっていること。つまり18歳以上を対象としており、購入時には身分証明書を提示する必要がある。Zレーティングになっている理由としては、おそらく残虐表現が原因と推測される。18歳未満の方、スプラッターな表現が苦手な方はご注意いただきたい。

 なお、記事中のスクリーンショットについても、残虐なシーンは掲載していないので気になる方は特設サイト内(18歳未満閲覧不可)の解説動画をどうぞ。

次世代機だからこそ実現できた次世代のアクションシューティング

Aボタンを長押しすると、ダッシュでの移動ができる。ただし、視界が制限されることと、攻撃が一切できなくなるので、使いどころを考えなければならない

 本作は、ジャンルこそアクションアドベンチャーとなっているが、内容はいわゆるTPS(三人称視点のシューティングゲーム)である。北米、ヨーロッパ圏で人気のあるFPS(一人称視点のシューティングゲーム)が、3D酔いを感じるプレーヤーが多いこと、コントローラー操作によるストレスを解消させるため、UBI社の「ゴーストリコン アドバンス ウォーファイター」やカプコンの「ロストプラネット」など昨今の家庭用のシューティングゲームはTPSが主流になりつつある。これにより、自分の操作するキャラクターが画面に表示されることで、横っ飛びの緊急回避や、武器による直接打撃の立ち回りなどの「アクション」的な要素をスムーズにゲーム内に取り入れることが可能になっている。

 本作の最大の特徴は、Aボタンを使用して様々なアクションを取ることができること。壁や障害物への張り付き、ダッシュ移動、障害物を乗り越える、緊急回避など、アナログスティックとAボタンの組み合わせで可能な動作はかなり多く、ゲームプレイに大きな幅を持たせることに成功している。

 攻撃はRトリガーを使用しての射撃や投擲、Bボタンでの近接攻撃が用意されている。また、Lトリガーを引くことで、武器を構えるモーションになる。この状態では照準が表示され、キャラクターと視点の移動速度が著しく低下するが、射撃の着弾地点をある程度制御することが可能になる。使用可能な武器は、アサルトライフル、ショットガン、スナイパーライフルなど全部で11種類。それぞれ有効射程や、リロードタイミングなどが異なっている。

 また、GoWでは「アクティブリロード」というシステムが採用されている。これは、リロードを手動で行うもので、Rボタンでリロードを開始すると、ゲージが左から右に動き出す。武器によってそれぞれ異なるジャストポジションでもう一度Rボタンを押すと、リロード時間の短縮と攻撃力がアップされる。しかし、タイミングを外してしまうとリロード失敗となり、しばらく攻撃ができなくなってしまう。このシステムが秀逸で、オンライン対戦時、追い込んだ相手があせってリロードを失敗している姿をにやにやしながら眺めるのが非常に楽しい。

 これらのシステムだけを並べてみると「結構やることが多そうだな」と思われるかもしれないが、1人用のストーリーモードを進めていくと、自然と操作が身に付いてくるのでアクションゲーム、TPSが苦手な人も安心してほしい。また、他のFPSで3D酔いをしやすい人も、TPSなので比較的酔いにくいと思われる。まずは、オフィシャルサイトなどで動画を観て判断してほしい。

障害物の前でAボタンを押してのカバーポジション(張り付き)。ここから身を隠しつつの射撃も可能
Lトリガーを引くと、武器を構えて照準が表示される。状況によっては構えずに射撃した方が強いときもある
一定時間ターゲットを照射することで使用可能な「ドーンハンマー」。攻撃力は絶大だが、至近距離で照射すると自分もダメージを受けるので取り扱いには注意が必要

「アメリカン」テイストなストーリーモードを堪能する

 本作のストーリーモードは舞台となる惑星セラに突如地底から現れたローカストとの争いを描いている。プレイヤーは主人公「マーカス・フェニックス」となり、ローカストへの反撃を行っていく。

 話の内容や展開は、いわゆる「ハリウッドのSF映画」で、ある意味ベタな感じだが、それも「洋ゲー」の楽しみのひとつとして受け入れておきたい。

 ストーリーは全5ステージで構成されており、だいたい10時間もあればクリアは可能。若干ボリュームが足りないイメージもあるが、3種類用意されている難易度のうち、もっとも高い難度のモードは非常に手強く、かなりやりこみがいがある。

 特筆すべきは敵AIが非常に良く作られている点。しっかりと隠れてから射撃をしてきたり、ある程度ダメージを与えると遠くへ逃げたりと、なかなかいい動きをしてくれる。また、難度が高くなるにつれ、敵の体力やAIが変化していくので攻略パターンをしっかりと構築する必要がある。ここら辺のバランス調整はさすがの一言。

 また、Xbox 360のオンラインサービス、Xbox Liveに加入していればストーリーモードをオンラインで協力しながら進められる。ルームの設定をパブリックモードにしておけば、世界の誰かがひょっこり入ってきて手助けしてくれることもある。

 なお、Xbox 360の本体言語設定を「英語」に変更すると、キャラクターボイスやテキストなどがすべて英語に変更される。日本語版と英語版の台詞回しの違いなどを楽しめるので、ぜひ一度お試しあれ。

ストーリー中に挿入されるムービーシーン。会話のテンポもなかなかよく、戦争映画を彷彿とさせるシーンも多々ある。キャラクターのおっさん臭さが好きな人にはたまらない
出現するローカストたちのデザインも秀逸。ちなみに彼女(!)は最強クラスの敵軍兵士「ベルセルク」。登場シーンは必見
オンライン協力プレイのワンシーン。写真奥の建物にあるサーチライトをもう1人のプレーヤーが操作して、安全に進めるようにしてくれている
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