サッカーファンの夢は「サカつく」で叶う「J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!5」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年01月31日 00時00分 公開
[立花裕壱,ITmedia]
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マイクラブ・マンティス東京がJ2に殴り込み!!

 では、1年目のプレイリポートをお届けしよう。まずは秘書の選択から。ちょっと迷ったが、A型で「どんな苦しい仕事も前向きに楽しむ」朝倉仁美さんを採用した。当然秘書ならメガネだ! メガネを支給せよ。うん、秘書らしくなった。

 次はクラブ代表名、本拠地、クラブ名称を決定する。筆者はサカつくシリーズでは、代々、“マンティス”を選んできた。意味は英語で“カマキリ”。他クラブのバッタ軍団を食い散らかしてやるぜ! 本拠地は千代田区にしてみた。東京のど真ん中なのに4万人しか人口がいないこの区を、クラブの力で人口過密地域にしてしまおう。お次は監督との契約。3人ともあまり変わらないのでセットプレイの指導が得意という番場監督をセレクトした。

 ゲームはJFL最終節から始まる。我がマンティス東京は、大ベテランとなった闘将・河本鬼茂が今季加入したこともあって、JFLで大躍進を遂げた。もうJ2昇格も決定的だという。残すはJFL優勝をかけた最終節だけ……。

 最終節の相手はライバルクラブの東京ネメシスだ。東京ネメシスの代表、三由野が喧嘩を売ってくる。「こんなクラブと比較されること自体が不愉快ではあるのだが、こうなっては仕方がない。今日は胸を貸してあげるから、思い切ってぶつかってきたまえ。わっはっははは」。確かにイケメンでIT長者かもしれないが、その態度はちょっとヒドい。目にもの見せてやる!

画像 昇格の原動力となった河本鬼茂。念のため説明すると、河本鬼茂とはサカつくの名物FW。高い得点能力を誇り、彼をこよなく愛するプレイヤーも多い
画像 同じ都市に本拠地を持つライバルクラブの代表、三由野秀康。ITと音楽事業で成功した時代の寵児だそうだ。モットーは「考えるな、感じろ、そして動け!」。ちょっとカッコいい

 というわけで、試合開始。もちろんフルタイムで観戦だ。実況はシリーズを通しておなじみの八塚浩さん。解説は、“レフティモンスター”の異名を取った小倉隆史さんだった(解説陣にはいつも通り木村和司さんもいる)。

 ここで勝ってスッキリ昇格! と行きたかったが、結果は引き分け。この決着はJ2でつけよう。

画像 チーム戦術の設定では、「守備←→攻撃」、「遅攻←→速攻」と、バーを動かすことで戦術の傾向を指示できる。「サカつくヨーロッパ」で導入された形式が受け継がれている
画像 緊張のダービーマッチ。ライバルの東京ネメシスをどうにかして叩きたいものだが……。勝つと負けるでは大違い!?

 一連のプロローグが終わると、ユニフォーム、クラブのロゴ、エンブレム、フラッグのエディットができるようになる。さらにユースに所属するエディット選手の作成も1年目からOKだ。エディット選手のポジションはFW、キーワードに「摩天楼」、「頭を使う」、「イナズマ」、「マラソンが得意」、「大黒柱」の5つを設定した。ヘッドが得意で足も速く、あわよくばチームの中心になってほしいという欲張りな願いが込められている。

 ここからは収入源の確保。スポンサーには、1stスポンサー、2ndスポンサー、そしてサブスポンサーの3種類が存在する。今年は「バネのばつぐん」、「正見味噌」が1st・2ndスポンサーだ。スポンサーからは締めて5億4800万円をちょうだいした。ありがたい。

画像 ユニフォームやエンブレムのエディットを考えるのはとても楽しいひととき。エンブレムの中の絵柄は、もっとバリエーションがあってもよかった
画像 1stスポンサーのロゴは胸、2ndスポンサーのロゴは背中にそれぞれ入る。かなり目立つから、“カッコいいロゴ”という視点でスポンサーを選ぶ人もいるのでは!?

 続けてテレビ局との契約が待つ。試合勝利で400万円の放映権料をくれる、地元最大のテレビアケボノと契約した。サブテレビ局は他と比べて契約金が若干少ないが、特約事項で「選手の人気がUPする」というノボル放送にしてみた。1年目なのでまずは人気UPからコツコツ始めたい。

 その後、契約年数が切れる選手との契約更改、コーチと強化部長の契約へと移る。最後の締めは年間広告費とチケット料金、年間チケットの設定だ。今回は「来場者予想モニター」でビジュアル的に入場者数が予測され、非常にわかりやすくなっている。ここまでで1月が終了した。

 2月1週目はクラブ代表として初の編成会議に臨んだ。強化部長の案は「ポジション:DF、国籍:東ヨーロッパ、利き足:右、月給:100万円」とかなり具体的なのに対し、監督は「国籍:日本」というだけであとは指定なし。とりあえず監督の顔を立て、監督案にした上で「能力:つなげる選手、利き足:左」の条件をプラスする。監督は「同意見とはうれしいですな。他に条件があれば、お答え下さい」と大喜び、強化部長は「クラブの経営を考慮しての私の意見がお気に召さないようですね」とちょっと立腹している。次は強化部長の案にしようか……。

 2月前半はキャンプシーズン。張り込んで海外にしようと思ったら、最初はほとんど選べない。仕方なく静岡に決めた。いくつかプレシーズンマッチを組んで、2月のスケジュールは終わり。

 ここで一息ついて、秘書をマーケティングのため、スタジアムに派遣する。翌週ブログをチェックすると「しっかりと着込んで外に出たにも拘わらず、やっぱり寒いのね(^-^;」と、“しっかり”のキーワードをゲット。この“しっかり”と「プロモーション」の“トークショウ”を組み合わせて実施してみたところ、成功を収めた。きっと“しっかりした話”ができたんだろうな。

画像 チケット料金の設定時は、抽象的な言葉ではなくビジュアルでスタジアムの来場者予想がわかるように。これを見ながら調節しよう
画像 雑居ビルや駐車場など、街にできた施設に秘書を派遣する。施設は街の発展の仕方によって何ができるか変わる

 こうして一通り準備を終えて3月1週、ついにJ2の開幕を迎えた。最初の3試合はなんとすべて引き分け。どうにか守れているが、シュートに行く形が作れない。ひとまずチーム戦術を1目盛り攻撃的にし、プレスの位置も高くした。スタメンを見渡し、監督がキャンプで目をつけて期限付き移籍で獲得した元サガン鳥栖のMFにすべてのキックを任せる。思い切ってキャプテンも彼だ! 期限付きなのにキャプテンとは……。まあ、いいか。

 それが功を奏したのか、順調に勝ち星も増え、なんと5月終わりには4位に浮上! 上々の滑り出しに見えたが、ここからがキツかった。上位クラブに4-0で大敗したあと、負けが込む。リードしていても後半、必ず追いつかれる。カードの累積で主要メンバーが1人でも抜けると戦力はガタ落ち。暑くなって秘書の服も薄くなったが、同じく選手層も薄い……。練習項目をフィジカルから守備中心に変えてみたり、思い切って5バックを試してみたりと、いろいろあがいたが、引き分けては負けの繰り返し。秋の初めにはとうとう9位までズルズルと落ちてしまった。

 再浮上のきっかけになったのが、フランスから獲得したDFのデュクルティオー。移籍金は高かったが、懸案の右SBを任せられる選手だ。夏のキャンプで、またしても監督が目をつけたDFも期限付き移籍で獲得し、守備が安定する。ここから逆襲! 安定した守備をいいことに、チーム戦術でさらに攻撃重視に変える。そしてもう1人、エディット選手でユース所属の瀬賀太郎くんも成長し、戦力として計算できるように!! (ユース選手もトップの人数が18人未満ならば試合に出られる)。下位チームを次々と破り上位を伺う。

 ……しかし、試合数の多いJ2、どうしても選手層の薄さから大事な試合を取りこぼしてしまう。1年が終了し、結果は5位。上位3チームとはかなり差がついてしまった。来年こそは……と強く誓うのだった。

着実に進化を続けるサカつくシリーズ

 一通りプレイして感じたのは、人気シリーズゆえの貫禄だった。さすがに新鮮さはないが、その分安定感はたっぷりで、クラブを育てる喜びが存分に味わえる。小さなクラブが着実に力をつけ、ファンを増やしながらJ1の頂点へ向かう。Jリーグファンなら誰でも夢見るサクセスストーリーが体感できるだろう。最初は全然知らない選手たちも1年通すと愛着がわいてくるから不思議だ。

 「サカつくヨーロッパ」で実現した試合のフルタイム制には賛否両論あったが、「サカつく」5では高速試合思考エンジンによって結果だけ見ることができ、“時間がかかる”という不満は解消されている。それよりも、選手を集めたい人にとってトップの上限人数が18人というのが気にかかるかもしれない。これにはユースの選手で対応しよう。留学やケガでトップの人数が足りないときはユース選手を試合に出せる。練習もトップと同時にできるので一体感は高い。ユースをうまく使うのが今回のサカつくのポイントだろう。

 先ごろクローズドβテストを終えた初の完全ネットワーク対応版「プロサッカークラブをつくろう!ONLINE」の前評判も上々のサカつくシリーズ(関連記事参照)。ひとまず原点のJリーグに帰ってきた最新作をプレイして、サッカー愛を高めてみてはいかがだろうか。

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