五十嵐孝司氏「2Dゲームよ永遠であれ」――2Dゲームの未来はどっちだ?:GDC 2007(1/2 ページ)
3Dゲーム全盛の今、あえて2Dゲームにこだわる「キャッスルバニア」シリーズプロデューサー 五十嵐孝司氏がGDCにおいて万雷の拍手に迎えられ「The Light and Dark Sides of 2D Game production(2Dゲームの光と闇)」と題したセッションに登壇した。
世の中の市場が3Dゲームへと支配されている現在、コナミの五十嵐孝司氏はあえて2Dゲームの光と闇を提示する。海外で絶大な人気を誇るニンテンドーDS用ソフト「CASTLEVANIA:Portrait of Ruin」(日本語タイトル:「悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス」)の開発経験を例として、GDCで初の講演に挑んだ。
次世代機のラインアップも出揃い、映像の表現方法も3Dがメインストリームとなっていると五十嵐氏。しかし、五十嵐氏はあくまでも2D表現にこだわっている。それは、自身が関わるアクションゲーム製作における有益性を選択した結果ともいえる。五十嵐氏は2Dゲームと3Dゲームの相違点を紐解くのに、まずアクションゲームにおける4つの遊び方を分析してみせた。
曰く、アクションゲーム(ゲーム性)は、画面の情報から何が起こるのかを推測する「タイミング」と、画面の情報から位置関係を把握してそれに対してアクションをする「距離」の遊びであり、画面の全体の中からどの位置にいれば有利に進められるかを考え、その位置をキープする「位置取り」の遊びであり、一定の方向を向く、もしくは移動、攻撃するという「方向」の遊びである。
3D表現は仮想で作られている3Dモデルを2Dモニターに投影し、人間が認識するのだが、3Dモデルはたいていリアルなスケールに基づいて作られている。ところが、そこにゲーム性であるとか、(特に画角等の)演出とかは、普段の生活で認識している距離感や空間感とは、必ず違って感じると、これを3Dゲームでもっとも大きな問題点として挙げる。
人は右と左の目で、見る角度を変えることで、無意識に対象物の位置と距離をはかっている。2Dに投影された3D映像は、作り手のさまざまな思いにより距離感を作り出されており、2Dに投影されたときに実際の意識している空間とのギャップが生まれるはずだというのだ。
例えば、3Dモデルでのアクションにおいて、ギロチンをかわす仕掛けがあるとする。2Dでは気にすることもないが、3Dではギロチンのところにあざとく筋を入れ、位置を判別できるようにしなくてはならない。敵と戦う場合も、宙に浮いたり武器が射程があるものだと、影の位置を見て敵の位置を把握してプレイすることになる。
つまり、距離ということだけでゲーム性を比較すると、3Dは画面の情報から距離感を認識するための演出を確認し、そして空間を認識して実際のアクションをするという流れとなる。これが2Dの場合だと、画面の情報から空間を即認識し、すぐにアクションを起こすことができる。つまり2Dは3Dよりも距離の遊びの導入が簡単といえるというのだ。
3Dのゲームは上記の4つのカテゴリーからすると、タイミングと位置取り、大まかな方向というゲーム性で、“距離”の概念が大雑把といわざるをえない。だから、距離感を強いるようなゲーム性を求めるのは酷となる。飛んでくるオブジェクトを画面上で認識してからではなく、敵が襲撃のポーズをとったのを確認して、物陰に隠れるという遊びになるわけだ。
2Dのゲームにおいては、上視点か横視点かで大きくゲーム性が変わる。2Dの上視点は、3Dに似ているが、4つの構造をフルに使っており、遊びの選択肢が多い。だが、プレーヤー側は最初に何をしていいか分からず、作り手側は意図的に遊びの幅を狭くしたり、明確に遊び方が分かる演出をして提供する必要がある。また、横視点の2D視点のゲームの場合、重力による制限を受ける場合がある。4つの遊び方を振り分けると、タイミングと距離は、重力の制限を受けないものの、位置取りと方向が制限されてしまう。しかし、制限を受けることで“重力”という特有の遊びを作り出しており、位置取りは重力加速度によって行ける場所が制限され、方向は横に強く縦に弱いと、ほぼ固定された遊びになる。ここをわざと変え、別の遊びを提供する場合もあるが、本作の場合はほぼ固定されているのが特徴といえる。
また、制限を受けないタイミングと距離の遊びは、より緻密な遊びを要求することができる。それは、重力による遊びの制限があるため、この部分を強化するがゆえに遊びの幅を狭くしているが、代わりに緻密に作ることが可能となる。
タイミングと距離はどうだろうか? これらは、アクションゲームに攻撃を避けるという遊ぶを提供している。3Dは距離の概念が曖昧なために、タイミングと演出を重視した“かわす”というよりは、“なんとなくかわしている”という雰囲気を味わう。しかし、2Dの場合、距離の概念が明確化しているため、きちんと見てから避けるというアクションができる。これは昔ながらのゲームに頻繁に見られ、「キャッスルバニア」シリーズでも多用される遊びとなっている。
2Dでは「見て避け攻撃する」という駆け引きが存在する。それが大きな魅力であり、これこそが2Dゲームにこだわる理由であり、なくしたくない理由でもあると五十嵐氏。
ドット絵について
2Dゲームを製作するにあたり、ドット絵は大きな意味を持つと五十嵐氏は切り出す。ざっとシリーズのリストを公開し、それぞれいくつの色数から構成されているのかを明かしたのだが、ファミコン版が4色で作られているのを除けば、ほかはすべて16色で作られていることが分かる。このわずか16色のドット絵がシリーズのキモとなるのだとか。
というのも、シリーズは軒並み同じ倍率で描かれている。横幅も一緒で、アスペクト比もほぼ変わらない。色数が一緒で、アスペクト比が一緒ということは、過去の資産が有効に使えることを意味する。この資産は、単純にボリュームアップするにも活用されるが、ヒューマンリソースをほかに使用することができ、クオリティアップにも貢献したという。また、コストの削減にも役立った。
過去の資産を利用するメリットとの1つとして、使用した作品のクオリティレベルも一緒にしないとならず、底上げが自然とできる点も挙げる。クオリティの底上げなどは通常チームリーダーが引っ張る形となるが、過去の資産があると少なくともそれ以上を要求することになり、よい意味でプレッシャーになり最低クオリティを底上げしてくれる傾向にあるという。つまり、過去の優秀なタイトルの資産を使用できるということで、チーム内のクオリティコントロールと教育が兼用できるというわけだ。コスト削減以上の大きなメリットとして五十嵐氏。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
-
「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
-
友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
-
後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
-
毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
-
「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
-
「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
-
余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」