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» 2007年05月23日 14時20分 公開

「Wiiリモコン向きのアルカリ乾電池」を検証してみた

Wiiリモコンはワイヤレスのため、もちろん単三形乾電池が必要になる。ただしプレイしていていきなり電池が切れるのも考えもの。ではどの電池が一番持つのだろうか? ということで調べてみました。

[小林哲雄,ITmedia]

アルカリ乾電池も各社さまざま

 今さら述べるまでもないが、任天堂のWiiリモコンはワイヤレスなので電池を使っている。Wiiリモコンや本体を購入するとアルカリ乾電池が付属しているが、これ以外にも各社から発売されているアルカリ乾電池はさまざま。メーカーによってどの程度異なるのか気になるところだ。

 まずアルカリ乾電池の基礎性能について触れておくと、アルカリ乾電池はJIS C8511の中で要求性能が定められている(日本工業標準調査会のWebサイトから検索可能)。単三形電池の能力に関しては5種類の試験条件が規定され、そのうちの1つにリモコンを想定した試験条件が示されている。それによると「24オームの抵抗負荷に1分間に15秒放電、45秒休止のサイクルを1日8時間行い、終端電圧1.0ボルトに達するまで製造直後で31時間、使用推奨期限内で27時間の継続時間があればよい」と書かれている。小難しい話になってしまったが、重要なのは「5種類の試験条件の中でもっとも時間がかかる」つまり電池の耐久能力が要求されるものだ。

 アルカリ乾電池が日本で生産されてから40年以上経過するが、少なくても筆者の記憶にあるここ10年間のアルカリ乾電池のセールスポイントは「一段とパワフル」だ(余談だが、日本初のアルカリ乾電池は日立マクセルが1963年に単二型で生産しており、松下電器産業は翌1964年に生産開始)。電池で動くウルトラファイヤマンのCM(これは24年前の話)もそうだが「値段は高いけど、マンガン電池よりもパワフル」に始まり、ここ10年程度の記憶に残っているトピックでは「“四駆プラモ”で速いのは○○」というクチコミ情報や、デジカメで多くの枚数が撮影できるといった宣伝など、アルカリ乾電池のリニューアル時のキャッチフレーズはパワフル面が強調されていることが多く、事実そのあたりの性能向上は著しい。とはいうものの、アルカリ乾電池のすべてが“パワフル用途”に使われているわけでなく、JISでリモコンを想定した条件が規定されているように、長時間使えるというのも重要だ。

 さてWiiリモコンだが、Wiiの取扱説明書や任天堂のWebサイトによると「アルカリ乾電池の使用をおすすめするが、ニッケル水素電池も使える。一般的な使い方で30時間以上」とある。また消費電力は約200ミリワットだ。

 Wiiリモコンは放置しておくと5分で勝手に電源が切れるオートパワーオフ機能を備えているので、放置したままテストすることはできないし、実際にWiiを使っている場合は振動したり音が鳴ったりすることを考えると放置したままというのはおかしい。そこで「計測メカ」を作成して測定することにした。この計測メカは、タミヤの「楽しい工作シリーズ」のベースプレートとユニバーサルアーム、そして4速クランクギアを活用して作成している。

 ところで、最初は直流モーターで計測メカを作成したのだが、耐久テストには向かず、なんとテストの途中でモーターが焼き切れてしまった……。そこから新たにACシンクロナスモーターを使った“弐号機”を作成し、再テストした(ちなみにユニバーサルアームが削れそうなので、こちらもピアノ線シャフトに変更した)。1分間に3回転する低速モーターを使っており、同様に1分間に3回の首振り運動を行う。これで常時Wiiリモコンを左右に振っているという状態を作り出している。

画像 ちなみにこちらが“初号機”。あえなく昇天
画像 こちらが実際にデータを測定した“弐号機”。左上の白いギアの下は低速で回転するシンクロナスモーターだ。ピアノ線で動きをリモコンの乗った板に伝えるようになっている。右は電圧測定に使ったサンワのPC-20
画像 Wiiリモコンの電圧は銅はくを使って集電した。リード線の先はテスターに接続されている

 なお、このテストはHOMEボタンメニュー上で行っており、左右に振れるカーソルが10秒に一回「Wii メニューへ」のボタンに当たるように設定しているのだが、この際にはリモコンの振動モーターが反応するようになっている。この条件でどのぐらいの持続時間があるのだろうか?

 計測は上記の条件の下、これを10秒毎に画面キャプチャで残量表示を確認すると同時に、電池電圧を三和電気計器のデジタルマルチメータ(DMM)「PC-20」にて測定し、「KB-USB」を使ってPCに接続。「PC Link Plus 2.10」を使用してパソコン上にデータを取り込んでいる。計測データはその後Excelでグラフに加工している。

では実際に電池の持ち時間をチェック

画像 今回のテストに使用した電池

 今回テストしたのは以下の電池だ。

  • 松下電器産業「LR6XJ」(通称“金パナ”)
  • 日立マクセル「ダイナミック」
  • 日立マクセル「イプシアルファ」
  • ソニー「LR6(SG)」
  • FDK「富士通アルカリ乾電池 G-PLUS」

これに加えてアルカリ乾電池ではないものの、Wiiリモコンを使用する際に有力な対抗馬となる松下電器産業「オキシライド乾電池」、三洋電機「エネループ」を加えて計7種類でのテストとなった。結果は以下の通りだ。

画像 測定結果のグラフ
画像 グラフ終端部拡大

 これを見ると分かるが、“高性能な電池”をうたうイプシアルファとオキシライドはいわゆる“ハイパワー型”に位置するため、「じわじわと電池残量が減っていく」というリモコン用途には弱いように見えるものの、結果はイプシアルファが一番長い持続時間を示し、その次にオキシライドとなるなど、どちらも高い持続時間を示すという結果となった。ところでオキシライドのグラフだが、比較的高い電圧を維持し続け、そのあと下がっていくという、ほかの電池にない特性を示しているのが興味深い。

 ところでエネループだが、以前三洋電機に取材したことろ、エネループは繰り返し使えるという以外に「ニッケル水素充電池としても安い」ところがポイントだと聞いた。確かに他社製品はもとより、同社の従来型ハイパワーニッケル水素電池よりも価格が安い。とはいうものの電池だけで2本780円、充電器セットで1980円(いずれも大手量販店の価格)と、それなりの価格で初期費用がかさむというのが難点だ(ちなみに従来タイプ電池は2本で980円程度だ)。

 こちらの持続時間は数回満充電−完全放電を繰り返した状態で28時間ほど、といった結果を示しており、残念ながら今回のアルカリ乾電池には及ばなかった。充電できるので多少短くても問題はないが、ニッケル水素電池の電圧特性は「低めで維持する」ので、残量表示がやや特殊だ。エネループはニッケル水素電池としては電圧が高めだが、それでもWiiリモコンのアイコン表示である「残量4」(電池のアイコンが4個点灯している状態)の時間が非常に短く、利用時間のほとんどが「残量3」から「残量2」の状態になっている。その観点で見るとオキシライドも電圧が高いためか、先ほども述べたように残量4の状態が他の電池と比べて非常に長いことが分かる。

 ところでこれらの電池の価格だが、松下電器産業LR6XJ“金パナ”が20本で1700円程度、ダイナミックが同1400円程度、FDKのG-PLUSが同1500円程度、ソニーのLR6(SG)が同1300円程度となっている。オキシライドは若干高めで同1900円程度、イプシアルファが同1800円程度だ。ブランドイメージが高いのか“金パナ”がもっとも単価が高く、FDKのG-PLUSよりもダイナミックが安いという形だ。数年前まで日立マクセルはダイナミックの下位に相当する「アルカリエース」を販売していたので、その意味からすればFDK G-PLUSよりも単価の安いダイナミックはお買い得ということになり、性能もWiiリモコンで使う限りパナソニックに負けないということが分かる。

 そこで、測定結果と合わせて考えてみるに、普通のアルカリ乾電池を使うならば、ダイナミックが一番コストパフォーマンスがよい、ということになる。持続時間だけを考えるなら、“ハイパフォーマンス乾電池”であるイプシアルファかオキシライドが選択肢となるだろう。また使う頻度を考えると、エネループのようなニッケル水素充電池も選択肢に入ってくる。充電器と一緒に買っても20回も充電して使えば元が取れる計算で、頻繁に使うユーザーならば断然安い。このテストを1つの参考事例として、自分の活用するシーンに合わせて、電池を選択してみてはいかがだろうか。

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任天堂 | Wii


※今回の測定はITmedia +D Games編集部が独自に実施したものです。ほかの条件での測定結果とは異なる可能性があります。また、電池の持続時間は気温、湿度など環境条件により異なるため、同様の測定を行っても必ずしもすべての製品について同じ結果が出ない場合もありますのでご了承ください。


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