ハッピーな公園をつくるためにレッツらゴー! 花咲か“ちびロボ”、ここに見参「咲かせて!ちびロボ!」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年07月26日 15時59分 公開
[仗桐安,ITmedia]
前のページへ 1|2       

おもちゃと交流し、公園を自分流に作り直しちゃおう

 ダンスをする→タネが出る、シャワーをかける→花が咲く、というプレイだけなら、あまりにシンプルすぎる。もちろん本作でできることは花を咲かせることだけではない。公園を自由に歩き回り、公園を自分の思い描いたように変えることができるのだ。

 「ハッピーさん」(花を咲かせたり、いいことをしたときにもらえる、ハート型のエネルギー)をちびロボハウスで変換することで、ちびロボの原動力となるワッツを得ることができる。ワッツはちびロボの原動力であると同時に新たなるツールを手に入れるための通貨でもある。ちびロボハウス内のちびパソを起動しドーグカエールを選択すればアイテムの購入が可能だ。最初は何のアイテムも並んでいないが、公園の花が増えることでどんどんアイテムが入荷されていく。ここで購入できるアイテムはいずれもプレイの自由度を広げるユニークなものばかりなので、花を増やすモチベーションの1つとして機能していると言っていいだろう。

 ドーグカエールで購入したり公園の外に出て拾ってきたりすることで手に入る“カセット”は、ちびロボの行動の選択肢を広げてくれる楽しいアイテム。この“カセット”をちびロボハウスにセットすると、ちびパソ内のパークツクールで、公園の外観を変更できるようになるのだ。ツボミがあっても花が咲かない枯れた土地を花が咲く土地に変えたり、道路や川を自由に作ったり、ベンチなどのオブジェを配置したりと、カセットの入手で可能になることは多彩で、突き詰めていくと、同じ公園は1つも存在しないだろうというほどに、各プレーヤーの個性が反映された公園ができあがることだろう。そこには、任天堂の「おいでよ どうぶつの森」にも通じる、気ままに好きにいじれる遊び場を提供されたような感覚がある。

画像 新しいアイテムが入荷されたときのワクワク感がたまらない
画像 まだまだ黄色い土地が多い…。全ての土地を鮮やかな緑色にして花いっぱいの公園にするためには、かなりやり込む必要がありそうだ
画像 ベンチが増えれば、訪れる人の数も増える!このように設置できるオブジェにはそれぞれプレイ進行に貢献するメリットがあったりする

 ただし、公園を自由に変える作業は、ちびロボ本人にはできない作業だ。では誰がやるのかというと、ここで登場するのが友達になるおもちゃたち。公園のすぐ側に隣接したタウンに出かけると、ちびロボと同じくらいの身の丈の個性的なおもちゃたちに遭遇する。彼らと出会い友達になることで、パークツクールの機能が初めて活かされるのである。

 面白いのは、おもちゃによって得意な作業や苦手な作業があるようで、ペンギンなら6000ワッツを払ってやってくれる作業がリバティなら5000ワッツでやってくれたりと、支払うコストに個人差がある点だ。適材適所で作業を振ることで、よりお安く作業してもらえる。誰に何をしてもらうかが重要だ。

 公園でできることが増えれば増えるほど、あちこち見回らなくてはならなくなる。そして、公園を自由に作り直したら、やはり自分が作った公園を満喫してみたいもの。そんな時にちびロボの徒歩の移動では一回りするのも大変だ。そこで活躍するのが「ちびのりもの」。複数のちびのりものが存在するが、例えば自転車であれば、十字ボタンの左右で方向を切り替えつつ、下画面の中央に表示されたペダルをレコードの時と同様に円状にスライドすることで、移動することができる。その他のちびのりものに関しても、それぞれ運転の操作が異なるので、運転そのものがミニゲーム的な面白さを有していて、移動効率も上がるので、色々なちびのりものを見つけて運転するという楽しみもある。

画像 おもちゃたちはいずれも素敵に愉快な個性派ぞろい。ある程度パークツクールの作業を進めるといなくなってしまうが、タウンに出ればまた会えるのでご安心を
画像 作業への報酬は、最終的に各おもちゃ独特のスロットによって値上がりしたり値下がりしたりする。運に任せてスロットを回せー
画像 自転車をキコキコと運転する操作は、最初はよたよたしてしまうかもしれない。慣れれば自由に方向修正しつつ移動できるはずだ。舗装された道の上を走れば消費ワッツを抑えることができるので、ワッツが切れそうなときは道の上をキコキコと走ろう

花を枯らす厄介者はシャワーで撃退!

 タネを植え、花を咲かせ、公園を自由に変更し、花が咲き乱れる自分だけの公園をちびのりものでパトロールする。ここまでの要素だけであれば、何と平和なゲームなんだ……と思えてしまうところだ。しかーし、本作はそんな平和なだけの生易しいゲームではない!咲く花を枯らす憎っくき敵キャラがちびロボの前に立ちはだかるのだ。

 「ダークシーゼン」という謎の黒づくめのおもちゃが、ちびロボのライバル。ゲーム内の日にちが経過していくと彼が送り出す刺客「クロ」が公園内に登場するようになる。クロは放っておくと花をどんどん黒くしてしまう。黒くなった花は一夜過ぎると枯れてなくなってしまうので、明らかにちびロボの目的を邪魔している。そんな厄介なクロの弱点は水。ここで活躍するのがちびシャワーだ。クロめがけてシュコシュコと水をかければ、水を含んだクロがぱちんと破裂する。クロは基本的に3人1組で土地にできた巣穴から登場するので、見つけたら1人残らず退治しよう。

 さらに日にちが経過すると、巨大な「デカクロ」も登場する。自然を守りたいちびロボと自然を破壊したいダークシーゼンたちの攻防がどういった展開を見せるかというのも、本作の大きな見所、遊び所だ。

画像画像 クロが出現する日は、その対応に追われてしまうかも。大変だが、花を枯らさないためにもがんばらねばならない。ちなみにクロはちびのりものでアタックすることでもやっつけることができる。デカクロに動きを封じるためにもちびのりものは有効だ
画像 「ちびパソ」の「クロよほう」は要チェックだ。その日にクロが出るかどうか、大体の目安が分かる

刻一刻と変化するちびロボの世界にどっぷりハマってしまうかも

画像

 花を咲かせるだけかと思いきや、プレイの自由度も高く、手ごわい敵との戦いも熱く、かなり豊潤なゲーム性を持った作品になっている本作。プレーヤーには、公園に花を咲かせなさい、という指令が与えられるわけで、それをセオリーに沿ってこなしていくというのはある意味“お使い”ゲーではあるのだが、そのお使いが苦にならない、むしろ指令を受けて色々と動くことが楽しいと思わせる演出がうまく利いている。

 花の本数によるアイテムの入荷や、毎日チェックされる訪れた人の数、自分の手が加わることで明らかに変わっていく公園など、地味ではあるがわずかな変化が確実に起きていることに、妙なうれしさを感じる瞬間がたくさんある。それは前作同様に探索型のアクションアドベンチャーとして王道な面白さそのものだ。

 平和的な目的、少しずつ成長していくちびロボ、じんわりと自分好みに変わっていく公園……。前述したそんな各要素にピンときたら、ぜひ本作を手にとってほしい。おそらく夢中で花を咲かせ、ハッピーさんをかき集め、毎日いそいそと公園に出かけるちびロボな生活をめいっぱい楽しむことができることだろう。

関連キーワード

任天堂 | ニンテンドーDS


(C)2007 Nintendo


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた