画面から涼しさが伝わってくるブルーな世界を堪能する「FOREVER BLUE」レビュー(1/2 ページ)

夏といえば海、海といえばダイビング! Wiiの「FOREVER BLUE」は、南太平洋の美しい海に包まれて、イルカやクジラと思う存分ふれあえる超癒し系タイトル。この夏は自宅にいながらバカンス気分を味わおう。

» 2007年08月21日 00時00分 公開
[立花裕壱,ITmedia]

 今年の夏はどこにいこうかなあ。沖縄! ハワイ! はたまたニューカレドニア!! なんて、そんなのは夢のまた夢。悲しいかな、どうせ今年も家で仕事なんだろうなあ……。と、そんな寂しい筆者にピッタリのゲームが登場した。この「FOREVER BLUE(フォーエバーブルー)」は、南太平洋の海にダイビングして、心ゆくまで海中散策を楽しめる癒し系ゲーム。ダイビングの免許を持っている人ならいざしらず、普通は海に旅行にいったってここまできれいな光景を目にするのは不可能だろう。オニヒトデをつついたり、イルカをなでなでしたり、変な形の深海魚を発見して驚いたり……。そこには自分だけの楽園が広がっているのだ。

 これまでも海中を探索するゲームは、数は少ないながらも根強い人気があった。古くはイルカを操作して仲間を探すメガドライブのアクション「エコー・ザ・ドルフィン」(現在Wiiのバーチャルコンソールで配信中)。ほかにも、究極の癒し系ソフトと称される「アクアノートの休日」(PS)や、海中の音を集める「DEPTH」(PS)など、印象的な作品が多い。

 この「フォーエバーブルー」も、プレイステーション 2で発売された「エバーブルー」シリーズと同じアリカが制作を担当している。「エバーブルー」はダイバーとして沈没船で宝を探すアクションアドベンチャーの要素が強かったが、「フォーエバーブルー」は、ゲーム的な色彩は薄まり、生き物とのふれあいや気ままな海中散歩が全面に押し出されている。涼しげな海でいかにプレーヤーに気持ちよくダイビングさせるか。これが、「フォーエバーブルー」の狙いだろう。

画像 海に住む生き物とのスキンシップが重視された「フォーエバーブルー」。思う存分タッチできる
画像 自然に恵まれたマナウライの海。小さなカクレクマノミから巨大なシロナガスクジラまで、海の仲間がたくさん登場。すべての種類と仲良くなろう

青い海へようこそ

 ゲームの舞台は、南太平洋に浮かぶ架空の島国、バオウル共和国にあるマナウライ島の海。周囲から長らく隔絶されてきたこの海は、独自の生態系が育まれ、多彩な生き物が生息している。プレーヤーはプロのダイバーとして、いまだ全容が解明されない神秘の海に潜り、マナウライの調査を進めていく。

 まずはダイバーのキャラクターメイキングからスタート。名前をつけて髪型と肌の色を決めたら、共和国への入国手続きが完了する。

 拠点となるのは比較的小さな船、ガッビアーノ号。ここのキャビンでセーブやメールの受信、生物図鑑の閲覧などができる。

画像 キャラクターメイキング。髪型と髪の色はあとから変えられるので、あまり悩まず決めてしまってもいい。ヘアスタイルは次第に増えていく
画像 知的なメガネ美女のキャサリン。ダイビングの様子をモニタリングして正確な情報を伝えてくれる。実は彼女は泳げないとか……。キャサリンにも秘密がありそう

 操作はWiiリモコン単独で行う。行きたい方向をポイントしてBボタンを押すと、プレーヤーキャラが前へ進む。慣れるとリモコン操作はかなり楽だ。従来の海中探索ものは、高低差の変更が直感的ではないものが多かった。その点、「フォーエバーブルー」は、リモコンをモニタの上に向ければ上昇、下に向ければ下降と、スーッと泳いでいる感覚が味わえる。

 海中で知らない生き物を見つけたら、ポインティングマーカーを合わせてみよう。なでる、つつく、エサをあげるといったスキンシップが取れる。最初は名前が「???」だが、なでると種類が判明し、さらに仲良くなると、近づいて甘えてきたり、あとを追いかけてきたりする。生物図鑑の説明文も増えて、その生き物の詳しい生態もわかってしまうのだ。

 マナウライの海には、たくさんの生物が生息している。黄色が鮮やかなチョウチョウウオ、青い体に黄色の背びれが映えるパウダーブルーサージョンフィッシュの群れ、おでこの立派なこぶが目印のナポレオンフィッシュ。薄暗い深海で長い背びれを優雅にひるがえらせて泳ぐ珍魚リュウグウノツカイ……。しかも船のデッキにはアデリーペンギンやモモイロペリカン、ウェッデルアザラシなどもやってくる。すべての生き物とふれあって、図鑑をコンプリートするのが最大の目標になるだろう。

 イルカやクジラにつかまって泳げるというのも筆者にとっては感動もの。子供のころからのちょっとした憧れだった。人懐っこいイルカにつかまって、カラフルな珊瑚礁を見ながらすいすい泳ぐ。気分は城みちる……って、古くて誰もわからないか。

画像 ツアーで人気のドルフィンスイムのように、イルカと一緒に泳げる。これはゲームであっても、ヒーリング効果が得られる……はず
画像 エイでもサメでも「なでる」、「つつく」、「エサをあげる」といったスキンシップによって仲良くなれる。海の生き物好きにはパラダイス!?

 この手のゲームでは、ライフやタイム制限など、プレーヤーを縛るルールもよく見かけるが、本作にはそうした部分がほとんどない。それが、高い癒し効果につながっている。サメを触ってもかじられないし、エアーの概念は一応あるが、たとえ切れても船に戻るだけ。余計な心配をしなくてもいい安心な箱庭が構築されている。

 また、リモコンによって、比較的スムーズにダイバーが操れるのも長所だ。「ダイバーを動かしている」という感覚を忘れて景色を堪能できる。カラフルな魚たちが泳ぐ夢のような珊瑚礁「マリジ環礁」、迷路のように入り組んだ水路に大型魚が潜む「ロックランド」、白い岩にうがたれた鍾乳洞「人魚の洞窟」……。広い海には、海底遺跡や幽霊船もある。地上では絶対に見られない絶景を味わえる夢のようなツールといえそうだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた