「テトリス」はもはや、レトロゲームとは呼べないかもしれない:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
ゲームセンターの風景が変わった
ファミコン版と同じ1988年12月、セガ・エンタープライゼス(現・セガ)が、アーケード版「テトリス」を発売した。
アーケード版ではステージクリアの概念はなく、フィールド上にテトリミノをひたすら積み上げ、消していく。ただし、ゲームが進むと背景が変わっていく。大自然の景色から、巨大なトカゲ、畑、町、摩天楼、そして未来都市らしき風景へと変化する。
アーケード版は、「ボタンで左回転、レバーを下に入れると高速落下」という操作方法を、初めて採用した。この操作法が、現代に至るまで、各社で発売された「テトリス」に受け継がれている。
アーケード版「テトリス」は、ゲームセンターの風景を変えた。ハイスコアを狙うマニアはもちろん、普段ゲームにあまりなじみのない人々まで、とりこにしてしまったのだ。UFOキャッチャーなどとともに、ゲームセンターに若い女性やカップルが来るきっかけとなったゲームの1つといえる。
しかも、稼働期間が非常に長い。初登場から19年を経た今でも、ゲームセンターでこの「テトリス」を見かけることは珍しくない。
アーケード版「テトリス」は、セガエイジス2500シリーズの1つ「「テトリス」コレクション」の収録作品という形で、プレイステーション2に移植されている。
「「テトリス」コレクション」にはほかにも、「テトリス」をベースにした「フラッシュポイント」と「ブロクシード」、現在の国際ルールに基づいて作られた「「テトリス」 ニューセンチュリー」が収録されている。
このアーケード版は、メガドライブへの移植が計画され、移植自体は完了していたが、結局発売されなかった。
セガはアタリの子会社・テンゲンから「テトリス」の販売権を得ていた。「テトリス」の版権はソ連のエローグ(外国貿易協会)が管理しており、イギリスのミラーソフトがこの販売権を取得。さらにミラーソフトがアタリに、アタリがテンゲンに、テンゲンがセガに販売を認めるという、複雑な経緯となっていた。
ところが、ミラーソフトの得ていた販売権が、PC用に限定されていたものだったことが発覚。その影響でセガは、メガドライブ版を販売できなくなってしまった。
任天堂は1989年にゲームボーイ版を発売しているが、エローグと直接契約していたから、家庭用ゲーム機における「テトリス」の販売権を獲得できたのだ。
こうしてメガドライブ版「テトリス」は幻のソフトとなってしまったが、プレイステーション 2用「テトリスコレクション」に、このメガドライブ版も収録され、ようやく日の目を見ることができた。
攻撃のできる対戦モードが、ゲームボーイ普及の原動力に
1989年、任天堂からゲームボーイ版「テトリス」が発売された。
最大の特長は、通信ケーブルをつないで行なう2人対戦モードの存在。フィールド内のテトリミノを消すことで、相手に攻撃できるという要素が盛り込まれた。
2段同時に消すと、相手のフィールドが1段押し上げられる。3段同時消しだと2段上がり、4段同時に消すと、相手フィールドが4段上がる。
これにより、テトリミノをただ消していくだけではなく、4段同時消しを狙う必要性が増し、そのための積み方を考えるというおもしろさも増した。
ゲームボーイ版は424万本もの驚異的な売り上げを記録。発売されたばかりの、ゲームボーイ本体の普及にも貢献した。今でいうキラーソフトである。
アーケードでもゲームボーイでも、「テトリス」はハードそのものの方向性を変えている。
アーケードでは、ゲームセンターにいわゆるライトユーザーを呼んだ。ゲームセンター自体も、内装を明るくしたり、清掃を徹底したりして、こうしたお客さんに配慮するようになった。
この頃から始まった“ゲームセンターのアミューズメントスペース化”の流れは、現在まで続いている。
ゲームボーイでは「テトリス」が、ゲームボーイ本体と通信ケーブルを売る原動力となった。そして以降のゲームボーイの路線を、“対戦&パズル”路線に決定づけたのだ。
それぞれに、セガと任天堂のスタンスが、何となく表れているのがおもしろい。
ちなみに、“ゲームセンターのファン層拡大”とゲームボーイの“対戦ゲームブーム”、これらが1991年の「ストリートファイターII」大ヒットの伏線になっているのではないかと、わたしは考えているのだが。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「大根は全部冷凍してください」 “多くの人が知らない”画期的な保存方法に「これから躊躇なく買えます」「これで腐らせずに済む」
-
マクドナルド、次回ハッピーセットのコラボを“チラ見せ★”するも…… 分かりやすい正体に「きっとひっかけ問題」「めっちゃ嬉しい」
-
平野紫耀、イベントで持っていた“37万円のカバン”が爆速で完売 「経済まわしすぎ」「ファンすごい」の声
-
「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
-
浜崎あゆみの「9人のそっくりさん」が全国から大集合 “本人公認あゆ”、“11歳のあゆ”、“会社員あゆ”など
-
「虫の本送ったよ」 LINEしてきた母、荷物を開けると…… 愛がつまった“4万円の本”の正体に「そのノリで送っていい本じゃねぇぞ」
-
←デート初日の夫 現在の夫→ 2400万再生突破の大変貌に「同じ男性だなんて信じられない」【海外】
-
「誠に勝手ながら……」 → 勝手にもほどがある「休業のお知らせ」が1030万表示 「実質閉店」
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
-
「小さいころはこれだった」 会社の大掃除で見つかった“まさかの絶滅危惧種”が170万表示「まだ生き残りが」
- ryuchellさん姉、母が亡くなったと報告 2024年春に病気発覚 「ママの向かった場所には世界一会いたかった人がいる」
- ハードオフに1650円で売られていた“まさかの掘り出し物”→修理すると…… 見事な復活劇に「相場が上がってしまうw」
- 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに……衝撃の経過報告に大反響 2024年に読まれた生き物記事トップ5
- 北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
- 【ハードオフ】2750円のジャンク品を持ち帰ったら…… まさかの展開に驚がく「これがジャンクの醍醐味のひとつ」
- 「脳がバグる」 ←昼間の夫婦の姿 夜の夫婦の姿→ あまりの激変ぶりと騙される姿に「三度見くらいした……」「まさか」
- 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
- 米津玄師、紅白で“205万円衣装”着用? 星野源“1270万円ネックレス”も話題…… 「凄いお値段」「びっくりした」
- 【今日の難読漢字】「手水」←何と読む?
- サバの腹に「アニサキス発見ライト」を当てたら……? 衝撃の結果に「ゾワっとした」「泣きそう」と悲鳴 その後の展開を聞いた
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」