Wiiでチョコボと大冒険! 10年目の不思議なダンジョンは時を忘れてやり込める:「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」レビュー(1/3 ページ)
Wiiで始まる新たなチョコボの冒険は、ボリューム満点、遊び心満載の楽しくも不思議なダンジョンRPGだ。ギサールの野菜をもりもり食べてダンジョンの奥深くまでもぐっていこう!
チョコボが挑む不思議なダンジョン、10年目にして久々の登場
「チョコボの不思議なダンジョン」シリーズの最新作「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」がWiiで登場した。
本作はシリーズ3作目にあたる。シリーズ1作目の「チョコボの不思議なダンジョン」は、プレイステーション用ソフトとして1997年に発売された(1999年にワンダースワンに移植されている)。「ファイナルファンタジー」シリーズのマスコットキャラであるチョコボと、コアなファンを持つチュンソフトのダンジョンRPG「不思議のダンジョン」がコラボレーションしたということで、当時はかなり注目を浴びたタイトルだ。また、2作目「チョコボの不思議なダンジョン2」は翌年1998年にプレイステーションで発売されている。
1作目からちょうど10年……。時の経つのは早いものだ。そして10年の時を経てなお現役バリバリで高い人気を誇る“チョコボ”と“不思議のダンジョン”。両者が長い歳月を経てまたまたタッグを組んだというのは、ファンにとっては朗報だろう。Wiiで始まる新たなチョコボの冒険について、お伝えしていこう。
不思議な街にやってきたシドとチョコボ 失われた記憶を取り戻せ
本作の主人公はもちろんチョコボ! ではあるのだが、チョコボと行動をともにする(というよりも、チョコボがおともをしている)のがシドだ。シドと言えば「ファイナルファンタジー」シリーズにおいて設定や姿を変えて何度も登場するキャラとして有名。今回もガラリと雰囲気を変えて、メガネと帽子が特徴的な好奇心溢れるイケメンとして登場する。そんなシドとチョコボは世界をまたにかけてお宝を見つけ出すトレジャーハンターだ。
秘宝を探す旅の途中で2人(1人と1匹)が「時忘れの街」にたどり着くところから、本作のプレイが始まる。時忘れの街は、街の中央にある時計塔の鐘が鳴り響くたびに、人々が想い出を忘れ記憶を失くしていくという奇妙な街。町長は「忘れることで幸せになれる」と言い、住民たちも日々何かを忘れる生活を受け入れてしまっている。そんな街の人たちを救うべく、チョコボは冒険をする。
チョコボの仲間はシドだけではない。優しくてしっかりものの白魔道士シロマや、その叔母ステラが冒険に協力してくれる。また、ストーリー序盤で驚きの登場を見せる謎の少年ラファエロの存在が本作のキーとなっている。ラファエロの不思議な能力によって街の住民たちの秘められた記憶が別の世界を生じさせ、そこに世にも不思議なダンジョンが生成されるのだ。チョコボは住民たちの記憶のダンジョンを巡り、失われた記憶を取り戻していく。次第に明らかにされていく街の秘密、ラファエロの謎、そして「ファイナルファンタジー」シリーズでは欠かせない要素であるクリスタルの存在……。
物語は、ゲイル市長、フレイア、メーアなど街の住民のほか、イルマ、ヴォルグ、、モーグリ扮するダンジョンヒーローX(エックス)など個性的な脇役キャラも登場し、プレーヤーを飽きさせることなく展開していく。シリーズ3作目ではあるが、シリーズ前2作のプレイ経験はまったく必要なく、完全に独立したストーリーが楽しめるので、新規のプレーヤーも安心していただきたい。
本作においては、物語を盛り上げるグラフィックと音楽も秀逸だ。暖かみがあり、西洋の伝統ある町並みを思わせる「時忘れの街」のビジュアルが実にいい。チョコボの移動に合わせてアングルが変わる見せ方が何とも臨場感があって雰囲気を盛り上げている。また、音楽に関してはビックリするほどに出色の出来栄えだと言いたい。なぜなら、過去の「ファイナルファンタジー」シリーズの名曲が、本作のテイストに合わせたアレンジで効果的に流れるからだ。これは本家「ファイナルファンタジー」シリーズのファンにもちゃんと聴いてほしい! と思うほどに素敵なアレンジが施されている。ファンなら気分が高揚すること間違いなしだ。
逆に残念なところは、若干ロードが長いという点。預かり所など頻繁に利用する施設に入る時に完全にブラックになるロードがあるのだが、あれがもう少し短ければ快適になるのになぁと非常に惜しく思ってしまった。
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