衝撃の第1作目から早10年──「GT」はついにオンライン完全対応に「グランツーリスモ5 プロローグ」レビュー(1/2 ページ)

1997年12月に第1作目が登場して以来、全世界のクルマ好きを魅了し続けてきた「グランツーリスモ」シリーズ。その最新作がPS3で登場。“レースゲームの新しいスタンダード”をテーマにさまざまな要素が詰め込まれている。

» 2008年01月07日 15時25分 公開
[千早秀生,ITmedia]

オンライン対応ならではのメイン画面“マイページ”

後述するマイページでは、現在乗っている車種が背景に映し出される。フルHDクオリティ、1080p、リアルタイムレンダリングで描かれるクルマは超美麗!

 前作「グランツーリスモ4」(以下、GT4)が発売されたのが、今からちょうど3年前。その後、「GT4」をベースとしたオンライン実験バージョン(抽選によって選ばれたユーザーが3カ月間テストプレイを楽しめた)、PS3発売1カ月後から無料で提供された「グランツーリスモHDコンセプト」を経て、このたびついに新たなパッケージ版が登場となった。

 待望の完全新作である「GT」に、“プロローグ”とはいえ待ち望んだファンは多いはずで、第1作目からプレイしている筆者も待ちに待ち望んでいた。……が、筆者は実は、先述のオンライン実験バージョンも「HDコンセプト」も、さらには本作の体験版も未プレイ(ファンとしては失格!?)。それだけに本作に対する期待は大きく、久々にハンドル型コントローラーの「GT-FORCE Pro」を引っ張り出してしまった。

 さて本作は、パッケージ版とダウンロード版の2種類が存在している。価格はほんの少し異なるが、当然ながらゲーム内容はまったく同一だ。ダウンロード版はHDDにインストールして遊ぶ形式なのだが、実はパッケージ版でもHDDにインストールが必須。約5Gバイトほどの空き容量が必要になるので、これからパッケージ版を購入しようと考えている人は、HDDの空き容量をチェックしておいた方がいいだろう。ちなみにインストールした後でも、起動にはディスクが必要となる。

 インストールも無事終了し、さっそくゲームを起動。超美麗なオープニングムービー(曲が「GT」のテーマ「Moon Over The Castle」ではないのが個人的には残念だった)に続き表示されるのが、本作のメイン画面であるマイページだ。これまでのシリーズでは、タイトル画面からアーケードモードやグランツーリスモモードなどへ移行する形となっていたが、本作に関しては各メニューがこのマイページに集約されている。現在用意されているメニューは以下のとおり。

モータースポーツ関連ニュースのあとは「ミュージアム」。各自動車メーカーの歴史を知ることができる
  • ニュース
  • GT-TV
  • オンライン
  • ランキング
  • アーケード
  • イベント
  • ガレージ
  • ディーラー
  • リプレイ
  • オプション
  • マニュアル
  • セーブ

 以上の12項目。このうちオンラインとランキングは12月25日のアップデートで追加されたものなので、それをふまえると、今後さらにメニューが増える可能性も大いにあり得る。

 また、PLAYSTATION Networkにサインインしていれば、マイページに時計やカレンダー、世界各地(著名なサーキットが存在する都市)の天候&気温が表示される。しばらく何も操作しないと、メニューの表示が消え、画面下部にモータースポーツ関連のニュースが流れる。

「GT」にもついにコックピット視点が

 新規スタート時は少額のCr.(ゲーム内通貨)を持っており、これで1台目の愛車を購入する仕組みだ。お高いクルマは買えないので、筆者は購入できる車種の中からなんとなく“フォルクスワーゲンGolf GTI”をチョイス。しばらくはコイツとレースを戦うことになる。

 まずは任意のコースでコンピュータとのシングルレース、またはタイムトライアルが楽しめるアーケードがいいだろう。筆者はとりあえず、シングルレースを選んでみた。

 本作に用意されているサーキットは、下記の5つ。それぞれ2レイアウトずつ用意されており、つごう10レイアウトが楽しめるというわけだ。

  • デイトナ(オーバルの「スーパースピードウェイ」と、インフィールドを使った「ロードコース」の2種類)
  • 富士スピードウェイ(シケインありの「F」と、なしの「GT」の2種類)
  • アイガー北壁コース(順走と逆走)
  • 鈴鹿サーキット(フルコースと東コースの2種類)
  • ロンドン市街地コース(順走と逆走)

 コースを決定し、シングルレースかタイムトライアルを選ぶと、続いてトランスミッションやタイヤの種類、ASMやTCSの有無といったドライビングオプションを設定する。本作では駆動系や足回り等のセッティングはできないため、イコールコンディションのワンメイクレースなどではこのドライビングオプションがより重要視されるのだ。もちろん、プレーヤー自身の腕も。

 ドライビングオプションでは、クルマのシミュレーションタイプを「スタンダード」か「プロフェッショナル」から選ぶことも可能。プロフェッショナルはその名が示すとおり、よりリアルでシビアな挙動となる。試しに何台かのクルマを両タイプで走らせてみたが、プロフェッショナルの場合、高速域でのステアリング操作がややシビアになり、ブレーキング時の制動距離も長くなったと感じた。

「グランツーリスモHDコンセプト」で初登場のアイガー北壁コース。本作ではさらに作り込まれている
タイヤを変更すれば、より実車に近いドライブフィールが得られる。マニュアルのドライビングオプションを確認しよう

 さて、設定も終了しいよいよレースがスタート。本作は最大16台での走行を実現し、コンピュータのAI(人工知能)も格段に進化しているという。確かに、併走状態でのコーナー進入時に無理矢理インを閉めてくるようなことはほとんどないし、理不尽な追突も少なくなったように感じる。コンピュータ同士でブレーキング競争をし、一方が曲がりきれずにグラベルに突っ込むといったシーンも見られ、何だか人間っぽいな、とも思った。

 また、プレーヤーが他車への追突や幅寄せ、ショートカットなどを行うと、ペナルティとして一定時間、エンジン出力が規制される(回転数が上がらない)。つまり、他車を利用して強引にコーナーを回ったり、市街地コースで壁を使って走るなど、いわゆるゲーム的な走行は順位やタイムを落とす結果になるのだ。もちろん、これはアーケードに限らずオンライン対戦でも採用されている。

AIが賢くなり、よりレースが楽しくなったシングルレース
レースの設定されているペナルティレベルによってペナルティ時間は変化する

 走行中のグラフィックと挙動は、当然のごとく過去最高のクオリティを誇る。映像面では、今回初めて搭載された視点「コックピットビュー」に注目したい。スピードメーターやタコメーターなどのインパネ類が1台1台、リアルに再現されているのだ。

 実はこの視点、過去の他レースゲームでも採用されていて、筆者も実際にプレイしたことはあるのだが、Aピラーやミラーなどの位置に違和感があり、あまりプレイする気には正直なれなかった。でも、本作ではさほど違和感なく走ることができたのだから、その再現度はかなり高いように思う。自分の愛車が本作に登場していれば、喜々としてこの視点を使うんだろうなあ(筆者のクルマは残念ながら収録されていません)。

車内に陽光が差し込む様もリアル
新型GT-Rのコックピットビュー。ポリフォニー・デジタルがデザインしたマルチファンクションメーターももちろん再現

 なお先述したとおり、筆者は「GT-FORCE Pro」でプレイしているのだが、コントローラで遊ぶのはキツイのかというとそうでもない。「オプション」のコントローラ設定でアクセル/ブレーキをR2/L2ボタンに割り当てれば、ボタンのストロークが深い分、アクセルを一定開度でキープしたり、ブレーキがロックしないようにジワッとかけるといったことが、他のボタン以上にラクにできるからだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2505/20/news026.jpg 1歳娘とパパが18年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に「娘ちゃん左手nice」「カッコ良いお父さま!」の声
  2. /nl/articles/2505/19/news111.jpg “ユニクロ神アイテム8点”を54歳女性が着回したら…… コスパ最強の1週間コーデが目からウロコ「素敵」
  3. /nl/articles/2505/19/news025.jpg 赤ちゃんを見守るワンコ、ママが抱っこしたその後…… 仰天の行動に「笑ってしまいます」「我慢してたんだね」
  4. /nl/articles/2505/18/news056.jpg 昼休みにペットカメラで留守番中の猫をのぞいたら……「猛烈に帰りたくなった」 凄まじい破壊力の猫に「これは寄り道なんて無理」
  5. /nl/articles/2505/15/news169.jpg 「よく企画通せたなぁ(笑)」 ローソンの“ニッチすぎる”コンビニスイーツが話題 「ほとんどの人が知らないでしょw」「なぜwww」
  6. /nl/articles/2505/19/news026.jpg 築50年、薄暗かった実家の玄関→4年かけてDIYしたら……「これがあの家…?」 様変わりした空間に反響
  7. /nl/articles/2505/20/news022.jpg ダイソーの毛糸1玉を、かぎ針で黙々と編むと…… 春夏にピッタリな“簡単かわいい完成品”に「え!!」「娘に編んであげたい」
  8. /nl/articles/2505/21/news059.jpg 「この価格でこの機能!」 ワークマンの“最強暑さ対策980円帽子”に称賛の声殺到 「コスパ最高!!」
  9. /nl/articles/2505/19/news028.jpg 大人なら解けないと恥ずかしい? 「(1/3)−(1/3)」を計算せよ!【算数クイズ】
  10. /nl/articles/2505/21/news056.jpg 「100円だったので即決購入」 ハードオフで一目ぼれした“思わぬ掘り出し物”が590万表示 「くっそ懐かしい」「最高すぎだろ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. マクドナルド、ハッピーセットの「早期終了」を発表 横行する転売――モラルのない行動に第2弾販売への不安広まる
  2. 小5のときに描いた絵→4年後…… 「ねぇ何があったん?」「鳥肌立った」中3になって描いた絵が160万再生
  3. 50年間放置して“ジャングル化”したおばあちゃんの家 → 掃除したら…… “木の中から現れたもの”が170万再生 「予想を超えた」「ブラボー」【海外】
  4. “1K8.5畳”の新居を一人暮らし男子が模様替え→1年後…… 「もうホテルやん笑」生まれ変わった空間に驚き「こんな部屋に住みたい」
  5. 「娘の目が大きいのは赤ちゃんだから」と思っていたママ、成長すると…… 驚きの姿に「ディズニープリンセスだ」【海外】
  6. ショウガを土に埋めて水やりすると……「すごすぎる!!」 想像もつかなかった、とんでもない状態に37万再生
  7. ボランティアで庭を掃除していたら…… 物置から見つかった“ヤバいもの”で警察沙汰に 「通報して正解」「絶対に触らないで」【海外】
  8. 皇后さま、全身「真っ白な衣装」に18万いいね
  9. 日本人のママと米国人のパパが国際結婚→生まれた子どもは…… 290万再生の“まさかの現在”に「びっくりしました」「心温まる」【海外】
  10. 「子供泣くぞこれ」 トーマスの塗り絵、描き始めて2秒で…… “予想を超えた変貌ぶり”に反響「夢に出てきそう……」「ヒィィ…!!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  2. 小学生時代「こんなプラモ誰が買うんだよw」→40年後…… “大人になった”を実感するエピソードに「分かる」「特大ブーメランw」
  3. 49歳病没の大宮エリーさん、生前開催の個展で「体調も万全でなかったので不安」 3カ月前には苦しげな姿も「声が出にくい」
  4. 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  5. 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  6. 100万円の“錦鯉”を自宅の池に入れたら…… 「おかしいでしょ」3日後、まさかの事態に「鯉は難しい…」「信用が大切ですね」
  7. パパに、保育園へ行く娘のヘアアレンジを任せたら…… ママがひっくり返った“仕上がり”が400万表示「重力どこ?」「頑張った感がいい!」
  8. 「成長したらそのうち襲ってくる」と言われたワニ、16年後……→ 280万回再生を突破した驚きの姿に「初めて見た」の声
  9. 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  10. 「神パンツきた」 ユニクロ新作“3990円パンツ”が品切れラッシュの大人気 「過去イチかも」「本当にこれは買い」