泣く悪魔も黙るスタイリッシュアクション、ここに極まれり「デビル メイ クライ 4」レビュー(1/2 ページ)

とにかくカッコよく華麗に敵を倒しまくる“スタイリッシュアクション”として人気の高い「デビル メイ クライ」シリーズ。その最新作がプレイステーション 3とXbox 360に登場した。次世代機の能力を最大限に生かした圧倒的なグラフィックとバラエティに富んだ超絶アクションがプレイヤーをとことん楽しませる。アクションゲーム好きにはぜひプレイしてほしい作品だ。

» 2008年02月20日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]

“スタイリッシュアクション”と言えば「デビル メイ クライ」

※写真はXbox 360版のものです

 「デビル メイ クライ 4」は、プレイステーション 3とXbox 360のマルチプラットフォームでリリースされ、どちらのハードでもほぼ同じ内容のものをプレイすることができる。「デビル メイ クライ」は、激しくも華麗なアクションを簡単な操作で繰り出すことができる“スタイリッシュアクション”を確立したシリーズとして、ゲームファンの間では有名だ。

 1作目である「デビル メイ クライ」は2001年8月にプレイステーション 2用ソフトとして登場。この初代「デビル メイ クライ」は元々「バイオハザード」シリーズの続編として企画されていたということもあって、3D空間を移動し謎を解きながらおぞましい姿の敵を倒していく、という内容は確かに「バイオハザード」と似たベクトルを持っていた。

 しかし、「バイオハザード」が“恐怖”や“探索”を強調した内容だったのに対して、「デビル メイ クライ」は徹底的に“スタイリッシュ”な“アクション”にこだわることで独自の道を切り拓いた。また「バイオハザード」がゾンビという非現実的なモチーフを扱いながらも現実世界を舞台にしていたのに対して、「デビル メイ クライ」は悪魔や魔法がはびこるダークファンタジーな世界を描いているのも特徴といえる。

 銃も剣も自在に操る屈強なデビルハンター・ダンテを主人公とした「デビル メイ クライ」は、3Dアクションゲームファンから熱い支持を集め、2003年に「デビル メイ クライ 2」、2005年に「デビル メイ クライ 3」(2006年に「デビル メイ クライ 3 Special Edition」)が発売された。面白いのは「デビル メイ クライ」のジャンル名が“スタイリッシュ ハードアクション”で、「デビル メイ クライ 2」が“スタイリッシュ ハイアクション”、「デビル メイ クライ 3」が“スタイリッシュ クレイジーアクション”と微妙に移り変わっている点だ。

連続技を華麗に決めて、悪魔たちをスタイリッシュになぎはらえ!

 そしてこのたび、プラットフォームをプレイステーション 2から2つの次世代機へと移して、ファン待望の最新作である「デビル メイ クライ 4」が世に出た。こちらのジャンル名は“スタイリッシュアクション”。ハードでもハイでもクレイジーでもない。余計な修飾を取り払ってシンプルに“スタイリッシュアクション”だと銘打ってきた最新作……。果たして次世代機の描画能力で味わえる“スタイリッシュ”はどこまで極まっているのだろうか?

新主人公を軸に描かれる、新たな「デビル メイ クライ」の世界

新主人公ネロ

 過去3作の主人公は銀髪のデビルハンター・ダンテだったが、本作では新主人公がプレイヤーキャラとして登場する。それが魔剣教団率いる教団騎士の1人ネロだ。

 今回の物語の舞台は、城塞都市フォルトゥナ。魔剣士スパーダ(シリーズの主人公ダンテの父)を崇める魔剣教団が存在する都市だ。魔剣教団が魔剣祭を開く中、ダンテが教団騎士たちを襲撃する。そして、ダンテとネロの対峙から新しい物語が展開していく……。ネロは教団騎士のリーダー・クレドの妹キリエを魔の手から守るために悪魔たちに立ち向かう。やがてダンテの行動の理由や教団の真の目的を知るに至り、さらなる巨悪へと挑んでいくことになる。


魔剣教団が崇めるスパーダの巨大な像
キリエを助けるためにネロはフォルトゥナを突き進む
個性的な脇役たちが物語に彩りを添える

 ネロはまったくの新キャラクターではあるが、サラサラの銀髪、端正な顔立ち、赤と黒を基調にしたカッコイイ服装など、イメージ的にダンテと重なるところが多い。おそらく従来のファンもプレイヤーキャラとしてのネロにはそれほど違和感なく入り込めることと思う。また、ダンテにはなかったネロの新要素として“悪魔の右腕”がある。デビルブリンガーとも呼ばれる右腕は、バスターやスナッチなどの特殊な攻撃を繰り出すことができる。

 この右腕による攻撃が、なんともカッコイイのである。銃と剣、そして悪魔の力宿りし右腕による攻撃、これらの組み合わせでシリーズを通して楽しめる“スタイリッシュアクション”を思う存分に楽しむことができるだろう。

 それでも「やっぱダンテの方がよかったな……」と思っているあなたっ! もうご存知かもしれないが、本作では中盤以降ダンテでプレイすることができるのである。物語の流れをお伝えしてしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただくが、ネロの出番は中盤でひとまずお休み。ダンテの出番がやってくる。ネロとダンテではかなり操作方法が異なる。プレイヤーキャラがダンテに切り替わった時点で新たに操作解説が入るほどだ。次項ではネロとダンテでまったく違う操作体系についてお伝えしよう。

ネロはほとばしる若き魅力、ダンテは大人の渋い魅力って感じッス
ネロ対ダンテ! ここから物語が始まる

ネロとダンテで変わるアクション どっちにしてもスタイリッシュ!

 本作はプレイステーション 3とXbox 360のマルチプラットフォームなので、対応するボタンは各ソフトのマニュアルを確認していただくとして(とはいえ、対応するボタンの位置はほぼ同じなのだけども)、ここではネロとダンテができること、繰り出せる技やモーションそのものについて触れていこう。

 まずは移動。これは両ハードとも左スティックで行う。視点移動は右スティックだ(フィールドによっては移動できない個所もある)。ジャンプボタンでジャンプ。遠距離攻撃ボタンを押せば銃でズガガガガと攻撃し、近距離攻撃ボタンを押せば剣でシャキンジャキーンと斬りつける。ロックオンボタンを押せば特定の敵をロックオンすることができる。ともすれば移動にともなってアングルがまったく変わってしまうことがあるので、敵へのロックオンは基本かつ重要な操作だ。

 ネロのデビルブリンガーは、対応ボタンを押すことでバスター(敵をつかんで投げる)やスナッチ(ロックオンしながら押すことで発動。敵をひきつけたり特殊移動に使用する)を行う。ネロ独特の能力だ。また、ネロの能力「イクシード」は、対応ボタンを繰り返し長押ししイクシードゲージをチャージさせゲージを消費することで、ネロの持つ剣「レッドクィーン」をパワーアップする、というもの。こちらもネロならではの要素だ。

いかにスタイリッシュに倒すか……これぞスタイリッシュアクション

 それに対してダンテにもネロにはない能力が用意されている。方向キー(方向パッド)の上下左右がそれぞれトリックスター、ロイヤルガード、ガンスリンガー、ソードマスターというスタイルに対応していて、プレイ中に自在に切り替えることができるのだ。ネロのデビルブリンガー対応ボタンが、ダンテの場合はスタイルアクションを繰り出すボタンとなる。

 ダンテのもうひとつの特殊能力、それがファンにはおなじみ「デビルトリガー」だ。D.T.(デビルトリガー)ゲージが3つ以上たまっている状態であれば、ダンテが魔人に変身する。魔人の状態では攻撃力や移動スピードがアップし、体力も少しずつだが回復するようになる。ここぞというところや巨大なボスとの戦闘では、積極的に使っていきたい能力だ。なお、ネロも物語の途中から「デビルトリガー」ボタンでパワーアップできるようになる。こちらは魔人になるわけではなく、蒼白い悪魔の亡霊をまとうようなエフェクトが出る演出がなされている。

スタイルを変えればまったく違うアクションを繰り出せる、スタイルアクション。ダンテの流麗な動きに酔いしれろ

 ネロとダンテ、それぞれ使い勝手は違うが、遠距離攻撃、近距離攻撃、特殊能力などを効果的に組み合わせて敵をなぎ倒していく操作に慣れてくると、かなり見た目にカッコよく、ド派手に敵を倒すことができる。カッコよさの針が振り切れそうなほどのハイテンションな戦闘の連続は、まさに“スタイリッシュアクション”の名にふさわしい。

 特に個人的に好きなのが各フィールドの最奥地で待ち構えるボスキャラとの戦闘だ。ここではプレイヤーキャラの何倍もの巨大な体を持つ凶悪な魔物との戦闘を余儀なくされる。ロックオンし、攻撃を避け、チャンスを狙って攻撃を叩き込む。このあたりのプレイ感覚は3Dアクションとしてトップクラスに位置すると言っていい出来栄えだ。次世代機の描画性能もあいまって、かなりの迫力ある戦闘が楽しめる。“スタイリッシュアクション”は、グラフィック向上の恩恵をもろに受けるジャンルだなあ、と画面の美しさにため息をもらしながらプレイする筆者だった。

強力な敵には強力な技で対抗すべし

ボス戦は最大限にテンションが高まるゥ! 回復アイテムは常備しておこう
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/15/news044.jpg コメダ珈琲店で「軽い食事」を注文 → 出てきた“まさかの実物”に思わず大仰天 「逆詐欺ですね」「軽食という名の主食」
  2. /nl/articles/2503/14/news041.jpg 大阪梅田駅で撮影された“奇跡のような光景”に「今まで見たことない」「本当に贅沢な眺めだ」 全ホームにマルーンカラーが整列
  3. /nl/articles/2503/11/news009.jpg 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  4. /nl/articles/2503/14/news019.jpg ペットのカエルを土に埋め、約半年間放置→掘り返してみたら…… 「すげぇ」予想外の結末に「ほんと不思議」
  5. /nl/articles/2503/09/news003.jpg 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  6. /nl/articles/2503/15/news054.jpg 106キロの女性、1年かけて約40キロ減量したら…… “別人級”の変化が1740万再生 「尊敬します」「私も頑張る!」【海外】
  7. /nl/articles/2503/08/news018.jpg 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】
  8. /nl/articles/2503/13/news112.jpg 「ひどすぎて販売中止に」 ウエディングドレスをネットで買ったら大失敗→完璧にリメイクした結果…… 「もはや芸術」
  9. /nl/articles/2503/14/news052.jpg 高3男子、髪を切る間も惜しんで受験勉強を頑張って…… カット後の“別人級の変化”に称賛「コレはモテる」
  10. /nl/articles/2503/11/news017.jpg 着古したマフラーとセーター、切らずに手縫いするだけで…… 春も大活躍のリメイクに「アイデアに脱帽」「素晴らしい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  2. 愛猫が見つめる先にいるのは……? “まさかの来訪者”に思わず仰天 「うそっ?」「お庭に来るんですね!!」
  3. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  4. 壊れて捨てるしかないバケツをリメイクしたら…… 想像もつかない大変身が830万再生「想像力がすごい」【海外】
  5. そうはならんやろ ヤマト運輸公式とLINEで遊んでいたら…… 突然訪れた“予想外の展開”に28万いいね
  6. 「ウソやろ」 松屋の“530円丼”、衝撃的なビジュアルにネット騒然 「コレで良いんだよ丼」「開き直り感がすごい」
  7. ダイソーのセルフレジが「身に覚えのない商品」を認識→“まさかの正体”に大仰天 「そんなことあるんですね」
  8. 余ってるクリアファイル、半分折ってカットするだけで…… 目からウロコな便利グッズに「天才すぎる!」「素晴らしいアイデア」
  9. 「マジで天才」 無印良品から新発売の“350円文房具”に絶賛の声相次ぐ 「便利すぎる!」「これはいい」
  10. 「スト6」の公式世界大会で福島県のチームに所属する「翔」が優勝 賞金100万ドル獲得
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に