今度の舞台は江戸時代!――極道から剣豪へと大きく変わった最新作が登場:「龍が如く 見参!」レビュー(2/3 ページ)
今明かされる、桐生一馬之介の衝撃の過去!
無事にツケの回収を終え、伊東さんと別れたところで、お約束のムービー開始。ストーリーの本筋に関わるイベントが起こると、常にやや長めのムービーが挿入されることも「龍が如く」シリーズの特徴だ。男くさく、アダルトなストーリーをじっくり楽しめる、というわけなのだ。
このムービーに登場する少女は、シリーズをプレイした経験がある人にはおなじみの、遥がベースになったキャラクター。桐生と遥という、シリーズ通しての重要キャラクターを、そのまま時代を移して持ってきているのだ。このあたりは、シリーズのファン向けになじみやすい設定となっており、作り手の思い入れや遊び心が垣間見えるポイントだろう。
さてその少女だが、金さえ払えばなんでも引き受けるという桐生に、「親兄弟の仇である“宮本武蔵”を殺してほしい」と依頼し、ストーリーは急展開。ここで章が変わって桐生の回想となり、実は「主人公の桐生こそ、宮本武蔵その人だった」ということが判明するのだ!
剣豪として伝説化された宮本武蔵の異聞は数あれど、これはかなり斬新な着眼点。次の展開はどうなるんだ……と思っていると、武蔵が道場で弟子に稽古をつけ、そこに徳川家に使える剣士・丸目長恵なる人物が訪ねてくるシーンに突入する。
この丸目の声、なにやら聞き覚えがあるなあ、と気になっていると、次のシーンで顔のアップが。そこで思わず「竹中直人じゃん!」と叫んでしまった。寺島進といい、竹中直人といい、本格派の役者を声優として起用をするのは「龍が如く」シリーズの伝統だ。前2作にも渡哲也や舘ひろしらが声優として起用されているが、本作では顔のモデリングもそのまま本人なのがポイント。本当にそのままなので、「おおっ!」と声が出ること間違いなしだ。
そして、ここにきてようやく「見参!」ならではの剣戟アクションが可能になる。とはいっても実戦ではなく、武蔵が弟子に稽古をつけるという形でのチュートリアルだ。先のステゴロバトルと同様、このチュートリアルもやっぱり長めで、剣戟戦闘における基本操作を、くどいほど繰り返すことに。基本を練習するのは大事だけど、やっぱりテンポが悪いなあ……。
ひととおりの練習が終わると、丸目から任務に耐えられるか試験を受けろと言われる。「見事任務に成功した暁には、剣術指南役に推挙する」と言われた武蔵は、任務の内容もわからぬままに提案を受け、試験、つまり丸目との勝負に挑むことになる。
ここでお待ちかねの、本格的な剣での戦闘が楽しめるというわけだ。さきほど覚えた剣の技を、思う存分振るってやる! と意気込んだものの、この丸目が強いこと強いこと。ほとんどスキがなく、半端な打ち込みはすべて防御されてしまう。さらに、防御で弾かれて体勢が崩れたところを容赦なくバッサリ。
あれ、もしかして筆者ってすごいヘタなのか!? と死亡寸前で自信を失くしかけたところで、いきなりムービーに切り替わる。どうやらストーリー上、負けて当たり前の戦闘だったらしい。というか、ほかの剣士もこんなに強かったらクリアできないって。
こうして、徳川勢と豊臣勢、日本全国の諸大名が東西に分かれての大決戦をする、あの「関が原の戦い」における極秘任務に参加することになった武蔵。まずは宿舎で“人斬り五六八”の異名を持つ真島五六八との喧嘩で腕試しをすることに。
真島は、動きこそ素早いが、丸目と比べれば斬撃の威力も劣るし、切り込んで来るためスキもある。防御とスウェイでの回避を交えつつ、トリッキーな動きにカウンターで攻撃を当てていけば楽勝だ。この戦いで、筆者がヘタなんじゃなくて、丸目が手堅くて強すぎただけじゃないか、と大いに自信を回復。これが作り手の意図だとすると、してやられた感もしないでもないが(笑)。
いかにも悪そうな天海との対面を終え、裏切り者の暗殺役に選ばれる武蔵と真島。ここからチャンバラっぽい屋敷の襲撃がスタートする。真剣での実戦が初めてなのは、武蔵も筆者もいっしょ。斬られたら一撃で死にかけるんじゃなかろうか、などと思ったが、実際はそんなことはないので一安心。ヒートアクションを使わない限り、敵も自分もそんな簡単には死なないものの、何しろ相手は数が多い。大味に攻め込んでいれば、あっという間に体力がなくなってしまう。
真島がNPCとして戦ってくれるので楽はできるが、切り込んで“俺って強ぇー!”な戦いができるわけではない点が、ちょっと目新しい。剣戟アクションとしては豪快さと緊張感のバランスがほどよい感じだ。並み居る護衛を倒し、暗殺対象の元にたどり着くとワケありっぽいムービーが挿入されて任務完了。あれ、そういばこの章って武蔵の回想だったはずだけどやけに長いなあ。
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