静かに熱いオンライン格闘ゲーム――「覇拳伝」クローズドβテスト参加プレイ体験記(1/3 ページ)

ガンホーが準備を進めている新コンテンツの1つ、本格的オンライン対戦格闘ゲーム「覇拳伝」のクローズドβテストが終了した。そこに現れたのは“本格派”の看板に象徴される、対戦格闘ゲーム黎明期の“強い奴に会いに行く”的な一種独特の空気だった。

» 2008年03月18日 12時00分 公開
[小形聖史,ITmedia]

オンライン対戦格闘ゲームが“普通”に遊べる時代になった

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 先日のプレスカンファレンスにおいて「誰もが」「すぐに」「面白い」をモットーとした2つの新サービスを発表したガンホー・オンライン・エンターテイメント。1つは驚異的な早さでレベルアップしておくことで話題を集めている新作MMORPG「ドデカオンライン」。もうひとつは今回、クローズドβテストが行われた本格的オンライン対戦格闘ゲーム「覇拳伝」だ(関連記事参照)。

 この「覇拳伝」、もともとは海外において「拳豪オンライン(Kwon Ho Online)」というタイトルで運営されていたコンテンツのローカライズ版だ。ただ、すでに公開されているムービーやスクリーンショットを見た人は、おそらく「バーチャファイター」シリーズや「鉄拳」シリーズを思い起こし、こう思ったのではないだろうか。「なぜ今、対戦格闘なのか?」――と。

 結論を言えば、オンラインゲームを巡る環境が、ようやく対戦格闘ゲームをストレスなく遊べる状況になってきたからだと言える。また、「覇拳伝」はアイテム課金制のオンラインゲームであるところも注目するべきだ。

 つまり遊ぶだけなら無料。その気になれば一切お金をかけることなく、遊び倒すこともできるのだ。

 オンライン対戦格闘ゲームが“普通”に遊べる時代になった。そればかりか、基本的に無料でサービスを提供できるような時代にもなった。“スト2”直撃世代である筆者としては、実に感慨深いところだ。

 だが、やはりモノが対戦格闘ゲームである以上、どれくらい遊べるものなのか、実際に触ってみないと分からない部分が大きい。というわけで、実際のゲームがどういう感じなのか、クローズドβテストに参加した筆者の体験記を通じて、少しでも感じてもらえれば幸いである。

 なお、開発中段階でのプレイのため、名称や仕様は変更になる場合がある点、あらかじめご了承いただきたい。

キャラメイクはアバターメイク

 「覇拳伝」にログインすると、まず最初にキャラクター選択画面になる。

 「覇拳伝」ではユーザー1名につき、5種類用意されている格闘スタイルごとに1キャラずつ作成することができる。といっても、この段階で決めるのは名前と、いわゆるアバターにあたるキャラの基本的な外観の設定だ。

 今回は性別2種類(男・女)、体形3種類(標準・小柄・大柄)、ヘアスタイル5種類、顔5種類、肌5種類を組み合わせることで最初の姿を設定する仕様になっていた。このうち、ヘアスタイルについてはアイテムを買うことで変更できたのだが、そうと知らなかった最初は、とにもかくにも時間をかけて好みの組み合わせを探しまくった。

画像画像画像 「覇拳伝」のログイン直後の画面とキャラクター作成時の基本表示。男も女も基本は厳つい感じなのは、オリジナルが韓国とアメリカで展開された作品のため。顔のバリエーションの中には、もっと柔らかい表情のものもある

 それにしても……うーん、微妙だ。

 アイテム課金制であることを考えれば、アバターを着飾らせるアイテムを買ってもらわなければ商売あがったりなわけで、そういう意味で、最初に選べる組み合わせが非常に物足りないというのは、ある意味で正解なわけだが。

画像 筆者が最初に作ったテコンドースタイルの“ライカ”。組み合わせは「女」「体形2(小柄)」「ヘアスタイル2」「フェイス5」「肌色4」というもの

 悩みに悩んだ筆者は、個人的に「クレオパトラ・パターン」と呼んでいる金髪に黒肌の女キャラを作ってみた。男でも良かったのだが、記事ネタとして考えると、むさい野郎しか写っていない画面写真ばかり載せるのも……ねぇ?

 斯くしてテコンドースタイルの「ライカ」誕生。さぁ、ゲームだ!――と意気込むのはまだ早い。キャラ作成が終わると、自動的にチュートリアルが始まるのだ。

「トレーニング」を忘れずに

 チュートリアルは「トレーニング」の「ステップ・バイ・ステップ」と呼ばれるモードとして用意されている。後述の「レベル」というものをあげていくことで、「基本キーの使い方と移動方法」という基本操作そのものから「直線系と回転系」というスキル(技)の重要な要素の解説などが行われていくのだ。この時、それぞれのメニューを終わらせると、クリアボーナスとして基本アイテムや基本スキルをもらうことができるんで、絶対にすべてクリアしておきたい。

画像画像画像 キャラを作成すると、自動的に「トレーニング」>「ステップ・バイ・ステップ」の最初のメニュー「基本キーの使い方と移動方法」が始まる。終了すると超必殺技というべき各スタイルごとのヒーロースキルを入手。テコンドーの場合は「テコンソウル」が手に入る

 ちなみにレベル1である登録直後に選べるメニューは「基本キーの使い方と移動方法」と「スキル表とスキル使用方法」と「起きあがりと起きあがり攻撃」の3つ。まあ、対戦格闘ゲーム経験者には説明不要とさえいえる基本中の基本であるため、筆者はろくに読み込みもせず、サクサクッと全メニューを終わらせていった。

 また、「トレーニング」にはもうひとつ重要なモードがある。「スキル練習」だ。

画像画像 「スキル練習」では思う存分、修得済みの技(スキル)を試すことができる。模擬戦相手となる老師の動きを細かく設定できるため、すべての表示を切ってしまえば、体力ゲージや時間を気にすることなく、好きなだけで実践練習を積むこともできる

 キャラの繰り出す様々な技(スキル)は、この「スキル練習」で試すことができる。この「スキル練習」、いろいろと細かい工夫が施されているので、ついここで技の練習に明け暮れてしまった。

 例えば「スキルリスト」。コマンド入力に応じ、表示されている技が繰り出されると、そのスキルの部分が強調され、スキルが発動したことを視覚的に教えてくれる。PP、PPK、PPKKという感じに発展していく連続技の場合は、順番に最初はPPが強調され、次にPPKか強調され、PPKKが強調され……というふうに、コンボ技がちゃんと出せていることも確認できるというわけだ。

 また、リスト上のスキルをクリックすれば、キャラが自動的にその技を繰り出してくれる。コンボの後半の技でも、キャラがその技の動きを見せてくれるので、新しい技に挑戦しようという時、どういう技かなんとなく確かめたい場合などにけっこう役だってくれる。

 さらに「老師設定」でNPCの動きを細かく指定できるところもうれしい。コンボの練習はもちろんのこと、返し技などの練習も、ここで思う存分できるのだ。筆者はさらに全ての表示を消したうえで、実戦さながらにいろいろな技を試しまくった。

 ゲームオーバーが存在しないモードなので、とにかくプレイヤースキルをあげたいという時には、ここで納得がいくまでやりこむのが一番の正解かもしれない。というか、華麗な技を決めることに執念を燃やすような“見せたがり”のユーザーなら、このモードだけでかなり遊べてしまうと思う。筆者がちょうど、そのタイプだったこともあり、最初の数日はこのモードだけで遊びまくっていたことは秘密だ。

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