「イース」シリーズの名作がニンテンドーDSに:「イースDS」「イースII DS」レビュー(1/2 ページ)
イースシリーズといえば、日本ファルコムの看板タイトルの一つとして君臨する名作だ。中でも1、2作目は評価も高く、さまざまな機種に移植されている。今回取り上げるのは、NDSに移植されたバージョン。果たして出来はどうなのか? PC版からずっとイースをプレイしているという友人の意見も交えてお届けしよう。
当時のファルコムに新たな柱を築いた「イース」シリーズ
世の中にアクションRPGは数多く存在するが、その中にはターニングポイントとなったタイトルがある。今回、ここで取り上げた「イース」シリーズも、その1本といえるだろう。2頭身のキャラは、あらゆる意味で後のアクションRPGに影響を与えたし、小さな目的を達成していくことで大きな目的が見えてくる、というストーリー展開も、当時としては秀逸だった……そう語るのは、自らを“イース原理主義者”と呼んではばからない、わたしの友人だ。
彼は、古くからのPCゲームマニアで、特にお気に入りなのが「イース」シリーズだという。当方はWindows版からプレイし始めた人間なので、当時の画面を見ても共感を覚えるところはないのだが、彼に言わせれば「Windows版以降のイースシリーズは、みな邪道」だとか。そんな人物ではあるが、「イース」シリーズ作品に対しての思い入れは、人一倍強い。そんなわけで、今回はPC版とWindows版、両方を比較対象として取り上げてみた。なお、所々でPC版の詳しい話が入っているのは、主に友人の協力によるものだ。
その前に、「イース」を語る際に外せない、同作品の歴史を振り返ってみたい。1987年に発売された第1作目は、それまでのRPGと比べると優しかった難易度、小さな目的を達成していくことで次第に最終的な目標が見えてくるストーリー展開、そして「世界樹の迷宮」シリーズでおなじみの古代祐三氏などによる美しいBGM、さらには都築和彦氏によるイラストの入ったマニュアルなどで、大ヒットを飛ばした作品だ。
その約1年後に、古代王国イースを舞台とした物語の完結となる「イース2」が発売される。今作では、当時のハードとしては驚異的な滑らかさで動くオープニングアニメーションや、前作以上に完成度の高いBGM、驚くべきストーリー展開などが盛り込まれ、1作目以上に人気を博した。ヒロインのリリアが振り返るオープニングがデモとして流され、そのシーンに心奪われた者も多いと聞く。これをきっかけに、PCゲームミュージックが1ジャンルとして確立したともいえる記念碑的作品だ。
一方、Windowsが普及した2000年前後には、日本ファルコムはさまざまな作品のリメイク版をWindows向けに発売した。「イース」シリーズも、「イースエターナル」シリーズなどとして何度かリメイクされている。特に、「イースIIエターナル」のオープニングムービーは、「秒速5センチメートル」などの作品でおなじみの新海誠氏が手がけたことでも有名だ。システムもオリジナル版から若干の変更が加えられてはいるが、ストーリーの根幹となる部分はそのままで、原作を大事にしつつ現代に合うような形でのリメイク作品として仕上がっていた。
Windows版寄り、ではなく、かつての“パソコン版”寄り、と感じられた完成度
そんな経緯を持つイースシリーズの1、2作目が、インターチャネル・ホロンの手により、「イースDS」「イースII DS」としてそれぞれニンテンドーDSへと移植された。ベースとされているのは、どちらもWindows版「イースI・IIコンプリート」だ(といっても、「I」はエターナルと比べてオープニングなどが若干変更されている程度。「II」に至っては、ほぼそのまま)。元はDVD-ROMで供給されていたタイトルだけに、完全移植は期待してはいけないと思ったのだが、フタを開けてみてビックリ。オープニングムービーが「I」、「II」ともに完全に収録されていたのだ。ROMカートリッジの大容量化や、コーデックの進歩もあるとは思うが、とはいえムービーが丸ごと入っているとは正直思わなかった。これがあるだけでも、かなり盛り上がるというもの。ただ、時々処理落ちする場面があったのが気になったところ。ハードの限界なのか、その他の要因なのかは不明だが、いずれにしても完全に収録されているだけに、非常に残念な部分だ。
しかし、1、2作目ともに実際にゲームが始まってみると、オープニングの美しさはどこへやら、思ったよりも質素な画面が表示される……。とはいえ個人的には、これはむしろ正しい選択と感じた。ハードの制約上、どんなに頑張ってもWindows版の美しさは再現できないのだから、それならいっそのこと、もっとPC版に忠実でも良かったかもしれない。マップも「コンプリート」(元の変更は「エターナル」シリーズから)などでおなじみのもので、「イースI」ならバルバドの港からスタートするし、「II」はムーンドリアの廃墟までのマップが増えている。なお、難易度はWindows版「イースII」と同じく4種類から選べるので、腕に合わせて選択したい。お勧めはやはりNORMALだ。
マップ上の移動は8方向で行え、ニンテンドーDSならではの操作方法として、タッチペンを使った移動手段も用意されている。アドルの近くをタッチすればその方向へ歩き、遠くをタッチすればそこへ走る。敵をタッチすると、その敵に向かって移動→攻撃を行う。十字キーで操作する場合、敵を攻撃する時は「イースDS」ならAボタン、「イースII DS」ではXボタンを押して“剣を振って”アタックしなければならない(もちろん、「イースII DS」では魔法攻撃も存在するが、ここでは物理的な攻撃のみをピックアップした)。比較的近いオペレーションを取っているのは、Windows版でのマウス操作、またはタイトーから発売されたプレイステーション 2用「イースIV」や「イースV」だろう。個人的には好きな攻撃方法なのだが、世間一般には評判が良くないとの話も聞く。なので、この部分に関しては各自の好みで判断してほしい。ちなみに、うまく連続で攻撃を当てられればComboとなり、敵を倒した時に入手できる経験値とお金が増える。ちょっとした追加要素だが、こういった工夫が戦闘にアクセントを与え、飽きないようにしていると言えるだろう。
なおキャラクター移動だが、タッチペンと十字キー、どちらの操作方法も試してみたが、元々ニンテンドーDSの十字キーは斜めに入力しづらいこともあり、タッチペンの方が操作しやすいと感じた。ところが友人は、その十字キーで上下左右のみの移動しか行わず、それがかえって当時を彷彿とさせるということで、いたく喜んでいた。
ちなみに、タッチペンまたは十字キーでの操作方法は、ゲーム中にいつでも変更が可能。両方試してみて、自分に合う操作方法を選ぶのがいいだろう。タッチペンの場合は、下画面がメインで上画面がマップ、十字キーではその反対に画面が表示される。
ただ、常にマップが見えるというのは便利だが、正直便利すぎると思うのは気のせいだろうか? 廃坑では、マップが見えることで緊張感を下げてしまい、せっかくのスポット処理が無駄になっている気がしてしまった。普通にプレイしていれば十分に簡単なのだから、この辺はマップ画面にもスポット処理を入れるなどの工夫があれば、と思った。
逆に、これは良いと思ったのが、マップ画面の最下段に表示される、次にすべきこと。それほど時間もかからずに終わるゲームとはいえ、途中でセーブして時間が経過すると、何をしたらいいのかを忘れてしまうことが多々ある。そんなとき、こうして次の目的が表示されていれば、大幅に時間が経過してから再開させても迷うことがないのだ。一気にプレイする人にとっては、あまり意味のあるアドバイスにはならないかもしれないが、こういった変更は歓迎できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
-
川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
-
中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
-
大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
-
「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
-
猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
-
なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
-
大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
-
「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
-
「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた