祝シリーズ10周年。今度はDSでつくろう!:「プロ野球チームをつくろう!」レビュー(2/3 ページ)
新球団「兵庫バンディッツ」誕生!
本作は“10年以内に日本一になる”ことがひとつの目標になっている。今回はちょっと無理をして5年以内に日本一という目標でチーム作りを行うことにしよう。
ゲームが始まったら一番最初にプレイヤー名と使用する球団を決定する。チーム名とチームロゴは自由に変更できるので、今回はオリジナルのチームでプレイすることにした。ここで決める内容は一生背負っていく看板となる。何度も推敲を重ね、フランチャイズは僕の出身地である兵庫、チーム名は「バンディッツ」に決定。
次は球団立ち上げの肝ともいうべきチーム編成だ。現役選手は各球団50人が登場するのだが、ゲーム開始直後は制約が設けられていて、すべての選手を支配下に置くことはできない。強いチームでやれば簡単に優勝できるという考えを打ち破る仕様になっているのだ。さらに本作では前作までの年俸の総額制限が撤廃され、代わりに選手を5人だけ選抜する形となっている。ご、5人だけですか。これは非常に悩ましい。小一時間ほど悩み抜いた結果、投手を3人(先発、中継ぎ、抑えで各1人)、野手はセンターラインの守備を重視して外野手と遊撃手を選択。オリジナルの初期選手を加えてついにチームが完成した。さあ、栄光への第一歩となる1年目が始まる!
どきどきの1年目がスタート
プロ野球の1年は、セ・リーグとパ・リーグの2つに別れ、キャンプとオープン戦を経て年間144試合の公式戦という形で進む。公式戦で成績上位だった球団はさらにクライマックスシリーズに出場し、そこで勝てば日本シリーズで日本一を争うというのが大きな流れだ。
本作ももちろんキャンプから1年がスタートする。プロ野球界にとってキャンプは、チームを強化する大事な期間であると同時に、いわゆるお正月のようなもの。1年の計は元旦にあり。というわけで、本格的にキャンプが始まる前に1年目の目標を設定しよう。それはズバリ「最下位にならない」こと。まあ、1年目の球団なんてそんなもの。球団創設するやいなや怒濤の快進撃であれよあれよの初優勝、なんて望むべくも無いのだ。
さあ目標も定まったことだし、いざキャンプへ突入だ。と、ここで有り難いことに、スカウトが獲得可能な外国人選手をリストアップしてくれた。しかも今契約するとキャンプに間に合うという。ここで走攻守にバランスのとれた、オールラウンダータイプの二塁手を獲得し、センターラインのいっそうの強化を図ることにした。
オープン戦が終了すると、いよいよシーズンスタートだ。春先に行った外国人の補強により、クリーンナップの体裁が整ったとはいえ、戦力的に厳しいことには変わりない。数年後を見据えて若手を積極起用する我慢の1年となるだろう。ところが……。
監督、連敗が止まりません!
開幕戦を勝利で飾り、よもやの期待を抱いたのもつかの間、以降怒涛の連敗街道を更新し、記録的な負けっぷりを披露する我がバンディッツ。4月終了時点で首位と18.5ゲームもの大差を開けられ、ぶっちぎりの最下位に甘んじることに。GWも過ぎた頃、あっさり僕の堪忍袋は限界を迎えた。これでは5年目を迎える以前に、僕の首が飛びかねない(実際に飛ぶことはないが、気持ちの問題だ)。とにかく少しでも成績を上向かせねばならない。
まずはチームの打撃成績をチェック。その結果いくつかの問題点が浮き彫りになった。チーム打率はリーグトップをマークしているにもかかわらず、チームの総得点はリーグ最下位。つまりランナーは出ているものの、それを生かせていないという状況だ。これは非常にもったいない。すぐに個人成績と照らし合わせ、打線の再構築を行った。同時に長打力の高い三塁手を獲得し、得点力のアップを図る。うん、これでどうにかなりそうだ。壊滅的だった投手陣の建て直しは無視することにした。なに、点を取られたら取り返せばいいのだ。
さらに試合を数試合観戦していると、盗塁を許すシーンが多いことに気づく。捕手の能力不足が原因と判断し、すぐさま守備力の高い外国人捕手を獲得することにした。すると効果はてきめんで、盗塁は大きく減少し、チーム防御率を改善させることに成功した。
監督、選手が足りません!
こまめにスタメンを入れ替えるなど手を加え続けると、チーム成績は少しずつ上向き始めてきた。6月の半ばを過ぎる頃には最下位を脱出、なんとAクラスが見えるところまで巻き返してきた。4月の惨状を思えば信じられない状況だ。ところが快進撃を続けるバンディッツと浮かれる僕を悲劇が襲う。
夏休み前の7月半ば、4番を打っていた中堅手が故障し、なんと3カ月の長期にわたって離脱してしまう。続いて他の主力選手も相次いで離脱すると、チーム順位は急降下、結局最終的には5位でシーズン終了。
待望の補強のはずだったのだが
1年目は最下位にならないという目標こそ達成できたものの、悔いの残るシーズンとなってしまった。そこで来年以降にリベンジすべく、ここでは大型補強をもくろむとしよう。ポイントはやはり投手。中でも先発投手の確保が急務だ。
まずはFA選手のリストをチェック。ところが補強の方向性と合う選手がリストアップされておらず、結局獲得を見送ることに。逆にFA宣言を行った抑えのエースの流出を食い止めることに資金を投じようとしたのだが、要求された年俸はなんと8億円! 所持資金が20億円弱のバンディッツにとって、再契約金込みの16億円は当然支払えるはずもない。呆然と流出を見送ることに。補償金はしっかりともらったけど。
逆に低下した投手力を補うべく、ドラフトでは即戦力投手の獲得を目指す。まずはドラフトの目玉、グラサン王子こと皆藤投手。高卒でありながら即プロで通用する実力の持ち主は、4球団競合の末あえなく落選。やむを得ず指名した“外れ1位”も抽選で他球団にさらわれる結果となってしまった。なんてこった。
結局最後の補強のチャンスであるトライアウトで戦力の底上げには成功したが、抑え不在という不安は解消されないままシーズンを迎えることになってしまったのである。
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