女子中高生が注目するコミュニケーションサービス「POKIPOKI」開発者インタビュー(1/2 ページ)

ハンビットユビキタスエンターテインメントが運営している3Dコミュニティサービス「POKIPOKI」。本作をはどのようにして生まれたのか、開発会社の方々に聞いてきました。

» 2008年08月19日 19時26分 公開
[網野三平,ITmedia]
左からPOKIPOKI運営チーム キム・インドン氏、Neoact代表取締役兼プロデュース担当 キム・ヒョンミン氏、同社企画担当 パク・フンチョル氏

 ハンビットユビキタスエンターテインメント(以下、ハンビット)が運営している「POKIPOKI」は、7月24日に正式サービスが開始された3Dコミュニティサービス。SNS(ソーシャルネットワークサービス)とゲームを融合させているのが特徴で、韓国では2006年からすでにサービスが開始されている。日本では2008年5月20日にクローズドβテストが開始され、7月24日から正式サービスが始まった。日本における「POKIPOKI」の最大の特徴は、ユーザー登録が“招待制”になっているところだ。SNSでは多くのところで採用されている招待制だが、オンラインゲームでは非常に珍しい。そこで今回は「POKIPOKI」の開発元のNeoactと運営チームの方々にインタビューを行った。

招待制で既存サービスと差別化

キム・インドン氏

―― クローズドβテスト開始から約3カ月経ちましたが、ユーザーの反応はいかがですか?

キム・インドン氏 ユーザーの反応はかなり良いので、手ごたえを感じております。日本では、ゲームとしてではなくコミュニティサービスとしてユーザーにアプローチをしています。クローズドβテストのときから招待制を導入していたのですが、参加したユーザーが他の方たちを招待してくれないと、ユーザー数が増えないので不安はありました。ですが、よい反応をいただけているので、大変うれしく思います。

―― 韓国版「POKIPOKI」も招待制で運営されているのですか?

キム・ヒョンミン氏 いいえ。韓国では実施しておりません。日本独自の形態になります。

―― 日本版を招待制にした理由はなんですか?

パク・フンチョル氏 日本で「POKIPOKI」の導入を検討した際、日本のオンラインゲーム市場における広告による効果というのが底付きの状態だったんですね。広告を出してもあまり効果がないんです。「POKIPOKI」の強みは、充実したコミュニティ機能に加えてゲームも遊べるというところなので、一番効果的なPR手法はユーザーの“クチコミ”だと考えました。それをより生かすために、招待制にしました。また、招待制にすることで、最初から自分の知り合いと遊べるので、ユーザーに安心感を持って利用してもらえるようにするという狙いもあります。

―― 日本版と韓国版に違いはありますか?

キム・ヒョンミン氏 招待制を行っているかどうかの違いはありますが、コミュニティサービスの基本的な部分では、日本版と韓国版に大きな違いはありません。ただ、日本のみなさんには安全なものをプレイしてもらいたいため、韓国で十分検証されてからアップデートするようにしております。そのため韓国のほうが、大きなバージョン1つぐらい進んだものが実装されています。一方で、日本の運営チームから安全性や健全性をよりよくしたいとの要請を受けているので、それを取り入れ、日本のユーザーに合わせて開発を進めております。

キム・インドン氏 「POKIPOKI」には、仲のよい友達同士が“パートナー”になれるというシステムがあるのですが、韓国では異性としか組めないところを、日本では性別を問わずにパートナーになれるようにしております。いわゆる“出会い系”と間違われてしまうと、ユーザーに安心して利用していただけないので、日本では性別の制限をなくしました。

―― 日本専用コンテンツが作られる予定はありますか?

キム・ヒョンミン氏 アイテムやミニゲームなどを考えております。7月24日から8月12日にかけて行われた「夏だ! 納涼セットプレゼント」イベントの景品アイテムで、浴衣と甚平、うちわが実装されています。今後もどんどん追加していく予定です。

ユーザー層の多くは女子中高生

―― ユーザー層の傾向について教えてください。

キム・インドン氏 日本の「POKIPOKI」のユーザーは、中学生や高校生の女性が多いのが特徴ですね。

―― 一般的なオンラインゲームでは男性ユーザーの比率が高いことが多いと思うのですが、女子中高生が多いというのはとても珍しいですね。

キム・ヒョンミン氏

キム・ヒョンミン氏 オンラインゲームのユーザー層はコアユーザー化が進んでしまっているので、既存のゲームと差別化して大衆向けのものを作ろうというところから始まりました。企画段階で、ゲーム以外に既存のコミュニティサービスについて分析したのですが、サイトに入ってもしゃべること以外にやることがないのですぐに飽きてしまうんですよ。オンラインゲームほどハードルは高くないが、興味や楽しさを維持できるほどの求心力はないのです。それなら、コミュニティサービスにゲームを付加して、サービスのなかで話題が作れるようにすれば、おもしろいんじゃないかということになったのです。

―― 本作がMMORPGではなく、3Dコミュニケーションサービスとされているのも、女子中高生というターゲット層を意識しているためなのでしょうか?

キム・インドン氏 そうですね。普段、ゲームに馴染みがない人たちは、オンラインゲームという言葉にハードルが高いなどのネガティブな印象を持っているのではないかと思います。できるかぎりネガティブな印象を薄くするために、「POKIPOKI」ではオンラインゲームやMMORPGだとは言わないようにしております。ゲーム内の用語も、なるべくオンラインゲームの印象を受けないものにしようと心がけました。例えば、MMORPGでは“クエスト”という単語は一般的ですが、ゲームにあまり触れたことがない人にとってはどういうものなのかまったくわかりません。そのため、本作ではいわゆる“クエスト”を“おしごと”というようにしました。

―― ゲームに馴染みのない女子中高生がメインターゲットということですが、どのようなところに気をつかって開発をされたのでしょうか。

パク・フンチョル氏 “気軽”に遊べるようにするというのもありますが、第1は誰でも“安全”に利用できるようにするために開発しています。安全性を確保することは必要不可欠だと考えております。

―― 女子中高生のユーザーが多いことで大変だったことはなんですか?

パク・フンチョル氏 大変だったのは、私たちオンラインゲームの開発者があたり前のことだと思っていたことが、通じないということです。用語やゲームの機能を分かりやすくしないといけませんでした。

キム・インドン氏 オンラインゲームでは分からないことがあれば問い合わせ窓口に質問するというのが一般的ですが、それを知らないため、どこで聞けばいいのか分からないというユーザーがかなりいました。そのため、まずは問い合わせ窓口まで誘導するというところから始めなければいけませんでした。ユーザーからの問い合わせの内容も「クライアントってなんですか?」や「始め方が分かりません」というような、ゲームで遊ぶ前の段階でつまづく方もいました。そのため、サービスを始めてから2週間は、基本的な部分をフォローするためのサポートに追われました。今では、そういった導入するまでの質問は減ってきていて、ゲーム内での質問が増えてきています。また、公式サイトの一言掲示板に投稿された質問に対して、親切なプレイヤーが丁寧に説明してくれたりと、ユーザーの協力していただいているので、とても助かっています。一言掲示板で回答してくれる親切なプレイヤーには、何かしらのポイントを支給したり、親切な人ランキングなどを作ってみては、という意見も社内であがっています(笑)。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた