「グラナド・エスパダ」が大幅リニューアル――新コンセプトはProductive Online RPG(1/2 ページ)

優雅なグラフィックスに3人同時操作のMCCなど、独自のスタイルを築いたMMORPG「グラナド・エスパダ」も正式サービスから2年目を迎え、「グラナド・エスパダ プラス」へとリニューアルされる。中世ヨーロッパをイメージさせるような会場「キリストンカフェ東京」にて、新マップや新システムの概要が公開された。

» 2008年09月12日 00時16分 公開
[麻生ちはや,ITmedia]

 ハンビットユビキタスエンターテインメント(HUE)は9月11日、同社が運営するMMORPG「グラナド・エスパダ」(以下、GE)のプレスカンファレンスを実施。「グラナド・エスパダ プラス」への名称変更および新コンセプトの解説、今後のアップデートスケジュールとその内容が発表された。

 発表会はHUE取締役副社長・朴光菀氏の挨拶でスタート。「グラナド・エスパダは正式サービス開始から2年が経過し、タイトルとしては成熟期を迎えている。グラナド・エスパダ プラスでは従来のコンセプトであった『Trinity MMORPG』から『Productive Online RPG』という新コンセプトを打ち出していきたい。これは単に3人のキャラクターを同時操作するMCC(マルチ・キャラクター・コントロール)機能ではなく、プレイヤー個人がプロデューサーとなってキャラクターを育てていくというもの。グラナド・エスパダのクオリティそして魅力を最大限に生かし、プレイヤーの満足度を高めていきたい」と述べた。

 次に開発元である韓国imc GAMSES代表取締役社長/CEOの金学奎(キム・ハッキュ)氏が登場。GEの今後の方向性について、キム・ハッキュ氏は「グラナド・エスパダは既存のMMORPGでは与えられない、何か新しいものをプレイヤーに提供したいというところからスタートしました。3人のキャラクターを同時に操作するMCCというシステムにより、多様なキャラクターで自分だけのパーティを構成でき、1人でも大勢でも楽しめるというのが本作品の魅力でもあり、他のオンラインゲームとの差別化を図っています。この他に類を見ないコンセプトは今後も変えることはなく、さらにプレイヤーとともに成長していくでしょう」と挨拶。

 さらに、「プレイヤーの皆様からは、MCC機能の強化や新大陸と言うテーマにふさわしい遊び方、コミュニティ要素の充実といった要望もいただきました。これからご紹介するグラナド・エスパダ プラスは、こういった要望に応えられるものと自信をもって言えます。ただ、オンラインの世界では完全という物は存在しないと考えています。プレイヤーからの意見・要望、そして日本の運営元であるHUEと一緒に、グラナド・エスパダの未来を作っていきたい。皆様と一緒ならどこまでも進化していけるでしょう」と語った。

HUE取締役副社長の朴光菀氏
imc GAMSES代表取締役社長/CEO キム・ハッキュ氏

リニューアル第1弾アップデート「暁の幻獣」は9月16日実装

 続けてHUE運営チーム 栗原哲氏より、GEプラスの新コンセプトおよび、今後のアップデートに関する情報が発表された。新コンセプト「Productive Online RPG」は、それまでの三位一体「Trinity MMORPG」からプレイヤーが自分でプロデュースするというところに注力した点が特徴だ。編入可能なNPC達は、今まで以上に明確な目的やバックストーリーを持ち、プレイヤーは彼らを自由に育てながらその目的へ導き、かなえてあげることになる。またコスチュームやヘアスタイルへのこだわり、そもそもの舞台設定である新大陸の開拓という冒険の目的についても、プレイヤー自信が何をするのか考え選択できる自由度の高さがキーワードとなっている。


会場では2005年7月に始まった、クローズドβテスト第1弾「Primero」から今日までの道のりを振り返る懐かしいスライドが。思えばこの2年間で編入可能なNPCは約60キャラに増え、数回にわたるワールド統合などいろいろな出来事があった

 さて、プレイヤーが一番気になるリニューアル後の大型アップデートだが、9月16日を皮切りに3回に分けて実装される予定だ。その第1弾となる「暁の幻獣」の詳細を順次解説していこう。

GE初のペットが登場

 仲間として家門に編入可能なNPCは数多く存在するが、アップデート第1弾ではGE初のペット機能が実装される。ペットは小動物っぽい「グラバー」、ちょっとゴスロリ風な外見の「バフェット」の2種類で、それぞれタイプが異なっている。従来のMCCは最大3名のキャラクターを編成するシステムだが、ペットは4番目のパーティメンバーとして加えられ、プレイヤーを補佐してくれる。ただし、プレイヤーが直接操作することはできず、AIによる自由行動となる。

 グラバーとバフェットはどちらも卵の状態で、ある既存マップでのみ入手できる。その後、リアルタイムで2日経過すると孵化し、プレイヤー側で自由に名前をつけられる。ペット入手のための前提条件などはないが、卵が見つけられるマップ自体はレベル50〜60の中級者向けエリアとのこと。今回は初のペット導入ということで誰でも入手できるが、今後新しいペットが追加される際には有料アイテム扱いになるか、現在検討中という話である。

 また、ペットは通常のプレイヤーキャラクターと異なり、家門スロットは消費しない。将来的には各サービス国に合わせた、独自デザインのペットも登場するらしい。

「グラバー」は落ちているアイテムを収集してくれる、ハーベストタイプ
「バフェット」は速度やヒールなどの支援型ペット。ただしスカウトに比べると能力は劣る

 さらに、ペットは単なるかわいくて便利な存在ではなく、キム・ハッキュ氏が発表会冒頭で述べたMCC機能の強化、という部分も兼ねている。従来はキャラクターの育成に回復・支援を担うスカウトが必須であり、3名の好きな職業を自由に組み合わせられるはずのMCC機能を最大限には生かせなかった。中には遠距離攻撃系のマスケッティアやウィザード3人のみで、スカウトを含まないMCCで遊ぶプレイヤーもいるのだが、これは高性能かつ良オプション付きの武器や防具に惜しげなくゲーム内資金を投入できる、一部の高レベルプレイヤーの話だ。支援型ペット「バフェット」は能力こそ劣るものの、回復・バフをかけてくれるため、今後は職業を気にせず育てたいキャラクター3人を選べるようになる、というわけだ。

2つの高難度ダンジョンがリボルドウェとオーシュに

 新マップとしては、2つのダンジョンがリボルドウェとオーシュに実装される。1つ目はオーシュの街が実装された当初から目にすることはできたものの、その扉は閉ざされていた「秘密の塔」。旧大陸を追われた邪教の徒が築いた寺院だったはずが、今は魔窟と化していると言う。内部はレイドミッションとなっており、秘密の門を一旦開いたら制限時間内に塔の奥に潜む、ボスモンスターを倒さねばならない。

 2つ目はゲーム序盤の拠点となるリボルドウェ近くに現れる「リボルドウェ地下水路」だ。こちらは「バハマルの魔女」アップデートの最終クエスト「本国十人貴族」をクリア済みのプレイヤーのみが挑戦できる条件付き。モンスターからは武器の製造レシピが入手できるらしい。

 いずれも出現するモンスタ−のレベルは高く、ベテラン以上向けかつパーティプレイ推奨のコンテンツとなっている。

秘密の塔

リボルドウェ地下水路
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