ボードゲームとカードゲームの絶妙なコラボ――対人戦で魅力が広がる「カルドセプト」最新作「カルドセプトDS」レビュー(1/3 ページ)

ダイスの目に一喜一憂しながらマップを進む楽しみ、だんだんとカードが集まっていく楽しみ、ブックを編集してオリジナルの戦法を編み出す楽しみ……。そして対人戦の相手がいれば、楽しみは無限に広がる!

» 2008年10月29日 16時27分 公開
[仗桐安,ITmedia]

簡潔に言ってしまえば、すごろく? 10周年を迎えた「カルドセプト」

 全国のセプター諸君! 今日も楽しくカルドセプトやっていますか?

 と、のっけからくだけた感じで問いかけてしまったが、かくいう筆者も、毎日ニンテンドーDSの電源を入れては「カルドセプトDS」をプレイするセプター(カルドセプトではプレイヤーのことを“セプター”と呼ぶ)のひとりだ。

 このたびセガから発売された「カルドセプトDS」は、携帯型ゲーム機では初の「カルドセプト」作品となる。そもそも「カルドセプト」とは何ぞや、というところなのだが、誤解を恐れずに言うと「モノポリー」や「いただきストリート」などのボードゲームの類だと思ってもらってよいと思う。

 それらもやったことがない、という人には、究極的に噛み砕いて言うと“すごろく”である。ダイスをふって出た目の数だけマップ上を進む。止まったマスによっていろいろなことが起き、複数のプレイヤーに優劣が生じる。ものすごく簡略に言えば、そういうゲームなのだ。

 しかし「カルドセプト」は、単なるボードゲームにあらず。ボードゲームの要素にトレーディングカードゲームの要素が加わり、「カルドセプト」独特の魅力を放っている。

 プレイヤーは、自らがカスタマイズしたカード50枚で1組の“ブック”を携えてゲームに挑む。誰も止まっていないマスに手札からクリーチャーを召喚して自分の土地にしたり、相手の土地に止まった時に手札のクリーチャーで侵略したりできる。クリーチャー同士の戦闘では元々の相性に加えてアイテムカードなどの要素が絡み、ドキドキの駆け引きを味わうことができる。また、プレイの進行に伴ってカードが増えたり、友人とカードの交換ができる、という楽しみも大きい。

 ダイスなどの“運”の要素とカードの組み合わせによる“戦略”の要素が詰め込まれたゲーム。それが「カルドセプト」シリーズなのだ。

 そんなシリーズの初代「カルドセプト」がセガサターンで発売されたのが1997年のこと。以来、プレイステーションで「カルドセプト エキスパンション」、「カルドセプト エキスパンション・プラス」、ドリームキャストで「カルドセプト セカンド」、プレイステーション 2で「カルドセプト セカンド エキスパンション」、Xbox 360で「カルドセプト サーガ」がリリースされた(その他に携帯電話用の「カルドセプト モバイル アナザーチャプター」もある)。シリーズが昨年で10周年を迎えたというわけで、本作は、カルドセプト10周年記念の一環で発売されたタイトルとなる。

 その奥深い内容に根強いファンのいる「カルドセプト」シリーズ。携帯型ゲーム機で登場したことで、いつでもどこでもセプターになれるようになったわけだが、ニンテンドーDSの「カルドセプト」はいったいどんなものなのか、お伝えしていこう。

マップを周回しながら、目的達成のためにカードを使っていくゲームだ
中世をイメージしたファンタジーの世界観をベースに、剣や魔法や魔物が登場する

人事を尽くして天命を待つ――運と戦略で魔力を稼げ

さまざまなアバターから好きなものを選ぼう

 本作はプレイステーションで発売された「カルドセプト エキスパンション」をベースに作られている。カード総数は「カルドセプト エキスパンション」の360種類に新カードが追加され、370種類以上になっている。「何だ、ちょっとしか増えてないんじゃんか」と侮るなかれ。元々の「カルドセプト エキスパンション」自体が非常に完成されたゲームだったうえに、今回はいろいろとカード内容も見直され、バランス調整が施され、さらに面白く熱くプレイできるようにチューンアップされているのだ。

 個人的には「カルドセプト セカンド エキスパンション」のファンだったので、そちらベースのリメイク作品を切望したいところだが、「カルドセプト エキスパンション」という名作に新たな息吹が吹き込まれ、こうして蘇ったというのは、喜ばしいことだ。

 本作を初めてプレイする場合は、まず、アバター(プレイヤーキャラのビジュアル)を選び、名前(セプター名)を入力し、用意された4つのブックからひとつを選び、その基本的なブックを使ってプレイすることになる。

 ゲームは2人〜4人による対戦で進行する。1人でプレイする場合は、あとのメンツはコンピュータによるAIがプレイしてくれる。


プレイについて不明な点があれば、「メンテナンス」モードからマニュアルを読むといい。細かいルールが親切に解説してある

 1人でプレイするなら、まずは「ストーリー」から始めるといいだろう。「ストーリー」では、ゴリガンという不思議な杖(先端にじいさんの顔がついている。生きている杖なのだ)のアドバイスを受けながら、ゲームの流れを習得できるようになっている。

 マップごとに目標の数値が5000Gとか6000Gなどと設定されており、マップを周回しつつ、先に目標値まで達して城に帰ったセプターが勝利する。Gと聞けば反射的に「ドラゴンクエスト」などの通貨であるゴールドなどを想起して、お金の単位かな、と思ってしまうところだが、実はこのGという単位は、魔力を表している。周回ボーナスで魔力を得たり、マップ上で他のセプターから魔力を奪ったりすることで、自分の魔力が増えていき、魔力が増えることでできることも増えていくのだ。実際のところ、この魔力を使ってプレイ中にカードを買ったり、護符と呼ばれる“株”的なものを買ったりするので、お金の代わりだと思ってもらって差し支えない。とにかく総魔力を目標値まで上げてゴールする! これが本作の目的となるわけだ。


ゴリガンの導きに従えば、自然とルールが分かるはず
ライバルである竜眼のゼネスは、事あるごとに主人公セプターの前に立ちはだかる
「ストーリー」は章立てて構成されており、マップをクリアすると次の章に進めるようになる

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. /nl/articles/2412/18/news207.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. /nl/articles/2412/21/news040.jpg 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. /nl/articles/2412/22/news034.jpg 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. /nl/articles/2412/21/news019.jpg 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. /nl/articles/2412/22/news036.jpg 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. /nl/articles/2412/21/news023.jpg 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. /nl/articles/2412/17/news042.jpg 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
  10. /nl/articles/2412/22/news020.jpg 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」