「メタルスレイダーグローリー」が600Wiiポイントで買える!ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

中古価格が高騰し、プレミアソフトとして有名だったHAL研究所の「メタルスレイダーグローリー」。私もなかなか買う踏ん切りがつかなかったのですが、Wiiのバーチャルコンソールで入手可能となったのでプレイできました。良い時代になったものです。

» 2009年02月10日 00時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

プレミアソフトとして有名

photo 今回は江の島をバックに撮影。なぜここに来たのかは後ほど書きます

 ゲーム機の最末期に発売されたソフトの中には、中古価格が高騰するものがたまにある。

 例えばメガドライブの「コミックスゾーン」や「バーチャルバート」、PCエンジンの「リンダキューブ」、スーパーファミコンの「ファイアーエムブレム トラキア776」「ファミコン文庫はじまりの森」。ファミコンだったら「ロックマン6」や「高橋名人の冒険島IV」あたりか。

 高騰した理由は主に2つ考えられる。ひとつは、既に大部分のメーカー、ユーザーの興味が次世代のゲーム機に移ったことで、もともとの販売本数が少なかったため。

 もうひとつは、ゲーム機の登場から年月が経っていて、開発のノウハウが蓄積されており、開発者がゲーム機の機能を十分に生かしてゲームを制作できたため。ただし希少性があまりに高い場合、必ずしもゲームの質自体は考慮されない。

 今回取り上げる、HAL研究所の「メタルスレイダーグローリー」は一時期、数万円単位の価格で販売されていたことがある。当時としては少ない販売本数に加え、ファミコンとしては異様なまでにグラフィックの質が高かったことが、中古価格を押し上げたのだと思う。

 プレミアソフトとして名前は有名だったものの、実際にプレイしたことのある人は少なかったメタルスレイダーグローリー。そんなゲームが今ではわずか600Wiiポイントで購入できる。バーチャルコンソールさまさまである。

 ファミコン版のコミック付きマニュアルや、ポスターなどは手に入らないが、ゲームそのものをプレイするだけならバーチャルコンソールでも十分だ。


photo この大きさの車が動くこともすごいが、水面に反射する光の表現も素晴らしい
photo オープニングに登場するメタルスレイダー。作業機械に偽装されていた、軍事用2足歩行機械だ

 メタルスレイダーグローリーが発売されたのは1991年8月30日。スーパーファミコンが出て9カ月以上経っていた。

 実はこのゲーム、開発に4年以上もかかっていたそうだ。もし、ほかのファミコンソフトと同じくらいの開発期間だったら、「ファイナルファンタジーII」と同じくらいの、ファミコンブーム絶頂期に発売されていたかもしれない。もっとも、そうなったら伝説のソフトとして今日まで語られることはなかっただろうし、バーチャルコンソール入りすることもなかったかもしれない。

 あまりにプレミアソフトとして話題になったためか、後にスーパーファミコンで「メタルスレイダーグローリー ディレクターズカット」というタイトルでリメイクされた。だが、このソフトが発売されたのは2000年11月。既にプレイステーションはおろか、プレイステーション 2まで登場していた。スーパーファミコン最後のソフトであり、ローソンでの限定発売(またはニンテンドウパワーでの書き換え)という希少性も手伝って、こちらも今ではプレミアソフトと化してしまった。

ファミコン唯一のBレーティング(12才以上対象)

 メタルスレイダーグローリーの時代設定は、西暦2062年。人類は地球のみならず、月や宇宙に浮かべたコロニーの中でも生活していた。

 主人公の日向忠(ひむかい・ただし)はある日、2足歩行タイプの大型作業機械「メタルギアーム」を購入する。しかしいざ乗ってみたところ、メタルギアームは突然、軍事用のメタルスレイダーに姿を変えた。さらにその記憶回路には、「創造主を探せ……地球は危機に瀕している……」というメッセージが。

 忠と妹のあずさ、ガールフレンドのエリナは、メタルスレイダーの謎を解くため、宇宙のターミナルステーションへ向かうのだった。

photo あずさは12歳。母親の形見の香水瓶を持っている。あずさを異様にかわいがる忠は、エリナからシスコン呼ばわりされる
photo エリナは行動力があり、はっきりものを言う。「昔からそーゆー性格だったのですか?」とキャティに驚かれることも

 メタルスレイダーグローリーのグラフィックがすごいことは前にも述べたが、特にすごいのが女性キャラクターへのこだわりだ。メインキャラクターのエリナとあずさは言うにおよばず、主に中盤から登場するキャティやシルキーヌ、小夜子、やよい、そしてワンシーンしか登場しないチャーミーや、特にストーリーに絡まない、データベースのオペレーターにまで、アップの絵が用意されている。

 果てはアップにもならない受付のお姉さんとか、メカニックの助手にまで、フルネームが設定されているのだ。

 ソフトなお色気も入っていて、ファミコンソフトなのに、CEROレーティングがB(12才以上対象)。もちろん発売時点でCEROはなかったので、バーチャルコンソールでの配信にあたって新たにレーティングされたわけだが、現在配信されているファミコンソフトでは唯一のB区分だ。

 ゲームライター成沢大輔氏の著書「成沢大輔のゲーム仁義」によると、これでも発売直前に一部カットされたシーンがあるらしい。

photo 地球の「GEN'S AUTO」で働くチャーミー・グリント。いいキャラクターなんだけど、冒頭にしか出てこないのが残念
photo レストランのウェイトレス、如月やよい。制服はこんな感じだが、「いらっしゃいませご主人様」とは言わない。実は、なかなかの重要人物
photo エリナの入浴シーン。この直前に、もうちょっときわどいシーンもある

 アニメーションもすごい。大半のシーンで何らかの動きがみられる。特に人物の表情は会話の中で細かく変化。この高度な画像表現を実現するために、ROMカートリッジにMMC5という基板を積んでいる。

 キャラクターデザインは、☆よしみる(乙佳佐明)氏。キャラクターデザインのみならず、ストーリーから絵コンテからグラフィック描きから、要するにゲームそのものの根幹的なデザインをすべて手がけていた。

photo キャティの表情を場面ごとに比べてみよう。考え事をしている時はこういう表情
photo 同じシーンの中でも、このように微妙な表情の変化がみられる。目の向きにも注目したい

アドベンチャーゲームの模索期

 メタルスレイダーグローリーが発売された1991年の前後は、RPGのような長く遊べるストーリーゲームが隆盛を極め、また、アクションゲームもボリュームを増していた。その一方でアドベンチャーゲームは模索を続けていた。

 昔ながらの難解なものは、詰まるとゲームがまったく進まなくなることから敬遠され、PCエンジンで発売されたハドソンの「うる星やつら STAY WITH YOU」など、デジタルコミック的な、サクサク進めるものが主流となる。もっとも、このタイプのアドベンチャーゲームは、ほかのジャンルのゲームに比べ、プレイ時間が短くなるという問題もあった。

 やがていろんな形で、新しいタイプのアドベンチャーゲームが登場する。家庭用ゲーム機ではサウンドノベル第1弾の「弟切草」(チュンソフト)。PCではギャルゲーブームの火付け役のひとつ「同級生」(エルフ)。そして海外では、グラフィックがポリゴンで表現された「アローン・イン・ザ・ダーク」(Infogrames)。しかしそれらが発売されたのはメタルスレイダーグローリーより後の、1992年となる。

 メタルスレイダーグローリーも、序盤から中盤にかけては、デジタルコミックに近い雰囲気がある。サクサク進むし、登場人物たちの会話がコミカルで楽しい。宇宙のターミナルステーションや、スペースコロニーの居住区、そして月へと移動して、さまざまな人に会って、メタルスレイダーの謎を少しずつ解き明かしていく。

photo 「GEN'S AUTO」の店主、ゲン・ランクルから借りた宇宙船ムーンフェイス号で、忠たちは宇宙を飛び回る
photo 初めて宇宙に来たのがうれしくて、はしゃぎすぎるあずさ

 なかなか人に話しかけられない忠の性格が自分に似ていて、個人的に共感してしまった。自分もエリナみたいな、頼りがいのある彼女が欲しい。

 もっとも忠は、きれいな女性を見ると積極的に声をかけるし、プレイヤーの選択次第では、彼女たちの名前やプライベートなことを聞くこともある。現実世界のわたしには、とてもそんな積極性はない……。

photo シルキーヌは第35居住区の主任。金髪の美しさに、忠はついつい見とれてしまう
photo シルキーヌの秘書・小夜子。シルキーヌには、小夜子も知らない秘密があるらしい……
photo 月のインフォメーションセンターにいるかおる。忠がナンパすると、今晩の予定がないことをつい口走ってしまい、後の展開がグダグダに

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」