和田氏「次の山はタイトーが作る」――タイトー新プロジェクト/新製品発表会

「スペースインベーダー」30周年記念のファイナルイベント「無料で遊べる!タイトー・ハッピーステーション」の実施に合わせて、「タイトー新プロジェクト/新製品発表会」が開催された。

» 2009年03月26日 20時43分 公開
[遠藤学,ITmedia]

 タイトーは、「スペースインベーダー」30周年記念のファイナルイベント「無料で遊べる!タイトー・ハッピーステーション」の実施に合わせて、「タイトー新プロジェクト/新製品発表会」を開催した。

 本発表会では、タイトーが全国で運営するアミューズメント施設直営店「タイトーステーション」を中心に、4月より順次、サービス品質の向上と、感動を生む店舗作りを目指して取り組む「ハッピープロジェクト」を開始することが明かされるとともに、アミューズメント施設関連の発表や、業務用新作ゲームの紹介などが行われた。

photo 植田直男氏

 アミューズメント施設の今後の展開について説明したのは、タイトー オペレーション本部 オペレーション推進グループの植田直男氏。植田氏からはまず、店舗の新評価制度として「★★★制度(スリースター制度)」を導入することが明かされた。スリースター制度は、一般モニターが覆面調査を行い店舗を評価するもので、アミューズメント業界では初の試みになるという。

 「スリースター制度は3つの“S”から構成されています。笑顔、あいさつ、言葉遣い、基本姿勢、身だしなみなど、基礎ベースの意味合いを持つ“スタンダード(Standard)”、お客さまによりハッピーになってもらうためのサポーター役となっているかを見る“サポート(Support)”、お客さまにすばらしい思い出を作ってもらうお手伝いができているかを見る“ストーリー(Story)”。このスリースター制度は、来店したお客さまにも分かりやすいよう、店内に認定証を掲示する予定です」(植田氏)

 2008年4月からタイトーステーション全店に設置された「ハッピーボタン」は「ハッピーボタン2」に進化する。ハッピーボタンが10秒間に何回ボタンをたたけるかを競うゲームであったのに対し、ハッピーボタン2は2人対戦仕様となるほか、3つの身体能力を測定する新機能を設けるという。

 このほか、フジテレビCS放送のテレビ番組「ゲームセンターCX」とスペースインベーダーのコラボレーション企画として「スペースインベーダー×CX全国キャラバン」を開催することも発表された。スペースインベーダー×CXは、2008年夏のお台場冒険王限定で楽しめたゲーム。スペースインベーダー×CX全国キャラバンでは、北は北海道から南は鹿児島までのタイトーステーションに、スペースインベーダー×CXが期間限定で登場。また、全国キャラバンの会場となる店舗には、アミューズメント用クレーン景品「ゲームセンターCX マスコットぬいぐるみ」が用意される。

 ここではゲームセンターCXのパーソナリティを務める、お笑いコンビ“よゐこ”の有野晋哉さんからのビデオメッセージも公開。有野さんは「マスコットぬいぐるみには全部、僕の髪の毛が入ってます。嘘です(笑)。いろいろと楽しいゲームがいっぱいあるので、皆さんも遊んでみてください」と語っていた。


photophoto 有野晋哉さんとゲームセンターCX マスコットぬいぐるみ
(C)FUJI TELEVISION

 なお、全国キャラバンの会場となる店舗は、後日改めて発表される予定だ。

「ハーフライフ 2 サバイバー」を手がけたメンバーの新作発表

 AOU2009 アミューズメント・エキスポ(関連記事→業界にも春がくるか? 「AOU2009 アミューズメント・エキスポ」開催)に出展されていた「NO考ゲーム」シリーズの2タイトル「ホーンテッドミュージアム」「ミュージックガンガン!」や、タイトーの全事業部門にわたる社員で構成された製品開発プロジェクト「PROJECT OCEAN(プロジェクトオーシャン)」から生まれた2タイトル「オッポポブーン!」「みどりのおせわ」が紹介された後、「ハーフライフ 2 サバイバー」を手がけたメンバーの新作「サイバーダイバー」が発表された。

 サイバーダイバーは、特殊能力を備えたキャラクターを操り、さまざまな戦場で戦う一人称視点のアクションシューティング。敵にダメージを与えると外装が吹き飛ぶ「サイバーブレイク」や、一定の条件を満たすことで発動する究極アクション「サイダイアタック」などの要素を用意する。オンラインチームバトルは最大10人(5人対5人)で楽しむことが可能だ。

photophotophoto サイバーダイバー

 業務用ゲーム以外では、ニンテンドーDS用ソフト「クッキングママ」「ガーデニングママ」「みんなの動物園」、Wiiで利用できるバーチャルコンソール向けタイトル「たけしの挑戦状」などの紹介も行われた。たけしの挑戦状に関しては、「あんなくそげーをまただそうっていうタイトーはえらい! かったやつはもっとえらい!」という、ビートたけしさんからの公式コメントもあった。

photophotophoto たけしの挑戦状(写真左)、ビートたけしさんからのコメント(写真中央、右)

 このほか、カラオケとキャラクターを融合した新サービス「キャラオケ」も発表された。キャラオケは、自分が歌ったカラオケに合わせて、アバターとなるキャラクターに振付けを施すもの。キャラクターの髪型や目、服装やアクセサリーはもちろんのこと、ステージの演出も変更可能だ。人気の高いアイドルには“歌姫”“大御所”といった称号が与えられるという。現在はクローズドβテスト中で、正式サービスは5月下旬からを予定している。

photophotophoto キャラオケ


photo 和田洋一氏

 発表会の最後には、タイトー 代表取締役社長の和田洋一氏が登場した。「今日は2つの約束をします」と切り出した和田氏は、「ひとつ目は“徹底的にお客さまを応援する”ということです。タイトーの企業理念に“思い出を作っていただいて、物語を売っていく”というものがありますが、お客さまに思い出を作ってもらうために、我々がどのようなサービスを提供し、どのようなゲームを作っていくべきか。そういうことをもう一度、ちゃんと考えようということです。徹底的にお客さまの視点で考えていこうと思っています。もうひとつの約束は“次の山はタイトーが作る”ということです。現在、アミューズメント業界は非常に不況だと言われています。確かに好況ではありません。ただ、この業界の面白いところは、谷になった後には、必ずそれ以上に高い山がくるということにあります。しかもこれは、景気循環の中で起こっているわけではありません。その都度、新しいサービスや機械、アイディアが出てきて谷が克服され、前回の山を上回るような山が作られています。だからこそ、この次の山はタイトーが作りたい」とコメント。

 続けて、「(山を作るために)具体的にどうするのかと聞かれたら、正直、難しいです。これまでの固定観念が壊れるような新しいものを作るため、部門を越えた取り組みを実施しています。いろいろな観点で、次の山を作るために種をまいています。いつ結果が出るかは分かりません。おそらく1、2年はかかると思います。ただ、外出先でお客さま同士がすばらしい思い出を作りたいという気持ち、これだけは未来永劫続くものだと思っています。その気持ちに我々のお手伝いしたいという気持ちが一致すれば、必ず前よりも大きな山が作れるのではないかと考えています」と語るなど、多少時間がかったとしても、次の山は必ずタイトーが作るという意気込みを示した。

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