「信長の野望・天道」連載(第4回)――上杉家リプレイ・天の巻「若頭、出入りは川中島じゃありやせんので?」:伸ばせ街道! 戦国ニッポン改造論(1/3 ページ)
いよいよ製品版をレビューしてみたい。選んだ武将はずばり、越後の雄・上杉(長尾)家。選んだのには、理由があります。
さて、今回から都合3回で「信長の野望・天道」の攻略リプレイをお届けしたいと思うが、その前に大枠で捉えたときの「信長の野望・天道」の魅力に関し、いったんまとめておこうと思う。この連載の第1回で触れた「信長の野望」シリーズ歴代作品の流れから見て、「天道」はどう位置づけられるのか。製品版でのプレイをある程度重ねられたいま、あらためて見極めておきたい。
今作の本質について簡潔に述べるなら「内政要素が再び有限になったことで、戦争ゲームに戻った」ことがもっとも重要だ。思えば「信長の野望・天下創世」は3Dグラフィックスを駆使した箱庭開発ゲーム、それに続く「信長の野望・革新」は、「天下創世」の開発要素を受け継ぎつつ各種テクノロジーにフォーカスした作品であり、両者に共通するのは割と際限のない「町並」開発システムだった。戦争における優位を作り出すための“前振り”が極端に充実していたせいで、プレイにやたらと時間がかかったのである。
これに対して「天道」では「町並」をめぐるルールにメスが入り、新たな「町並」作るという要素が全廃された。各大名家はあらかじめマップに用意された「町並」以外支配できないため、今作のゲーム性は自ずと「有限なリソースを奪いあう」という、ストラテジーゲームの本質に回帰した。そして「道」のルールは、そうした「町並」支配を象徴的に示す仕組みであり、城による「町並」支配なのであって、実際、城同士が「道」でつながっている必要はとくにない。「町並」内部に「施設」を建てる操作もかなり簡略化されたため、プレイの時間効率は大幅に改善された。武将の「戦法」や技術開発といった独自の要素を維持しつつも、陣取りRTSとして基本に戻った印象である。
お金の確保と奉行設定が序盤における内政のポイント
そんな「天道」の魅力を、今回から実際のプレイに即してレポートしていこう。プレイする大名家には、いよいよ大詰めのNHK大河ドラマにあやかりつつ、越後の上杉家(長尾家)を選んでみた。シナリオは、この作品の基本とも言うべき「信長元服」(1546年)で、難易度設定は「上級」。このシナリオにおける上杉家の当主は上杉景勝どころか謙信でもなく、さらにその兄である越後守護代 長尾晴景だ。景勝や謙信など足元にも及ばない病弱さがチャームポイントの、まことに幸薄いキャラクターである。
シナリオ開始時点で南北越後をナワバリに持つ長尾家はなかなかの勢力といえるが、そのぶん隣接する敵も多いのが悩みのタネだ。北の最上、北東の伊達と蘆名、東の(山内)上杉、南西の村上、西の神保と、都合6勢力に囲まれている。越後の両端に接する最上家と神保家の脅威度は低いにせよ、長尾家第一の課題はこれらと可能な限り同盟を結んで敵を減らすことだろう。さっそく交渉に取りかかるが、杯を交わしてくれたのは村上家のみ……。ええと、我が家は嫌われているんですかね(笑)? 同盟成立の条件として村上家に人質を送ることに同意しつつ、残るご近所3軒にはゴロツキどもを連れてお邪魔し、ヤッパとチャカで語り合うほかないのだと、逆ギレ気味に認識をあらためる。

このゲームにおける「人質」は、ゲーム内で実際に活躍可能な武将を差し出すという、ありそうでなかった画期的な(?)ルールになっている。親族が指名されるケースが多いようだが、人選の基準はいまひとつ分からない続いてこなすべき仕事は、募兵と軍馬調達に当たる「奉行」を城ごとに設定することだ。内政面はイマイチでも、ひと暴れする人材には事欠かない長尾家にとって、序盤における勢力拡大のペースを決めるのは兵隊の数である。ひとたび戦が始まるや、兵と軍馬はものすごい勢いで消費されるので、早めにコンスタントな補給体制をとっておくのがクレバーだ。春日山と新発田、どちらの城でも「武勇」のベスト5は戦の先発メンバーとして候補から除外しつつ、しかるべき武将を割り当てる。
手持ちの資金で国内開発を行うに当たって、最初に重視すべきは資金源の拡大だ。まずは最大限「商人町」に投資して「商館」を建てまくり、次の季節以降の資金収入を最大まで持っていくことにより、そのほかの開発に必要な資金を確保する。「町並」の開発にはとにかくお金が必要なのだが、序盤の資金収入ではぜんぜん足りないため、まずはノンストップで各町の開発を続けられるだけの資金源を確保し、それから兵糧の備蓄なり、テクノロジー要素なりを考えたい。長尾家の場合「牧場」技術は開発済みで、いきなり軍馬の生産を開始できるが、「鉄砲鍛冶」を開発して「鍛冶場」で鉄砲を自家生産できる体制を、可能な限り早期に整える必要がある。そう、今日び“鉄砲玉”なしに“抗争”に勝ち抜くことは不可能なのだ。
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