ニュース
» 2009年10月27日 17時32分 公開

僕らが作っているのは「作品」ではなく「商品」――宮本茂氏が30年の仕事史を振り返る(1/3 ページ)

「DIGITAL CONTENT EXPO 2009」開催3日目となる10月24日、会場となった日本科学未来館では、「Asiagraph Award 2009」を受賞した宮本茂氏による記念講演「宮本茂の仕事史」が行われた。

[池谷勇人,ITmedia]

マリオの原点は「ひょっこりひょうたん島」にあった?

今回「創(つむぎ)賞」を受賞した任天堂の宮本茂氏。講演中は写真撮影禁止だったため、写真は昨年の任天堂カンファレンスのもの

 去る10月22日から25日にかけ、東京・お台場の日本科学未来館&東京国際交流館にて開催された「DIGITAL CONTENT EXPO 2009」。開催3日目となる24日には、「スーパーマリオブラザーズ」や「Wii Fit」など数々のヒット作を生み出してきた、任天堂の宮本茂氏による記念講演「宮本茂の仕事史」が行われ、多くの来場者を集めた。

 本講演は、アジアの文化・技術・コンテンツの発展に大きく寄与した人物に贈られる「ASIAGRAPH Award 2009」の授賞式と併せて行われたもので、宮本氏は今回、ゲームを通じて世界に存在感を示した点を評価され「創(つむぎ)賞」を受賞。講演ではプレゼンターを務めた「ASIAGRAPH 2009」実行委員長の河口洋一郎氏が聞き手となり、対談形式で宮本氏の半生を振り返っていく形をとった。

少年時代は人形劇、漫画に熱中

 タイトルこそ「仕事史」となっているものの、講演内容は宮本氏が任天堂に入社する以前、それこそ生い立ちや学生時代のエピソードにまで及んだ。もともと任天堂には工業デザイナーとして入社した宮本氏だが、そこへ至るまでには様々な紆余曲折があったという。

「小学校のころは、『チロリン村とくるみの木』や『ひょっこりひょうたん島』みたいな人形劇をやりたかった。それから漫画家に興味が移って、中学校では漫画クラブを作った。でも、3年間がんばったけど、周りがすごくて挫折したんです。こいつらにかなわらなかったら未来はないだろうって」(宮本氏)

 その後一旦は漫画家の夢を諦めたものの、やはり絵を忘れることはできず、大学では工業デザインの道へ。その後父親の紹介もあって任天堂へと入社し、おもに玩具やカルタのデザインを手がけることとなった。この当時は、マクドナルドで配布される景品の製作などにも携わっていたという。

 次に大きな転機が訪れたのは1978年。この年、世間では「スペースインベーダー」が大ブームを巻き起こし、これを受けていよいよ任天堂も本格的にゲーム開発へと参入することになる。これまでにも大型筐体を中心に業務用ゲームを開発していた任天堂だが、ゲームの中身=ソフトウェアを本格的に作るようになったのは、やはり「スペースインベーダー」がきっかけだったとのこと。

 こうして誕生したのが、はじめての代表作となる「ドンキーコング」である。開発にあたって宮本氏はまず、人々がなぜ「スペースインベーダー」に夢中になるのかを徹底的に分析し、「ドンキーコング」では「誰が見ても何をしたらいいか分かるゲーム」を作ろうと考えた。ジグザグに足場が並び、その上でコングが待ち受けるというステージのデザインは、「ゴリラが女の子を連れて逃げていったら、誰でもここへ行こうとするだろう」という、宮本氏の計算から生まれたものだったという。

 ちなみに「ドンキーコング」の主人公として生まれた「マリオ」のデザインは、「今にして思えばドン・ガバチョ(「ひょっこりひょうたん島」の登場人物)の影響を受けていたかもしれない」と宮本氏。確かに鼻が大きいところや、チャームポイントのヒゲ、帽子など、言われてみればマリオとドン・ガバチョの共通点は確かに多いかもしれない。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2309/28/news007.jpg 18歳上のお兄ちゃんが大好きな赤ちゃん、愛があふれすぎて…… 「私だけのにぃに!」と抱きつく姿にニヤニヤしちゃう
  2. /nl/articles/2309/27/news019.jpg 最大2キロ超の“高級カニ”が東京・荒川で大発生!? 浜名湖の名産を都会のドブで「開始1分」採取、食す様子に反響
  3. /nl/articles/2309/27/news190.jpg 鳥居みゆき、電車内で物を落とした結果……車内が静まり返ってしまう 「ギョッとしました」「リアルすぎて」
  4. /nl/articles/2303/02/news031.jpg 18歳差の妹がかわいくて仕方がないお兄ちゃん ちょっかいをかけたくて仕方がない様子に「かわいい」「愛を感じます」
  5. /nl/articles/2308/02/news009.jpg スーパーで買った20円のシジミを汚れた池に入れてみたら…… 思わぬ結果とビフォーアフターに「面白い」の声
  6. /nl/articles/2309/28/news011.jpg 猫が“ごめん寝”をする貴重な瞬間をとらえた! 「猫飼ってるけど初めて見た」「かわいすぎる」と称賛の声
  7. /nl/articles/2309/27/news036.jpg 「モンハン」でモンスターを狩ろうとしたら…… モンハン歴14年のベテランハンターが思わず討伐をためらった“まさかの光景”が話題
  8. /nl/articles/2309/22/news132.jpg “見えてますよね”“大丈夫なの?” TBS女子アナ、スカート姿のプライベート写真公開→ファンの指摘に釈明
  9. /nl/articles/2309/27/news112.jpg 金子ノブアキ、JESSEの結婚式を祝福 “RIZE”メンバー勢揃いの幸せショットに「最高や」「ファンからしたらめちゃくちゃ嬉しい」
  10. /nl/articles/2309/27/news107.jpg 【隠し絵クイズ】クッキーの絵に隠れた「ねこ」はどこ? 見つけたらうれしくなっちゃう問題に挑戦しよう

先週の総合アクセスTOP10

  1. “見えてますよね”“大丈夫なの?” TBS女子アナ、スカート姿のプライベート写真公開→ファンの指摘に釈明
  2. 「ボッタクリにも限度ある」 FFイベントで売店の“焼きそば”めぐり騒動 運営謝罪「スタッフが半ばパニックに」
  3. 鎧塚俊彦、妻・川島なお美さんの命日に“不思議な写真”を初公開 「私には確かに見えた」「女房がきてくれた」
  4. 土屋太鳳、“第1子を抱いた姿”が反響呼ぶ 初登場ベビちゃんに「母になったんだね」「感動しすぎて泣きそう」
  5. ホテル従業員が教える「使ったバスタオルはどうすればいい!?」の回答をしっかり覚えておきたい
  6. 「このために金髪にしたってもうさすが」 永野芽郁、突然激変した理由にファンから驚きの声
  7. 「バイト代でウマ娘のLDを買った」という存在しないはずの記憶を持つ者が現れる 証拠映像に「懐かしい」「秋葉原に買いに行った」の声
  8. 野口健、ヘリで緊急搬送後の生還ショット 「テントの中で溺死してしまう」「苦しみに恐怖」と命の危機を回顧
  9. 上地雄輔、55歳で亡くなった“ママ”田中好子さんとの生前ショットに反響 「アカン。泣ける」「優しい声が聞こえてきそう」
  10. 炎天下の車道でたった200グラムの子猫を保護して1年…… まるまるとしたワガママボディに成長したビフォーアフターに感動

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「美しいエリカ様」「少しも変わってない!」 沢尻エリカ、約4年ぶりの表舞台で“別格の美ぼう”に驚きの声
  2. タバコを土に埋めた1年後には…… 予想外の展開に「信じられない!」「とても素晴らしい」と称賛の声
  3. 売上7億円超の漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴 同時期に同一原作の後発漫画が出版されトラブルに
  4. 西原理恵子の娘「飛び降りして骨盤折りました」「心情は過去一番辛かった」 今後は精神科へ転院予定
  5. “高1女子”がメンズカットにしたら…… その驚きの仕上がりに「そりゃモテるわ」「似合ってて羨ましい」と大反響
  6. スーパーで買った20円のシジミを汚れた池に入れてみたら…… 思わぬ結果とビフォーアフターに「面白い」の声
  7. 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  8. さすが! 清原和博の元妻・亜希、甲子園出場中の次男を応援 日焼けを徹底防備→スタンド席に駆け付ける
  9. 柴犬がプールからあがろうとした瞬間……! 「何回見ても爆笑」「好きすぎる」コントのようなずっこけハプニングが発生
  10. 猫嫌いの夫が道で倒れていた子猫を発見、1年後…… 幸せを運んできた猫の成長ビフォーアフターに感動の声