連載
» 2009年11月16日 10時19分 公開

「でろーんでろでろ」って何?ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

連載第80回にして、初めてテクモのゲームを取り上げます。プレイステーション初期にヒット作を次々とリリースした同社ですが、実はプレイステーション第1弾は、「でろーんでろでろ」なるソフトだったのです。

[ゲイムマン,ITmedia]

深谷市で! ねーソックリ

上越新幹線で熊谷へ行き、高崎線に乗り換えて深谷に到着。バスの本数が少なかったので、渋沢栄一記念館や日本煉瓦史料館へは行けず

 今回取り上げるゲームは「でろーんでろでろ」(テクモ)。1995年に登場したアーケードゲームで、同年末プレイステーションに、翌年セガサターンに移植された。いわゆる落ちものパズルであり、落ちてくるぷ……じゃなかった、“でろ”は四角くて、積み重なるとまるでレンガのようだ。

 というわけで、レンガにゆかりの深い埼玉県深谷市を訪れた。深谷駅で降りて駅舎を見てみると、東京駅にそっくりだった。深谷市は実業家・渋沢栄一の故郷で、渋沢らが1887年(明治20年)に日本煉瓦製造という会社を設立。地元の良質な土で造られたレンガは、法務省旧本館や日本銀行本店、赤坂迎賓館など、東京の大きな建物に使われた。

 そして、日本で多分最も有名なレンガ建築物である東京駅。ここにも日本煉瓦製造のレンガが使われている。それにちなんで、深谷駅は東京駅を模した建物になっているのだ。もっとも、駅舎が線路をまたぐ形で建っていて、本当に全部レンガで造るとつぶれてしまうため、駅舎自体は鉄筋コンクリート製で、外側をレンガ調に装飾してあるのだとか。それにしても壮観である。

 さて深谷といえば、生産量全国1位を誇る長ネギが有名だが、「でろーんでろでろ」の“でろ”も、ネギのように長く伸びるのが特徴だ。

東京駅そっくりの巨大な建物が、高架の上に建っている図はインパクトがある
参考までに、こちらが本物の東京駅。現在は、両側の屋根を戦前の姿に復元するため工事中

くじけるな! 落ち込むな! ぷよ○よするな!

プレイステーション版の画面。2つのフィールドの間に、次に落ちる“でろ”の色や、敵キャラクターが表示される

 1996年から1997年にかけて、テクモはプレイステーションでヒットを連発した。刻命館、ギャロップレーサー、モンスターファーム。また同時期にアーケードで人気となったデッドオアアライブも、後にプレイステーションへ移植された。だがそんなテクモのプレイステーション第1弾ソフトは、刻命館でもギャロップレーサーでもなく、落ちものパズル「でろーんでろでろ」だった。

 2個セットで落ちてくる“でろ”は、同じ色のものが4個くっつくと消える。“でろ”を消して、対戦相手のフィールドに“じゃまでろ”(おじゃま玉)を落とし、相手フィールドの左から3列めを埋めると勝ちとなる。

 ……「ぷよぷよ」(コンパイル)そっくりな仕様である。

 そっくりなのはゲームシステムだけではない。“でろ”の色味や顔の表情、「おじゃま」「連鎖消し」などの用語、2つのフィールドの間に敵キャラクターがいる画面構成まで。

 「ぷよぷよ」と違うところは、消えた“でろ”の周りにある“でろ”が横に腕を伸ばす点。伸びた腕が別の“でろ”に触れて、それで同じ色が4つ以上くっつくとまた消えて、連鎖消しになる。また、伸びた腕はおじゃまぷ……じゃなかった、“じゃまでろ”を消すことができる。

 もう1つの特徴は、連鎖が起こった時に動くスロットが画面上部にあること。ボタンを押してどこかの列に止めると、その後その列に落ちてくる“じゃまでろ”はコインになって消える。

“でろ”から伸びた腕は、同じ色の“でろ”にくっつく。違う色だと絡まるけれどもくっつかず、すぐ元に戻る
5連鎖、6連鎖くらいになると、背景の演出がどんどん派手になっていく
スロットをうまく左から3番めに止めれば、大量の“じゃまでろ”が降ってもとりあえず時間を稼げる

 「ぷよぷよ」については単行本「レトロゲームが大好きだ 平成編」にも書いたので、詳しくは述べないが、「ぷよぷよ」のヒットに触発され、色や絵柄を合わせ、連鎖を狙って何かを消す落ちものパズルがいくつか登場した。

 「ぷよぷよ」自体は2000年発売の「ぷよぷよBOX」に収録されるまで、プレイステーションに移植されておらず、「ぷよぷよ通」も「でろーんでろでろ」の発売時点では、まだ移植されていなかった。

 かつてスーパーファミコンに「ストリートファイターII」(カプコン)が移植される前、対戦格闘ゲームの「らんま1/2 町内激闘篇」(メサイヤ)がヒットしたという例もある。「でろーんでろでろ」もその線を狙ったのかもしれない。

 でもそう考えると、既に「ぷよぷよ通」が発売されていたセガサターンにまで、なぜ移植されたのか説明がつかない。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/27/news041.jpg 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. /nl/articles/2311/28/news172.jpg バイクでケーキを持って帰ったら…… ミュージカル俳優、思わぬ形になったケーキに「見たことないほどズタボロ」
  3. /nl/articles/2311/25/news015.jpg 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  4. /nl/articles/2311/27/news095.jpg 『ちいかわ』通称“島編”が最終話へ 絶望色が強すぎて阿鼻叫喚 想像に任せるオチに“存在しない劇場版”を幻視する読者が続出
  5. /nl/articles/2311/27/news024.jpg 葛藤の末、野良の黒猫親子を保護して1カ月後…… 幸せを見つけた家族の光景に「本当に良かった」「癒やされます」
  6. /nl/articles/2311/28/news037.jpg 愛犬の大切なおもちゃを洗濯したら→「お友達が……!」 悲しい鳴き声をあげる姿に「家の子も一緒だ」「健気で癒されます」
  7. /nl/articles/2311/27/news076.jpg ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  8. /nl/articles/2311/27/news093.jpg 『キン肉マン』ゆでたまご・嶋田、ヘルプマーク使用を報告も…… 「正義はないのかこの日本」理解の低さに苦言
  9. /nl/articles/2311/28/news032.jpg 物理学を理解しているハムスター、回し車で遊びたい姉妹へのかわいいイジワルが「強い意志を感じる…」と話題に
  10. /nl/articles/2311/27/news106.jpg エド・はるみ、連日ハードな研究で生活も激変 “18種類おかずの手作り弁当”に影響「数と彩りも無くなり」「忙しく時間がなさすぎて」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!