「でろーんでろでろ」って何?ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)

» 2009年11月16日 10時19分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 この当時のテクモには、一種独特のシュールなセンスがあった。全キャラクターがウゴウゴルーガ風の線画で描かれたミニゲーム集「がんばれギンくん」や、プレイヤーの脳の働きを診断するミニゲーム集「脳力向上委員会」などに顕著にみられる。しかしどちらもアーケード版のみで、家庭用ゲーム機には移植されていない。もし、脳トレブームのときに「脳力向上委員会」がリメイクされていたら、そこそこ売れていたような気がするのだが。

対戦スタート時に出てくる「ゴーくん」。この直前に、ドレスを身にまとったレディも出てくる

 「でろーんでろでろ」でもセンスの片鱗がうかがえる。各モードのタイトルや、対戦相手のキャラクターはもとより、ルパン三世風のタイトル表示、対戦前に出てくるレディとゴーなどといった小ネタも仕込まれている。背景が実写の写真というのも味がある。

 惜しいことに、ゲーム全体を貫く世界観とか、「ぷよぷよ」における漫才デモのようなものがないために、せっかくの濃いキャラクターたちが活かせていない。ゲーム自体のオリジナリティのなさも、小ネタのシュールさを相殺してしまっているような気がする。

すっと/そばから/去るよ

 「でろーんでろでろ」に続編はない。1996年にはプレイステーションにも「ぷよぷよ通」が移植されたので、「でろーんでろでろ」の出る幕はなくなったのかもしれない。

 そのかわりテクモからは、刻命館、ギャロップレーサー、モンスターファーム、闘姫伝承 ANGEL EYES、デッドオアアライブといったゲームが、続々とプレイステーションに登場し、闘姫伝承以外はすべてシリーズ化された。これらのゲームに後を託して、「でろーんでろでろ」はひそかに表舞台から姿を消したのだ。

 しかし、びっくりすることに、2009年7月になって「でろーんでろでろ」は、ゲームアーカイブスに収録された。ダウンロードで購入して、プレイステーション 3やプレイステーション・ポータブル(PSP)で遊ぶことが可能になったのだ。

 テクモのソフトでは、「でろーんでろでろ」よりはるかに有名な、「ギャロップレーサー」と「モンスターファーム」がいまだにゲームアーカイブスに入っていない。わたしの推測だが、ギャロップレーサーは馬名の使用権の問題で、モンスターファームは音楽などのCDを読み込ませる必要があるために、それぞれ移植が難しいのかもしれない。

 一方で、どのゲームよりも先に「闘姫伝承」が配信を開始している。これもなかなかシュールなセンスのゲームだった。二次元の女性キャラとポリゴンの女性キャラが入り交じった対戦格闘ゲーム。

「でろーんでろでろ」の良心というべき、進行役のナオちゃん。エンディングでの1カット

 ゲームアーカイブスには、どマイナーなゲームがかなりラインアップされており、リストを見ているだけでも楽しい。どマイナーハンターにとっては宝の山だろう。

 冒頭にわたしが訪れた深谷駅は、東京駅に似せることで、レンガの産地だったという歴史をアピールした。「でろーんでろでろ」は、自らが何かをアピールすることはできなかったものの、後続のゲームのために捨て石となって、32ビット時代のテクモの隆盛に貢献した、と言えるのかもしれない。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/08/news177.jpg イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  2. /nl/articles/2411/06/news180.jpg 「むりだろww」「笑いました」 ニトリでソファ購入 → 愛車の前でぼうぜん…… “まさかの悲劇”が1000万表示
  3. /nl/articles/2411/07/news182.jpg 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  4. /nl/articles/2411/07/news163.jpg 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. /nl/articles/2411/05/news138.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  6. /nl/articles/2411/08/news132.jpg peco、息子の近影を公開「すごーくりゅうちぇるに見えます!」「パパに似てる〜」 息子のスクールランチも色とりどりでおいしそう
  7. /nl/articles/2411/08/news143.jpg 高嶋ちさ子、3000万円超の“超高級外車”ゲットにドヤ顔も! 笑い止まらずハンドル握り「Woohoo!!!」
  8. /nl/articles/2411/07/news029.jpg 50代主婦が5日間、ひたすら草抜き&庭木の剪定→たった一人でやり遂げたとは思えないビフォーアフターに称賛の嵐 「尊敬する」「本当に脱帽です」
  9. /nl/articles/2411/08/news025.jpg 「そうはならんやろ」クルマ修理会社の壁を見ると…… まさかの“シュールすぎるイラスト”に9万いいね 「よすぎる」「天才か」
  10. /nl/articles/2411/08/news111.jpg 2人組ガールズユニット、突然の脱退を発表 マネージャー「本人の意思ではない」 母親とする人物からの脱退理由と経緯説明が物議
先週の総合アクセスTOP10
  1. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  2. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  3. 結婚相手を連れてくる妹に「他の人に会わせられない」と言われた兄、プロがイメチェンしたら…… 「鈴木亮平さんに見えた」大変身に驚がく
  4. 「2007年に紅白出場」 38歳になった“グラビア界の黒船”が1年ぶりに近影公開→驚きの声続々
  5. 「クソビビったwww」 ハードオフに38万5000円で売っていた「衝撃的な商品」が90万表示 「売った人突き止めたい」
  6. 夫婦喧嘩した翌朝の弁当を夫が作ったら…… “森”すぎるビジュアルに「インパクトすごい」「最高に笑いました」の声
  7. 約9万円の「高級激レアガンプラ」を10時間かけて制作→完成品に「家宝だ」「めっちゃくちゃにかっこいい!!」
  8. 天皇皇后両陛下主催の園遊会、“お土産”に注目 ジョージア大使「大好物です」「娘たちからも大好評」
  9. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  10. 事故で重体の人気日本人TikToker、1カ月の意識不明と家族ケア経て逝去……“旅立ち直前に会った”親友は「励ましに来てくれてたのかな」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた