戦略の成就と破綻がもたらす栄光と没落――「アップルシードタクティクス」第3回戦詳報(1/2 ページ)
ゲームポットが運営する多人数同時参加型戦略シミュレーション「アップルシードタクティクス」の模様をお伝えするバトルリポート。2連覇を果たしたアメリカ帝国は今回も人数で優位に立つ。このまま常勝街道を突き進むのか? それとも新たなる覇者の登場があるのか?
勝利ポイント制による過去成績
「アップルシードタクティクス」に存在する2つのメインコンテンツのうち、「アップルシード:C」と呼ばれる戦略シミュレーションゲームの公式バトルリポート。連載も3回目となったので、今回から勝利ポイント制を導入してみたい。優勝10点、2位7点、3位5点、4位4点、5位3点とし、滅亡した場合は-3とする。過去の戦績をこれに従って数値化してみると……。
- 第1位 アメリカ帝国 20点
- 第2位 ナグルファル 14点
- 第3位 自由アフリカ 9点
- 第4位 オリュンポス 7点
- 第5位 ユナイテッド・リパブリック 5点
現段階では連勝したアメリカ帝国がトップだが、たった2回での話。むしろ今後の推移を楽しみにすることにして、では今回のゲームを振り返ってみよう。
序盤:北極圏で激突したワシと獅子の意地
立ち上がり、即座に攻勢に出たのはアメリカ帝国。前2回の比較的ゆっくりした立ち上がりとは裏腹に活発な動きを見せる。南方ではカリブ海の真珠・ハバナを早々制圧し、毎回係争の地となるサントドミンゴまで進出。別軍はメキシコを抜き、南北アメリカ大陸を分かつメリダ山脈を蹂躙して、瞬く間に太平洋岸のブエナベントゥラに達した。
この動きに機先を制されたのがナグルファル。得意とする速攻を繰り出す暇もなく、防戦を余儀なくされる。またそのために進攻に割く戦力が減り、大西洋方面への展開も遅れてしまった。
ナグルファルの動揺を突いて果敢に領土を拡大したのがオリュンポス。人数的には劣勢ながら恐れずに積極策を採り、西アフリカから大西洋方面に領地を増やす。
自由アフリカは北進重視。紅海を経由してシナイ半島に上陸すると、アラビア半島以東には目もくれず、カイロとベイルートを結ぶ防衛ライン確立を優先した。
ユナイテッド・リパブリック(以下UR)は堅実路線。ピレネー山脈を抑えてオリュンポスを食い止める常套的措置を講じつつ、地中海へ向かう自由アフリカに合わせて東欧を抑えにかかる。
こうして最初の地盤固めが進む中、北極圏でアメリカ帝国とURが激突した。前2回とも北極海ルート経由で欧州へ乗り込んだアメリカ帝国は三度目の果実を狙い、迅速な攻撃でレイキャビクへ進出。一方同じ手を三度も喰らうわけにはいかないURも対抗して北海を抑えてさらに北進の構えを見せる。
ここでちょっと北極海方面のマップについてご説明しよう。
グリーンランド南岸からレイキャビクを経て欧州に延びるルートの途中には、フェロー諸島、シェトランド諸島、ノルウェー海を結ぶ三角地帯、“ノース・トライアングル”が存在する。
この一帯は欧州の北の玄関口であり、おまけに支配すれば後背にあるスヴァールバルベースも獲得することができる。しかも3箇所すべてが「要地」であるため、制圧時に資産が減少することがない。勢力の総資産が少ない序盤においては、経済的な負担がないことは極めて大きな意味がある。
当然双方ともノース・トライアングルの重要性は熟知しており、その制圧を巡ってしのぎを削ることになった。形勢は人数の多いアメリカ帝国に有利だったが、フェロー諸島制圧間近に予想外のトラブルが起こる。アメリカ帝国が資産制限(総資産が一定値以下になると戦闘ができなくなるルール)によって一時的な戦闘不能状態に陥ったのだ。南方でナグルファルに与えたダメージが北方では足枷になった形で、URはこの隙を突いてシェトランド諸島を制圧する。
しかしアメリカ帝国は資産が回復するや反撃に転じ、まずフェロー諸島を陥落させる。次いでノルウェー海とスヴァールバルベースも自領地とし、シェトランド諸島への攻撃を開始した。
対するURは固いディフェンスでシェトランド諸島を守る一方、外交を駆使してアメリカ帝国がUR領へ侵攻できない状況を構築。そのうえで逆襲に出てアメリカ帝国をグリーンランド周辺まで追い返す。数的劣勢を外交と軍事の連動でカバーしたURの粘り勝ちだった。
この頃、総資産のトップはナグルファル。アメリカ帝国の侵攻を食い止めたナグルファルは南米諸都市を確実に抑え、安定した経済圏を作り始めていた。しかし、地中海方面でURと持久戦に入った自由アフリカが西アジア、インド方面を抑え、さらにアフリカ南部にも進出。やがて都市の数で勝る自由アフリカが逆転し、トップに立った。
中盤:かりそめの対米同盟に攻められ、苦境に立つアメリカ帝国
序盤の勢力圏が確定した時点で各勢力とも内政に力点を移し、しばらくは静かな時間が流れた。このあたり、プレイヤーがゲームに慣れてきたように見受けられる。というのは、アップルシード:Cでは1人のプレイヤーが最大3人のキャラクターを操作できるが、ゲームの開始当初は1人目しか使えず、700ターン(1ターンは実時間で5分。1日は288ターンに相当)が経過すると2人目、1400ターンが経過すると3人目が解禁されるようになっている。そこで、2人目の解禁を待ちながら、反撃の時機を伺っていたと思われるのだ。
そして2人目が解禁されるや、北極海にまたも戦雲が湧き起こる。
カコルトク(グリーンランド南部の街)まで後退していたアメリカ帝国がURの前線を破砕し、一気にシェトランド諸島まで進出してきたのだ。
だが、今度もURの応戦は早かった。素早く軍を集結させてシェトランド諸島を防衛すると、今度は北極圏を逆侵攻、カコルトクはおろかラブラドル海までも奪って、グリーンランドとカナダの中間にあるバフィン島まで進出する。
さらにURに先駆けて、南からはナグルファルがアメリカ帝国領を浸食していた。陸路では序盤に制圧されていたブエナベントゥラとメリダ山脈を奪取し、海路ではサントドミンゴ、ハバナ、メリダと陥落させてアメリカ帝国の中枢であるテキサス一帯を指呼の距離に仰ぐに至る。オリュンポスもこれに乗じ、アメリカ帝国に奪われていたアゾレスベースを再奪取。アメリカ帝国は各地で敗戦が続き、北米大陸に押し込まれる結果となった。
実はこの時点ではアメリカ帝国は資産順位4位。しかもトップとはダブルスコア近い差を開けられていた。それでもゲームがまだ中盤に差し掛かったばかりであることを考えると、所属人数最大という数が各勢力の危機感を煽るに十分だった。強敵に対する警戒心が3国にかりそめの同盟意識を抱かせたといえよう。
トップの自由アフリカは一連の事態に対して静観する態度を取った。もちろん、ここでURやナグルファルの背後を突けば、同盟軍の対米攻撃が鈍化する恐れがあるから、見は正しい態度だろう。ただ、URにしろ、ナグルファルにしろ、トップが自由アフリカであることを忘れたわけではない。つまり、両国にしてみれば、ある程度アメリカ帝国を叩いた後は自由アフリカと対決しなければならないことを意味する。
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