歴代「FF」ムービーで振り返る、RPGにおける「学習効果」とは?私はこうして、「FF」シリーズにハマリました……(3/3 ページ)

» 2009年12月25日 11時46分 公開
[鴫原盛之,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 初代「FF」では、各キャラクターのジョブごとに装備できるアイテムはあらかじめ決められていて、装備を実行すると画面にEマークが表示されるようになっています。また、当時は装備できないアイテムを誤って選択した場合は、ブザーのような音を鳴らすことでプレイヤーに実行不可能であることを教えてくれるようになっていました。遊んだ経験がある人であれば、このちょっとうるさいブザー音のおかげで、どのジョブのキャラがどんな装備品を持てるのか、今でもハッキリ覚えているという人も少なからずいるのではないでしょうか?

 「FF2」になると、装備を切り替えると同時に攻撃力と防御力も表示されるようになり、さらに便利になりました。初代「FF」の場合は、誰がどの武器や防具を装備できて、なおかつパラメーターがどのように変化するかは、実際にアイテムを購入して装備コマンドを実行するまでまったくわからないため、各アイテムごとにひとりずつ装備コマンドを実行しながら、誰にあげるのがベストなのかを調べるのがとにかく手間でした。しかもパラメーターを確認するためには、装備する前後2回に分けて「ステータス」コマンドを使用しなくてはいけないため、装備品1個を変えるだけでもけっこうな時間がかかってしまいます。ほんのちょっとした違いですが、とてつもなく大きな進化ですよね。

 さらに「FF3」になると、例え購入前のアイテムであってもカーソルを合わせるだけで誰が装備可能なのかが一瞬にして分かるようになりました。ムービーを見れば明らかなように、これはカーソルを合わせたアイテムに対して、装備できるキャラクターが元気よく両手を上げてプレイヤーにアピールしてくれるというナイスなアイデアを導入したおかげです。また、装備画面では装備不可能なアイテムには×が表示される演出も追加されています。

 今度は時計の針をぐっと進めて、PS版の「ファイナルファンタジーVII」を見てみましょう。「FF7」に登場する武器は、各キャラごとにあらかじめ決まった種類のものしか装備できないため、武器を購入する際に迷ってしまうようなことはまずありません。ですが、パーティ全員が装備可能なアクセサリーに関しては、各キャラごとに誰に持たせるのがベストなのかをその都度調べる必要が発生します。

 ムービーを見れば明らかですが、アイテムごとに購入する前から誰が装備できるかどうかがわかるのはもちろん、パーティ全員の装備したときのステータス変化の様子がひと目でわかるようになっていて、さらに便利になっているのがお分かりいただけることでしょう。

こうして比べてみると、シリーズを重ねるにつれてプレイヤーにより分かりやすい画面・システム構成に進化していく様子がよく分かりますよね!

 これらの作品を繰り返し遊ぶことで、プレイヤーは操作方法以外にもさまざまな知識を身につけることができます。だからこそ、「この剣は戦士タイプのキャラなら多分装備できるけど、杖は魔法使いの女の子じゃないと使えないだろうな」という勘が自然と働くようになり、以後の新作タイトルをスムーズになじむためのヒントとして活用できるようになるわけですね。

 また、「FF」シリーズでは「ポーション」「毒消し」などの定番アイテムがいろいろ登場しますが、これらを使用したときの効果および名称はどの作品でもほぼ同じです。なので、いずれかひとつの作品をプレイした経験を持っていれば、後でどのシリーズ作品にチャレンジしたときでも、過去の知識を応用してゲームの理解を早めることが可能となります。

 これらの定番アイテム以外にも「FF」シリーズではたくさんのアイテム類が出てきますが、「FF5」以降はカーソルを合わせると同時に使用効果もいっしょに表示されるようになりましたので、マニュアルをいちいち読み返さなくても遊べるよう、さらに一歩踏み込んだ工夫がなされています。


歴代のアイテム表示画面をランダムにピックアップしてみました。値段やグラフィックは違えども、定番アイテムの効果はどの作品でもほぼ同じなので容易に応用できることがわかるハズ

(C)1999 スクウェア
(C)2000 スクウェア
(C)2001 SQUARE CO., LTD.

 以上、「FF」シリーズを題材にしてRPGにおけるシステムの進化と、それに伴いプレイヤーが得た学習効果の例をあげてみましたがいかがでしたか? 「今こうして振り返ってみると、いつの間にかいろんな『RPGの文法』を学習してきたんだな〜」などと、RPG好きの人であれば思わず感慨にふけってしまったことでしょう。

 もし、「FF13」をプレイ中に何か困った事態が起きたときには、過去のシリーズ作品を通じて得た知識を活用すればきっと解決法が見出せるハズ。そして「FF13」を通じてプレイヤー自身が得たEXP(経験値)は、次回の「FF14」が出たときにもきっと役に立つことでしょう(随分気の早い話ですが……)。

 それでは寝不足および健康に気をつけつつ、張り切って「FF13」にトライしてください!

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」