「iPad」で気になるアプリを試してみた:専用アプリは? 2倍モードは?(3/3 ページ)
ニュース以外のおもしろアプリもチェック、ただし不具合報告も……
まだiPadが発売されて3日目。原稿の執筆や写真撮影を行いつつiPadのテストを繰り返しているため、それほど使いこなせていないのが現状だ。なるべく面白いアイデアがあれば適時試すようにしているので、今後のリポートに反映できればと思う。
ここでは残りのページで、ざっと目に入った面白そうなアプリを紹介していこう。1つめは「Kindle for iPad」だ。説明は不要だと思うが、いわゆるKindleリーダーのiPad版。Amazon.comが提供しているKindle用コンテンツをすべてiPadで読むことができる。Whispernetの仕組みは使えないため外出先で書籍や新聞の自動更新というわけにはいかないが、Kindleの豊富な蔵書を持ち出す手段があるだけでも十分だろう。なお、タイトルはKindle for iPadとなっているが、実際にはiPhoneとの兼用アプリだ。iPhoneでは画面サイズの制約があったが、iPadではほぼフルサイズで書籍が表示できるため、視認性が向上している。KindleにはないiPadならではの特徴としては、ページめくりのアニメーションが付与されていることが挙げられる。「アニメーションなんてじゃま」なんていう意見もあるが、Kindleの画面書き換え速度の遅さはたまに現在のページを見失うほどなので、アニメーション効果自体はユーザーにページめくりを実感させるUIの一種だといえる。
地図好きの筆者としては、National Geographicの「World Atlas」とWeather Channelの「TWC」アプリも挙げておきたい。World Atlasはその名の通り世界地図で、地図を拡大しつつ、国や都市の情報が得られるというものだ。地図帳見ているだけでニヤニヤできる人には非常におすすめ。また、3段階以上地図をズームすると、インターネットへのアクセスを開始してGoogle Mapsの地図を読み込むように動作する。ネットアクセスが可能なiPadならではの仕組みだ。TWCは地図アプリというよりは天気アプリで、レーダーチャートをGoogle Mapsの地図情報に重ね合わせながら、現地での雨や雲の様子を教えてくれる。言ってしまえばこれだけだが、この手の情報が好きな人は見ているだけで楽しめる。iPadならではの大画面を生かしたアプリだ。
ここまで実用アプリが中心だったが、iPadではエンターテイメントやゲームアプリが専用ストアオープン時から潤沢にそろっているのも特徴だ。一説によれば、現在開発者が作成しているアプリのジャンルのうち、ゲームとエンターテイメントだけで5〜7割ほどを占めているといわれ、ある意味でiPadは注目のゲームプラットフォームでもある。Electronic Arts(EA)のような大手パブリッシャーだけでなく、個人や数人レベルの零細デベロッパーも多数参加しているのがiPadやiPhoneのアプリ市場の特徴で、今後いろいろ面白いアイデアの製品が数多くリリースされることだろう。
評価する時間が少なかったため、これらゲームアプリの多くはまだ試していないものの、ユーザーのレビュー欄を見ていると面白いことが分かってくる。例えば、画面サンプルでも掲載したEA GamesのNeed for Speed(NFS)のユーザー評価だが、最高と最低で評価が真っ二つに分かれている。「最低」ランクを示したユーザーの意見を読んでいると、「全然動作しない」「途中で動かなくなる」といった不具合報告が多い。これはNFSだけでなく、ほかのゲームアプリでもかなり見かけたコメントだ。また上で紹介したWorld Atlasも「動作が非常に遅い」と不満を挙げているユーザーがかなりいる。筆者が触った範囲でそのような現象はなかったので、個体差があるのかもしれない。
これは筆者の予想だが、これだけアプリの不具合報告が頻発しているのは、デベロッパー側で実機テストができなかったためだと思われる。発売前にiPadが配布されていたデベロッパーは数少ないとみられ、最大手のEAでさえ開発に十分な台数は確保できなかった可能性がある。その多くはエミュレータ上で開発され、こうしたテスト不足が不具合報告の頻発につながっているのではないだろうか。これらの問題は後のアップデートで対応できるとはいえ、全体にやや準備期間不足という印象は残った。
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