ゲーム少年だったグリー田中社長 「若干アウェー」の地で語る「目標10億人」の野望TGS2011(2/2 ページ)

» 2011年09月16日 17時27分 公開
[宮本真希,ITmedia]
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「流行っているソーシャルゲームに似ているものを作りまくれ」

画像 会場は満席で、立ち見も

 「似ているソーシャルゲームが増えているが、今後新機軸のゲームは生まれるか?」――講演後には、司会者からこんな質問が読み上げられた。

 田中社長いわく「流行るゲームデザインは徐々に移り変わっている」。GREEでも初期は釣りゲームが人気だったが、現在は戦国モノやバトルモノが人気だ。「作り手は得てして新しいものをと思いがちだが、ユーザーはまだまだ同じものが欲しいという状態にあるため、早く変化し過ぎず、今欲しいものを提供することが重要。流行っているゲームがあったら、そういうもの(似ているもの)を作りまくるべきだと思う」

 「ソーシャルゲームのヒットする、しないの違いは何なのか?」――こんな質問も読み上げられた。田中社長は「僕も正直“このゲームが流行るかどうか”は分からないが、ソーシャルゲームの良いところは、出してから中身が変えられるところ」とコメント。CMでおなじみの「探検ドリランド」がアクションゲームからカードゲームへとゲームデザインを変えているように「過去をなかったことにして同じブランドを継承できる」。

 ゲームをリリースした数分後には、プレイヤーのコメントが何十件も寄せられるという。「アンケートを取る必要がない。(反応を見れば)リリースしてから数時間で、月末に予算を達成できるかどうか分かる。『このゲームデザインではダメだ』となると、緊急会議して新しいものを考える。こういうのを毎時間やっている感じ」。

「南米やアフリカも」という野望

 田中社長が2004年に起業してからまだ7年だ。当初は、オフィスがマンションの一室で「隣から晩ご飯の匂いがする劣悪な労働環境」だったが、今や六本木ヒルズにオフィスを構え、サンフランシスコのほか、北京、シンガポール、ロンドンへも拠点を広げようとしている。「個人的には南米とかアフリカとかでもやりたいと思っている」という。

 「何万円もするゲーム機を買えない、ゲームビジネスに触れたことない人に、スマートフォンという低価格のコンピュータが行き渡ることで、初めて全員がゲームができて、楽しむ時代が来ると思うんです。それこそが本当にイノベーション。もちろん収益化も考えていくが、『スマホで初めてゲームを楽しむ』ということを実現したいというイメージで、目標10億人と言っている」

 1977年生まれの田中社長。学生のころからファミコン、プレイステーションに慣れ親しみ、「ドラクエ発売日には学校をずる休みして徹夜する」という青春時代を過ごした。週刊ファミ通のポイント券「ガバス」を集めていたことも、ストリートファイターIIにハマってゲームセンターに通いつめたこともあるという。

 「本当に子どものころからコンソールゲームばっかりやってきて、今も楽しんでいる。どうせゲームなんてと言われて育ったが、本当にみんながゲームをやることで、ゲームの地位向上が達成されると思う。スマートフォンを通じてゲームの裾野を広げ、業界を活発にしていきたい」

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