クマやアザラシ、かぼちゃパンツの男の子まで コミュニケーションロボットに注目2011国際ロボット展

高齢者の癒やしや子どもの教育、家庭内の情報端末として、生き物を模して生活に溶け込むコミュニケーションロボットの開発が進んでいる。

» 2011年11月11日 21時00分 公開
[ITmedia]
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 11月9日から開催の「2011国際ロボット展(東京ビッグサイト)」では、カメラやセンサーを内蔵し、利用者が生活のパートナーとしてコミュニケーションできるぬいぐるみ型のロボットに注目が集まった。

子ぐま型ソーシャルロボット(左)、うなずきかぼちゃん

 富士通ブースで展示されていたのは「子ぐま型ソーシャルロボット」。見た目は高さ50センチほどのクマのぬいぐるみで、顔の中央には鼻の代わりに黒い小型カメラがつけられ、13カ所のタッチセンサー、12個のモーターを搭載している。

 デモンストレーションでは、顔認識機能を使って司会者の動きに合わせて顔の向きを変えたり、動作をまねて手を振ったり首をかしげたりしていた。インターネットに接続して高齢者の見守りサービスとして使うことも可能で、動きの活発さや表情の豊かさを数値やグラフにして、ネット上で確認することができる。

 高齢者の生活支援だけでなく、保育園や一般家庭など、さまざまな場面で日常に溶け込むパートナーとしてのロボットを目指している。現在はまだ参考出展の段階で、実証実験を続けて実用化を目指すという。

 「ピップエレキバン」で知られるピップのブースでは、11月中旬発売予定の「うなずきかぼちゃん」が展示されていた。手のひらに載る大きさの男の子のぬいぐるみで、緑色のかぼちゃパンツをはいている。高齢者向けの癒やしロボットとしておもちゃメーカーのウィズと共同開発した。

 腕を上下に振るとスイッチが入り「楽しくなってきちゃうー」としゃべったり、足の裏を押すと「えへへへへ」と話すようになっている。音声認識機能もあり、利用者の話が途切れると「お話を聞いているよ」とうなずきながらしゃべる。

 同社のネット販売とグループ会社の介護ショップで販売を行う。価格は2万1000円。



 産業技術総合研究所ブースでは2002年に世界一の癒やしロボットとしてギネスブックに認定されたアザラシ型ロボット「パロ」を展示していた。外側はぬいぐるみでもふもふしているが、中はロボットで重さは2.7キロになる。ユーザーの呼びかけから自分の名前を学習でき、乱暴に抱き上げられると機嫌を損ねたりする。

 本物の動物を飼うことができない人向けに1993年から開発が進められ、実験でアニマルセラピーと同じ効果が証明されたという。現在、株式会社知能システムから主に高齢者施設向けとして販売されている。価格は35万円。



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