ミクロの世界へようこそ! デジタル顕微鏡「EV5680B」で見る極彩色に魅了される:美しすぎる(3/4 ページ)
多焦点処理で、驚愕の顕微鏡写真を撮ろう
EV5680Bは「デジタル顕微鏡」。フィルムカメラがデジタルカメラになって、新世代の使い方を得たように、顕微鏡にもデジタル化のメリットはある。ここではそのひとつを紹介しよう。従来、顕微鏡写真などは、接眼レンズをカメラのレンズでのぞき込むようにして撮るコリメート法で撮られることが多かった。EV5680Bでも試してみると、こんな感じになる。
しかし、この方法で撮った写真はあまり鮮明とはいえない。なぜなら、顕微鏡は極端なマクロレンズのようなもので、高倍率になるほどピントの合っている範囲(被写界深度)が極端に狭くなるからだ。接眼レンズ越しに肉眼で見ているなら、人間の目の焦点調節が自然に働いて、もう少し広い範囲まで鮮明に見えるのだが、写真だとそうはいかない。400倍で植物細胞を見ているなら、細胞の表面、細胞壁の直下、核や葉緑体などの細胞内構造などすべてピント位置が違う。
こういうときに使って便利なのが「多焦点合成」という処理だ。ピント位置を変えながら撮った複数枚の写真から、ピントの合っている部分だけを抽出して1枚に合成する。そうすることで、視野の全域にピントが合い鮮明になるのだ。
焦点位置を変えながら(上から下へ、あるいは下から上へと)撮影した一連の画像ファイルを用意する。EV5680Bの場合は専用ソフト aigo ScopeImage 9.0の「ビデオキャプチャー」、「連続キャプチャー」で1〜2秒間隔で撮影しながらピント調節つまみをゆっくり動かせば一連の画像が撮れる。多焦点合成ソフトにはいくつかあるが、ここでは、フリーソフトウェアの「CombineZP」を紹介しておこう。
CombineZPに読み込ませると、その段階で各画像の大きさや位置が自動解析されひとつのイメージファイルになる。その後、プルダウンメニューで「Do Stack」、「Pyramid Do Stack」など合成手法を指定、「GOボタン」をクリックすると自動的に処理が進み、数分でイメージが完成する。最後にセーブすれば、多焦点合成写真の完成だ。合成処理には、幻想的なイメージに仕上げるもの、コントラストの高いところを中心に重ねるものなど、さまざまな手法が用意されている。中には時間がかかるものもあるが、完成画像を見ながらいろいろ試してみよう。
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