ニュース
» 2012年01月06日 10時44分 公開

第15回:「待って、もう1回!!」 いつの間にかゲームがやめられなくなるフシギな呪文、「コンティニュー」のスッゴイ仕掛けなぜ、人はゲームにハマルのか?(1/4 ページ)

「なぜ、人はゲームにハマルのか?」をまじめに考察する不定期企画の15回目は、奥が深いコンティニューの話。続きがあるから人は大胆になるのかもしれませんよ?

[鴫原盛之,ITmedia]

 人はなぜゲームにハマルるのかを、プレイ動画や画面写真を見ながら楽しくかつまじめに考える当コラム。今年最初にお送りするテーマは、途中でゲームオーバーになっても再スタートができる、いわゆるコンティニュー機能についてです。

 どんなに面白いゲームであっても、途中で一度ゲームオーバーになった後に最初からやり直すのは肉体的にも精神的にもプレッシャーがかかりますし、元の場所へたどり着くまでにまた時間がかかるとなればとても面倒な気分になります。特に、最終ステージのボス敵やエンディングを目前にしてミスをしたときにはショックのあまり心が折れてしまい、挑戦意欲を失ってゲーム機本体の電源をそのまま落としてしまった、などという経験がある人もきっと多いハズです。

 しかし、コンティニュー機能さえあれば、「せっかくここまで来たのに、このまま終わらせたくない!」とか、「エンディングがどうしても見たい!」などというように、プレイヤーは一、二度失敗したぐらいではモチベーションが下がらず、逆にチャレンジ精神が大いにわいてくるから本当に不思議ですよね。

 エッ? 「ただ画面の指示に従ってスタートボタンを押すだけだし、別に何もネタなんかないのでは……」ですって!? いえいえ、いざ調べてみるとなかなかどうして、ひと言ではとても言い表せない実に奥の深〜い世界なのです……。

コンティニュー機能はゲーム史に残る世紀の大発明!

 本題に入る前に、今から30年ほど前の昔話にしばしお付き合いください。

 1980年代前半に登場したゲームの大半は家庭用、PC用、アーケードなどのプラットフォームを問わずコンティニュー機能が存在しなかったというと、当時の事情を知らない皆さんはきっと驚くのではないでしょうか。つまり、先のステージに進んだりハイスコアを更新しても、電源を落とした瞬間にすべてのデータが消去されてしまうのです。

 でも、だからといってユーザーたちの不満が爆発したなどということは特にありませんでした。それもそのハズ、昔は筆者も他のプレイヤー仲間もゲームを始めたばかりの頃は、誰もが「コンティニュー」という単語の意味どころかその存在すら知らなかったのですから(そりゃそうですよね)。

 現在ではコンティニューだけでなく、SDカードなどのメディアを使ったりネットワークサーバーを介してプレイデータを保存し、前回プレイ時に中断したところからいつでもゲームが再開できるシステムは当たり前のように存在します。ですが、昔はハードの性能やプログラム容量の問題などの理由によって、プレイ時間の長くかかるRPGやシミュレーションゲームでさえコンティニュー機能がなかった作品も少なくなかったのです。

 ですので、ビデオゲームにおけるコンティニュー機能を最初に発案した人は、実はノーベル賞にも値するような正真正銘の天才ではなかったかと筆者は思うのです。それにしても、最初の考案者はいったい誰なんでしょうね……。

 では、ここから本題に入ります!

 筆者がゲームにハマリ出してからコンティニュー機能の便利さ、ありがたみに感動した作品として今でもよく覚えているのが、1984年にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)が発売したアーケードゲーム「ドルアーガの塔」でした。本作では一度ゲームオーバーになってしまっても、再度クレジットを投入すると前回プレイ時に到達した任意のフロア(ステージ)から再スタートできるようになっていました。しかも、それまでに獲得したアイテムを保持した状態になっているので、全60フロアという長〜い道のりを制覇するためにはとてつもなく嬉しいシステムでした。

 翌年に発売されたファミリーコンピュータ版では、タイトル画面に「CONTINUE」と書かれたメニューが明示されるようになり、ゲームオーバー後にこれを選択することで1面〜最終到達ステージまでの間を自由に選んで再開できるようになっていました。本作は当時売れに売れまくっていましたが、その大きな理由の1つがコンティニュー機能を導入したおかげであると筆者は考えますが、実際にプレイした経験をお持ちの皆さんはどのように思われますか?

画像画像画像 「ドルアーガの塔」は、当時としては珍しいコンティニュー機能がついた数少ないアーケードゲームのひとつでした
※プレイステーション版「ナムコミュージアムVol.3」を使用
(C)1996 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

 同じく、ナムコが1985年に発売したアクションゲーム「ドラゴンバスター」にもちょっと変わったコンティニュー機能があります。本作は、主人公の剣士クロービスが敵の攻撃を受けるとダメージを受け、バイタリティの残量がゼロになるとゲームオーバーとなるルールになっています。ですが、実はバイタリティが残りわずかの状態になったときに、クレジットを追加投入してからスタートボタンを押すとバイタリティが回復する機能(※)がついていました。詳しくは以下のムービーをご覧下さい。

 本作の場合、一度ゲームオーバーになってからの継続プレイはできないので厳密にはコンティニューとは言えないかもしれませんが、連続して遊ばせるためのサービスという意味では同義であると考えて差し支えないでしょう。

※筆者注:本作では1クレジットにつきバイタリティが128ポイント(主人公の初期状態での最高値)分回復します。
※プレイステーション版「ナムコミュージアムVol.2」を使用
(C)1995 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED

 上記の2タイトルは、いずれもインストカード(※)にコンティニュー機能の存在および操作方法が明示されていなかったため、いわば裏技的なシステムになっていました。なので、実際にこれを利用しながらゲームを楽しんでいたのは(あくまで筆者の印象ですが)一部のマニア層に限られていました。

 なお、1986年に登場した「ドルアーガの塔」の続編にあたる「イシターの復活」では、アーケードゲームでは珍しいパスワードによるデータ保存機能を搭載していました。パスワードシステムに関しては今回のコンティニューのテーマとは異なりますので、また別の機会に触れたいと思います。

※インストカード:ゲームの筐体に貼ってある遊び方やプレイ料金などが書かれた紙のこと
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2311/29/news051.jpg 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
  2. /nl/articles/2311/29/news033.jpg 秋田犬が娘の宿題を見守ると……「驚くほど美脚すぎる!」と900万再生 「立ち方凄い」「人にしか見えない」
  3. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. /nl/articles/2311/28/news159.jpg サントリーのウイスキー値上げ額詳細が公開されSNSでも嘆きの声 「もう買えない……」「今ですら厳しいのに」
  5. /nl/articles/2311/29/news146.jpg “ベスト級に美しい芸能人”、出会った上沼恵美子が大絶賛 あまりの完璧超人ぶりにほれぼれ「人間として魅力を備えてて」「頭がいい育ちがいい」
  6. /nl/articles/2311/29/news022.jpg 留守番中の子猫を見守りカメラで確認したら…… 何度も「ママぁー!!!」と泣く姿に「切ない」「一目散に帰らなければ」
  7. /nl/articles/2311/29/news116.jpg 32歳になった河北麻友子、“家族そろった記念ショット”を出産後初公開 幼子抱えて大笑いの夫婦に「最高だねえって言いたくなる」
  8. /nl/articles/2311/28/news170.jpg DAIGO、コンビニで“大物スター”とまさかの遭遇 2日連続の出会いに「すごい奇跡」「これは運命」
  9. /nl/articles/2311/29/news043.jpg マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  10. /nl/articles/2311/29/news028.jpg 寂しくて「えーんえーん」と泣くワンコ、後ろにいる飼い主に気付くと…… 激変する表情のギャップがたまらない
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 病名不明で入院の渡邊渚、3カ月ぶりSNS更新で「表情に違和感」「そこまで酷い状況とは」 ベッド上で「人生をやり直すこともできません」
  2. 動かないイモムシを助けて1年後のある日、窓の外がありえない光景に 感動サプライズが「アゲハ蝶の恩返し」と話題
  3. 「スカートはないわ」「常識無視の番組でびっくり」 山下リオ、登山中の服装批判巡って反論「私が叩かれているようですが」
  4. 「千鳥」大悟、大物美人俳優にバッグハグされた表情に注目集まる 「マジ照れのお顔ですね」「でれでれやん」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 神田愛花アナ、拡散された女子中学生時代ショットにスタジオ騒然「ヤバい」→“アネゴ感”でSNSもざわつく
  7. 「生きててよかった」 熊谷真実、美麗な初“袋とじ”グラビアで63歳の色気全開 真っ赤なドレス着こなす姿に「すごいプロポーション」
  8. 尻尾がちぎれた小さな子猫をサーキット場で保護→1年後“ムキムキ最強生物”に 驚異の成長ビフォーアフターに注目集まる
  9. 双子モデル・吉川ちえ、美容整形後のひたいが“コブダイ”状態へ 多額の費用要した修正手術で後悔も「傷がこんなに残りました…」
  10. 「犬ぐらい大きくなれよ」と願い育てた保護子猫が「まさか本当に犬ぐらいになるとは」 驚異の成長ビフォーアフターが192万表示!