電動スクーター、e-Let'sで往く! 新宿発、秋葉原行き買い出しツアー散歩するガジェット(1/3 ページ)

原付スクーター感覚で運転でき、電動アシスト自転車のようにバッテリーを取り外して充電可能な電動スクーターe-Let'sで、新宿から秋葉原まで往ってまいりました。

» 2012年02月23日 09時00分 公開
[種子島健吉,ITmedia]

“Let's”の名にスズキの本気を感じた!

 2012年2月現在、電動二輪車を発売しているいわゆる国内大手メーカーは、EV-neoの本田技研工業と、EC-03のヤマハ発動機、そして1月9日に発売したe-Let'sのスズキです。

 しかし、どれもガソリンエンジン車でいうと50cc相当の原付一種(以下、原付)という同じカテゴリーの車両なのに、製品の性格はまったく異なっています。EV-neoは質実剛健で業務用向けを主眼としており、EC-03は今までとは異なる近未来的デザインで、新機軸のヴィーグルという位置づけを狙っているといった具合です。そしてe-Let'sですが、これはもうスズキらしいリアリティのある車種ではないでしょうか。

 筆者も以前、乗っていましたが、スズキのベストセラースクーターにアドレスV125シリーズがあります。アドレスV125も体現していましたが、スズキの持ち味は実用性の追求と限られた製品カテゴリーの中でそれをパッケージングにおさめる絶妙なバランス感覚にあるのではないでしょうか。e-Let'sを製品化する際のコンセプト、アプローチも今までのガソリンエンジンの原付スクーターと同じ使い勝手を目指した正攻法ともいうべき観点に立ちつつ、ガソリンエンジン車にはなかった利便性を加味しています。筆者は、ガソリンエンジンの原付スクーターとして歴史ある“Let's”の名を製品に冠したところに、スズキの本気を感じました。

 ちなみに読者諸兄姉の「スズキは電気モーターとか専門外なんじゃないの?」という懸念は、インホイールモーターやリチウムイオン電池などは、パナソニックグループから供給されているという事実が払拭してくれるのではないでしょうか。

画像 ラインアップはe-Let's(メーカー希望小売価格31万2900円)、e-Let's W(メーカー希望小売価格39万6900円)の2車種。車両本体はまったく同じ仕様で、違いはWにスペアバッテリーが付属しているところ。カラーはスプラッシュホワイトのみ

画像 シート下にはバッテリーが入っているのでトランクスペースがない。収納スペースとしては、この容量25リッターの「ロール式シャッター付フロントビッグバスケット」があり、ハンドル下には2リッターのペットボトルが収納可能な「フロントインナーラック」、足下に置いたカバンの持ち手をかけて固定できる「かばんホルダー」を装備している
画像 シート下の様子。前部が下にソケットのある電池収納スペースで、後部がスペアバッテリーか専用充電器が収納可能なスペースになっている。スペアバッテリー、充電器を出した状態なら小物ぐらいなら収納可能だ。キャリアに載っているのが専用充電器

画像 専用リチウムイオンバッテリー。重量7.5キログラムで、容量14.2Ah。家庭用電源で充電でき、充電時間は約4時間。スペアバッテリー単品売りの価格は8万4000円。e-Let'sには1つ、Wには2つ標準装備されている

走行音より風切り音が大きい印象

 筆者は前回のビビチャージのように、電動アシスト自転車には何度か乗ったことがあったのですが、電動バイクには今回初めて乗りました。走ってみた最初の印象は、話には聞いていたものの「ホントに静かだな」というものです。走行中は、アライヘルメットの耳まで覆われるジェット型のヘルメットを被っていましたが、スピードによっては走行音よりもヘルメットが風を切る音が聞こえていました。ガソリンエンジンのバイクに乗っていると、早朝や深夜に近所迷惑にならないよう手前の道路でエンジンを切って、集合住宅の駐輪場まで押して帰るなんてことをやったりしますが、電動であればそんな苦労はなくなります。

 ただし、周囲がエンジン音でこちらを発見できないというのがデメリット。今回、細い車道でしばらく自転車の後ろを走るというシーンがあったのですが、抜くまで自転車はこちらの存在に気がつきませんでした。バイクだと自動車に比べて避けやすいこともあり、歩行者や自転車に対するクラクションをためらいがちですが、電動スクーター乗車時は危険だと感じたらすぐ鳴らすべきだと思いました。賛否両論あると思いますが、場合によってはカスタムスクーターのごとく、何か音楽でも流しながら走る必要があるかもしれません。あとは当然ながら、ガソリンや排気ガスとは無縁ですから、その手の臭いもありません。もちろん、ガソリン補給の必要がないのでガソリンスタンド探す必要もありません。エンジンオイルの交換をする必要がないのも利点ですね。


細い道路を幹線道路に向かって走っている。最後に映っている幹線道路を走る自動車の走行音と比べると、e-Let'sの走行音の小ささが良く分かる
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/20/news049.jpg 高校生の時に出会った2人→つらい闘病生活を経て、10年後…… 山あり谷ありを乗り越えた“現在の姿”が話題
  3. /nl/articles/2411/20/news222.jpg ディズニーシーのお菓子が「異様に美味しい」→実は……“驚愕の事実”に9.6万いいね 「納得した」「これはガチ」
  4. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  5. /nl/articles/2411/20/news054.jpg 「防音室を買ったVTuberの末路」 本格的な防音室を導入したら居住空間がとんでもないことになった新人VTuberにその後を聞いた
  6. /nl/articles/2411/20/news050.jpg プロが教える「PCをオフにする時はシャットダウンとスリープ、どっちがいいの?」 理想の選択肢は意外にも…… 「有益な情報ありがとう」「感動しました
  7. /nl/articles/2411/21/news083.jpg 間寛平、33年間乗り続ける“希少な国産愛車”を披露 大の車好きで「スカイラインGT-R R34」も所有
  8. /nl/articles/2411/21/news085.jpg 「もしかしてネタバレ?」 “timeleszオーディション”候補者がテレビ局を退社 ディズニーの“船長”としても話題
  9. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
  10. /nl/articles/2411/21/news018.jpg グルーミングが出来ない生まれたての子猫、とんでもない体勢になり…… 想像以上のへたくそっぷりに「どこにも届いてないww」「反則級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた