ロボットでサバイバルゲームができるのか:「ロボでサバゲ!」ゲーム編
なんと! サバイバルゲームを人間ではなくロボットを使ってプレイするという試みを、定期的に行っている「ロボでサバゲ!」という集まりがある!! 実際にゲームを観戦してきたので、ここに紹介しよう。
本格装備でアバウトなところが魅力か
そもそもロボットでサバイバルゲームといっても、予備知識なしではどういったものか分からないと思うので、最初に基本的な部分を説明しておこう。まず本来サバイバルゲームというと、人間がアウトドアのフィールドで電動ガンで撃ち合うというものが一般的だと思われる。それをロボットで行うということで、フィールドは屋内としロボットも日本で運用するにおいて現実的なサイズである、RCカーぐらいのサイズとしている。ただし、実際に電動ガンでBB弾を撃ち合うというところは、人間のサバイバルゲームと同じだ。これは、ロボットでサバイバルゲームをやってみたい! と参加者が思ったときに、一部の市販されているRC戦車のように赤外線などを使った擬似的な射撃判定システムではなく、「やっぱり実弾(BB弾)でしょう!」ということになったそうで、実弾(BB弾)で行うというところは最初からこの競技に一貫している部分だという。
さてここで、サバイバルゲームに参加したことがある読者諸兄姉は疑問に感じであろう。「ロボットが被弾の自己申告をするの?」かと。そのあたりは、ロボでサバゲ!Wikiにも解説されているのだが、太陽電池を使用した被弾センサーを装備することで解決している。大まかな仕組みは、アルミホイルで太陽電池を覆った被弾センサーのアルミホイルがBB弾によって打ち抜かれていくと、じょじょに専用回路に流れる電圧が上がっていき、ある電圧まで達するとロボットは被弾モーションを取り動作を停止するというものだ(被弾モーションを組み込めないクローラー、タイヤタイプの場合は被弾ランプを点灯して停止する)。被弾センサーは規格化されており、同じものを使用することで各機は同じ条件で闘うことになる。人間が自己申告するより正確かつ、公正なインチキできない仕様であるといえるだろう。
ちなみに、その日の会場の状態によって明るさは違うため、試合前のレギュレーションチェックの段階で、参加機体すべてが同じ条件になりフェアなゲームが成り立つように調整する。会場が明るめであれば、ある一定の電圧、閾(しきい)値を上げてアルミホイルに大きな穴が開かないと撃破判定にならないように設定する。そうすることで、被弾センサーがすぐに反応してゲームが一瞬で終わってしまうのを防ぐのだ。閾値は、実際に穴の開いた被弾センサーを取り付け、機体の電源を入れ撃破モーションが発動するか確認しながら設定する。当日の参加者の「今日は大きめにしとくか」といったノリで変えることもあるという。「ロボでサバゲ!」を始めてすぐの頃は、なかなか命中させるのが難しかったので、2発命中で撃破判定の設定にしていたそうだが、最近は3、4発命中で撃破判定にすることが多いそうだ。
操縦は搭載カメラのトラブルなどがなければ、基本的に目視ではなくカメラの映像を観ながらすることになる。ロボットのRCでただ撃ち合うのかな? という予想を裏切る、高度な仕掛けがそこには施されているわけだ。実物を見ないと大袈裟に感じるかもしれないが、筆者は現場で実際に目にして米軍の無線操縦兵器の簡易版のように感じた。
とまあ、思った以上にちゃんと競技化されているというか、高度な技術が投入されているのだが、まだまだ参加者を募って競技の裾野を広げている段階ということで、移動タイプは多脚歩行でも2足歩行でも、クローラー(無限軌道)でも、タイヤでもなんでもOK! 動けばかまわないというスタンスで、高度なメカニズムを用いながらもアバウトな点が多々あるのがユニークなところだ。レギュレーション、ルール的にはどうかな? という試みや新メカニズム搭載の提案が参加者からあったときの判断基準も、危険だったりほかの参加者や会場として借りている模型の王国 浅草物件の迷惑にならない限り、「おもしろいかどうか」がかなりのウェイトを占めるそうで、ガチガチの競技というより参加者みんなで楽しもうというお祭りのような雰囲気だった。
さてそれでは能書きはこれぐらいにして、実際にどういったものなのかをご覧いただこう。
なお、gons氏の愛機「電龍」が搭載したカメラから送られてくる映像を見て操縦している。電龍は氏が昔制作した機体を「ロボでサバゲ!」用にカスタムしたもので、UHF帯電波で映像を飛ばすデジタルカメラをはじめ、デジタルではないアナログ通信機器が使われている。
今回の「ゲーム編」では競技の全体像を紹介したが、次回の「メカニズム編」では、実際に機体に使用されているパーツはどんなものかを紹介する予定だ。今回以上にメカメカしい内容となるので、メカ好きな読者諸兄姉には期待していただきたい。
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