「制作者もみんな実況するといいよね」――「ぷよぷよ」「ドシン」「かまいたち」の3人が「ゆめにっき」を実況して感じたこと日々是遊戯(2/3 ページ)

» 2012年08月20日 23時55分 公開
[池谷勇人,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ニコ生が何かをドライブさせる

画像 米光一成さん。ライター、ゲームデザイナーであるとともに、立命館大学教授としての顔も持つ。代表作に「ぷよぷよ」「バロック」など。

―― 2人とも、ニコ生でゲーム実況をするのははじめて?

飯田 ニコ生自体は経験あるけど、ゲーム実況ははじめてだよね。

米光 うん。

―― 普通に部屋でひとりで遊ぶのと、ニコ生で遊ぶのってやっぱり違いますか。

米光 違ったねぇ。

飯田 違うよ。超おもしろい。

米光 ドライブするよね、自分の中で、何かが。

飯田 みんなが虜になっちゃうのも分かる。

米光 だって一人でやってたらさ、リアクションって言っても「おっ」くらいだよね。あんなに叫んだりしない。

飯田 ハイになっちゃう?

米光 うん。やっぱりなにか魔力みたいなのがあるんだよ。

画像 飯田和敏さん。代表作に「アクアノートの休日」「巨人のドシン」「ディシプリン*帝国の誕生」など。グラスホッパー・マニファクチュア所属。現在はLINE向け海洋ソーシャルゲーム「イージーダイバー」を開発中。

飯田 僕らはゲーム作る側でさ、当然ゲームをネタにこういう遊びが展開されてるってのは知ってたけど、こうして自分でやってみて、ちょっとやみつきになりそう。

米光 はじめてゲームやったころのドキドキに近いかもしれない。ゲームプレイ倦怠期の人は実況するといいよ!

飯田 スターになったみたいな気持ちになれるよね。(アンディ)ウォーホルがさ、マスメディアを使えば誰でも15分間はスターになれるって言ったけど、それがもっと加速してる感じ?

米光 15分どころじゃなかったね。2時間だもんね。

飯田 しかも100万人だよ。別に僕らが100万人集めたわけじゃないけど。でも、そういう高揚感を誰でも味わえるってすごいよね。

米光 うん。

飯田 自分のゲームをそういうネタに使ってもらえるってさ、やっぱりやる気になるよ。実況向きのゲームとか作りたい。

米光 作りたいね、実況のためだけのゲーム。これ一人でやったら全然面白くないわーってくらい。

飯田 ゆめにっきもそういうとこあるよね。あんなの一人でやってたら分かんないよ。

米光 みんなの応援とか、ヒントがあってはじめて行けたー! みたいなね。

自分のゲームが実況されるのは嬉しい?

画像 麻野一哉さん。代表作は「弟切草」「かまいたちの夜」など。現在は作家の我孫子武丸さんと、アドベンチャーゲーム「ALONE」を開発中(3DS用ソフト「GUILD 02」に収録予定)。

(麻野さん、タバコ補給を終えて帰ってくる)

―― さっき麻野さんがプレイしてた時、コメントの中に「(弟切草)いま実況してます」ってのがあって、ちょっとドキッとしたんです。あれ見た時の心境ってどうでしたか?

麻野一哉(以下、麻野) うーん、よく著作権がどうのこうのって言われるけど、個人としては嬉しいよ。そりゃ出たばかりの最新作だったらマズいかもしれないけど、弟切草だしね。むしろいまだにあれを遊んでくれてるってのは単純にありがたい……かなあ。

飯田 今まではゲームって、ハードの世代が変わったら忘れられちゃう宿命にあったけど、いまだにスーパーファミコンのゲームが実況で人気があったりしてさ。ずっとこう、コンテンツが回り続けてる。

麻野 昨日も飲み会で話したんだけど、誰かが最近「データは熟成されるけどアプリは腐敗する」みたいなことを言ってたんだよね。その熟成の形のひとつが実況だったりするのかな、って気はする。

―― 弟切草じゃなかったらどうですか? たとえば今作ってる最新作が、出てすぐにニコ生でクリアされちゃったりしたら。

麻野 そこは立場がふたつあって、個人としては全然OK。……なんだけど、社会人としてはOKって言いにくい部分がどうしてもあるよね。漫画家とか小説家でもきっと、立ち読みはやめてって言いつつ、でも立ち読みでもいいから読んでもらえることが嬉しい、って気持ちと両方あると思うんだよ。どうなんだろうなあ。

米光 つっても実機でしょ? 昔はエミュ(レータ)でやってる人もいたけど。

(同席していたドワンゴの番組ディレクター) 実機かエミュかは確かめようがないんですが、ただエミュを叩く風潮は間違いなくありますね。

米光 今はエミュでやってるってバレると怒られちゃうよね。

―― バレれば間違いなく荒れますね。

米光 今回の企画もそうだけど、作り手側もちょっとずつ理解は示すようになってきたよね。実況もプレイスタイルのひとつだって。作る方もそれを理解して取り込んでいく必要があるんだと思う。

飯田 いまコンシューマーゲームがものすごい苦戦してるけど、じゃあゲームを遊んでくれるお客さんはどこにいるんだろうって考えた時に、今回のニコ生を見てくれてるような人は、すごくいいお客さんなんですよね。

―― いいお客さんですかね?

飯田 分かんない。でも注目してくれるだけでありがたいよ。

―― 確かに、少なくとも無関心ではないし、そこからお金を払って遊んでくれる人だって出てくる。

飯田 そういう人たちの楽しみを奪うのは、やっぱりよくないと思うよ。死活問題だからさ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた