カプセルトイ「ガチャ」開発の秘密を聞いてきた!(※ボツネタ含む)「ガチャ」はこうして作られる(1/3 ページ)

ユージンの時代から数えると、なんとカプセルトイを開発して25年というタカラトミーアーツ。その開発の手法をうかがいつつ、ボツネタや発売中止となってしまったネタまで公開してもらいました!

» 2013年03月19日 11時34分 公開
[種子島健吉,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

「ガチャ」は、ユージン時代から25年目

 タカラトミーアーツは、「おかしな」シリーズや、「スマート飯」「プリティーリズム」をはじめとしたオリジナル製品、ディズニーや「ポケットモンスター」などのキャラクター製品など、数多くの非常にユニークな製品を開発しています。その中でも、カプセルトイ「ガチャ」シリーズは長い歴史のある製品ラインアップのひとつです。

画像 お話をうかがった、タカラトミーアーツ ガチャ・キャンディ事業本部 主任 羽場弘明(はば ひろあき)氏(右)と同部 主任 東貴亮(あずま たかあき)氏(左)。羽場氏が持っているのが、氏が企画開発したが発売中止となった幻の「マヤ文字ネームプレート」。東氏が持っているのが、氏が企画開発した「大人の事典大百科 ボディビルコレクション」

―― タカラトミーアーツの「ガチャ」といえば、バンダイの「ガシャポン」といっしょに、ショッピングモールや家電量販店などのカプセルトイコーナーに必ず設置されているという印象があるのですが、いったいいつぐらいから「ガチャ」という製品はあるのでしょうか?

羽場氏 「ガチャ」の歴史は、タカラトミーアーツの前身である、ユージンの時代にはじまっています。1988年に、初めて製品をリリースしていますから、25年の歴史があることになりますね。

画像 YUJIN時代、昭和の香りがする「ガチャ」筐体

大きく射撃も可能な「THE 銃」シリーズ

―― ユージンからタカラトミーアーツになって、「ガチャ」に関して何か変わったことはあったのでしょうか?

東氏 ユージンは、2009年に小物玩具事業のユーメイト、ぬいぐるみ事業のハートランド、食玩事業のすばる堂と統合するのと同時に、新社名「株式会社タカラトミーアーツ」となったのですが、その際、特に「ガチャ」の企画開発の方法は変わっていません。

 基本的に元ユージンの「ガチャ」を企画開発していた部署が「ガチャ」を作り続けていますから、担当者がやりたいと思った企画が通りやすく、ばんばんやらせてもらえるという社風もそのままですね。

 弊社は、キャラクターものもありますが、オリジナル製品も多いのです。キャラクターものは一定の売上げが見込めるものの、ライセンス料がかかります。オリジナルだとライセンス料がかからないので製品化するための敷居が低くなり、種類を多く出せるという強みがあるんです。

―― タカラトミーアーツのというか、ユージンのというか、「ガチャ」には「なんじゃこら?」という独特なオリジナル製品が多い気がするのはそのためなんですね。まずは、そんな中でもインパクトのあるものを見せていただきたいのですが、どんなものがありますか?

東氏 ユージン時代から、様々な「ガチャ」を出していて、インパクトがあるものがたくさんあります。ただ、大きさとギミックによるインパクトということでは、この「THE 銃(ザ ガン) Part15 ガトリングガン編」ですね。

画像 ぎゅうぎゅうに詰まったカプセルの中に入った、黒いプラスチックパーツを組み立てる東氏

画像 組み上がったのは、カプセル2つ分ぐらいの長さがあるのではないかという「THE 銃 Part15 ガトリングガン編」。これも特別な製品ではなく、通常ラインアップの200円「ガチャ」なのだという。単体でも十分大きいが……。

画像 複数の製品を合体することで、さらに大きくなる!

―― 確かにこれは、大きいですね。これも200円なんですか?

東氏 ええ。私も一度カプセルから出してしまうと、なかなか元に戻せなくなるほどカプセルぎりぎりの製品で、もちろんこれも200円です。ただ、さすがに同じシリーズすべてがこのサイズではなくて、いわばアタリの製品なんですね。

 でも、アタリを入れるために200円以下のハズレ製品を混ぜるということはしていなくて、すべて200円の価値がある製品で、その中にちょっとお得な製品が含まれているという位置づけです。

―― あれ? これはハンドルが回るんですか?

東氏 「THE 銃」シリーズはすべて弾が発射できるんですよ。やっぱり、玩具とはいえ弾を発射しないと銃ではないですからね。ギミックも年々進化を続けていて、2013年6月発売予定の「THE 銃 Part22 オートマチックリバイバル編」だと、ブローバックもします。

 他社さんだと、ディティールに凝ったり、リアリティのある造形をという方向で開発が進むことが多いと思います。でも、「ガチャ」の「THE 銃」シリーズは開発当初より、リアルな造形はもちろん、発射ギミックは外せないということで一貫しています。おかげさまで皆さんに支持していただいて、ロングセラーシリーズに育っています。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた