メタボな筆者が生まれて初めて本格的なヒルクライムレースに参加してみた:自転車はガジェットだ!
人生初のヒルクライムレース、後半には雨と鼻水、その先に見えたものは……?
筆者はなにより坂が嫌いである。え? 少し前にポタクライムのススメを紹介していたが、これはゆっくり走って山を楽しもうという遊び方。スポーツとしてのヒルクライムは大の苦手といってもいいだろう。
理由としては、重量級の身体なので、とにかく重いのである。ヒルクライムは、とにかく重力に逆らって坂を上がっていくものなので、軽ければ軽いほどいい。重量級な私はオモリを付けてウェイトトレーニングをしているかのごとく、重力が襲ってくるのだ。
しかしながら、スポーツバイク歴2年、ロードバイクに乗り始めて半年の筆者は何を思ったのか、結構本格的なヒルクライムレースに参加してみることを決意したのだ。その理由とは?
安全に実力を試すことができるヒルクライムレース
さまざまなメディアで、ヒルクライムは初心者にうってつけのレースだと言われている。
まず、スピードが出にくい。ほかのレースイベントでは、時速40km以上出てしまうこともあるが、ヒルクライムは時速10km程度や、筆者のような初心者では歩くようなスピードの時速数kmということもザラなのだ。万が一、コケて(落車して)しまっても大事故になりにくいレースと言えよう。
さらに、自分の実力が分かりやすい。平坦では慣性で進んでしまう自転車も、ヒルクライムでは漕ぐのをやめてしまうとすぐに止まってしまう。つまり、レース中は基本的にずっと漕いでいないといけないのだ。いかにパワーを出すか、さらに疲れを分散させるテクニック、効率のよい回転など、さまざまな要素を試すことができる場となる。
それらの理由により、下山のダウンヒル(自転車で下る)を注意すればヒルクライムレースは初心者にちょうどいいレースイベントなのだ。
歴史あるツール・ド・八ヶ岳に挑む!
筆者が今回挑戦したのは、長野県で開催される「第29回 ツール・ド・八ヶ岳」という大会。過去28回も開催されている歴史あるヒルクライムレースなのだ。
コースは、標高2127mの麦草峠まで駆け上がり、標高差1300mを25km走るという、初心者としては未体験ゾーンと言える過酷なコースとなっている。筆者がよく走っている定峰峠(埼玉県)は約5kmなので、実に5倍の距離を一気に走ることになる。
ヒルクライムレースには選手のレベルに応じて、「カテゴリ」というものが用意され、近いレベルの人と一緒に走ることで、選手同士の接触リスクを低減している。筆者が選択したのは、体重75kg超級の「バイシクル21杯」である。
会場入りしたのは、当日午前0時頃、そう、車中泊を選択した。人生初のヒルクライムレース、しかも苦手な分野ということもあり、あまり眠れなかった記憶しかない(さらに少し腹痛も)。
筆者のカテゴリスタートは9時20分、それまでにウォーミングアップを済ませてスタート位置に並ぶ。時間になり、スタートだ。
ヒルクライムについて経験者に伺ったところ、最初はとにかく「頑張らない」ことだそうだ。頑張っても、途中で疲れてしまうため、最初から一定ペースで走ったほうが結果的に好成績につながるとこと。
筆者はそれを信じて、最初から頑張らない走行を意識した。具体的には、心拍数モニターをつけていたため、心拍数を160〜170前半に維持する走り方だ。
もう無理……ムリ……
序盤のキツイところをクリアすると、別荘地ゾーンに入っていく。筆者がもっとも気持よく走れたと思ったゾーンでもあり、全体的な斜度も緩いようだ。さらに、別荘地ゾーンの後半には少し長い下りを含む平坦があり、スピードも出せる。だが、それを抜けて中間地点(ハーフコースゴール)のスキー場を超えると、本当の地獄が待っていたのだ。
それは2つ。
ひとつは、斜度。残り10kmを500m駆け上がるのだが、ところどころで斜度のキツイ部分が出てくる。すでに15km走っている筆者にとって、後半の坂はキツイ以外のなにものでもなかった。
もう一つは、「雨」だった。中盤よりポツポツ降りだした雨は、本降りとなり選手に襲いかかってきたのだ。標高の高い本コースと相まって、気温もどんどんと下がってくる。体力の落ちた後半に、雨と低温で、心はとっくに折れきっていたのだ。
しかしながら、それでも上っていこうと決意させてくれたのが、「がんばれー! あともうちょっとー!」という声。先行してゴールしていた選手が下山してくるときにすれ違うのだが、その際に応援してくれるのだ。
なんとか泣きそうになりながら、約25kmのコースをゴールした。いや、鼻水はずっと出っぱなしだった。
この達成感は病みつきになりそう
いろいろなところで、「ヒルクライムはキツイけれども達成感がスゴイ」と言われていた。確かにポタクライムをしていても、景色を観る達成感はあったのだが、それほどまでに達成感あるのか? 上っている最中、自分はどMなのではないか、そんな気持ちさえあった。
いざ、ゴールしてみると「ああ、こんな自分でも25kmもヒルクライムできたんだ、頑張れたんだ」と達成感に包まれたのだ。ゴールした当日こそ、もう走りたくないという気持ちが強かったのだが、翌日には来年は軽量化してがんばろうという気持ちになっていた。
そう、ヒルクライム(レース)イベントは達成感がヤバイ。この言葉は本当だった。
ちなみに、3時間の目標でスタートした筆者は、約2時間40分でゴールすることができた。トップ選手がおおよそ1時間ちょっとの時間でゴールしているため、約2.5倍の時間がかかってしまったが、無事にゴールできて良かった。
スポーツバイクを購入して、「力試しに何かレースに出たいな」と思ったら、ヒルクライムイベントをおすすめしよう。ゆっくりでも、参加する、完走を目指すだけでもじゅうぶん達成感の得られるレースだ。
ちなみに、ツール・ド・八ヶ岳を1回走っただけで約1kg減量した。それだけハードなイベントだったのだ。本レースで一緒に走ってくれた自転車仲間のW氏、サポートしてくれたN氏に感謝申し上げたい。
関連記事
- 一番正確なのはどれだ? ロードバイク用おすすめ「サイコンアプリ」比較レポート!
スポーツバイクで使うGPSを使ったサイコンアプリが実際のサイクルコンピューターに精度で迫れるのかを4アプリで検証してみました。 - 自転車乗りの祭典「サイクルモード 2014」で見かけたモノたち
11月7日〜9日に幕張メッセにて開催されていた国内最大級の自転車展示会「サイクルモード インターナショナル2014」で見かけた各種アイテムをレポートします。 - 【番外編】ネット通販にはびこる「詐欺サイト」にご用心――見分けるための5つのポイント
リアル店舗よりも割安な価格設定がなされているネット通販。お手軽で安上がりなことも多いが、一方で金銭をだまし取る詐欺サイトも存在する。だまされない5つのポイントを紹介!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
- プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
- 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
- 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
- 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
- ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
- 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
- もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
- アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
- スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
- 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
- 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
- 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
- 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
- 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
- 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
- かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
- 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
- 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
- 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
- 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」