第29回 想像以上に面白い、Apple Watchのバンド交換:“ウェアラブル”の今
Apple Watchに対応したサードパーティーベンダー製のバンドが発売されたので、早速手に入れてみた。Apple純正と比べると少し質感は劣るが、バンドを交換する楽しさが手軽に味わえる。
Apple Watchを使い始めて、もうすぐ1カ月になろうとしている。
ほぼ欠かさず毎日充電し、朝装着して1日を過ごし、夜寝るときに外して充電する。そんなサイクルも板についてきた。朝起きてすぐに着けたいのは、アクティビティのトラッキングのため。
できれば1歩も無駄にしたくない、という“もったいない精神”の表れではあるが、それならもう1ブロック余計に歩く方に神経を使った方がいいだろう。1日のアクティビティによる消費を500キロカロリーに設定し、達成したりしなかったりしている。
達成するとApple Watch上で知らせてくれるのだが、その日の進ちょくを常にチェックできるため、夜少し歩いておこうかな? というオプションを選択する日も出てきた。行動が少しずつ変わっているということだろう。
ミラネーゼループはやはりよかった
正直なところ、Apple Watchのバンドはミラネーゼループを選んでよかった、という感想がある。穴で長さを調節する革やシリコンなどのバンドに比べて、薄く、しなやかで、自由に長さを調節できる。すこししっかりと締めて装着するApple Watchにぴったりなバンドといえる。
また、水に濡れてもあまり気にならず、水切れもよい。もちろん本体の心配をする必要があるが、「デジタルクラウンの回転がスムーズでなくなったら、流水に10〜15秒さらすように」というサポート情報もあるぐらいなので、さほど神経質にならなくてもよさそうだ。
一方で、やっぱりどうしても「磁石」で止めるというのが引っかかる。何というか、バックルよりも、磁石というのがどうしても「低い質感」という個人的感覚にとらわれているのが悪いのだと思うが、どうしてもベルクロテープ(面ファスナー)と同じようなイメージ、というと伝わるだろうか。
また、磁石が仕込まれている先端部分はステンレスの平面になっていて、アルミニウム製のMacBookでタイピングしているとすぐに傷が付く。Macが相手でなくても、手首は机に置いたり何かとものに当たることも多いため、気を付けていてもすり傷ができてくる。そして本体の傷よりも少し目立つので、注意が必要だ。
Monowear製の交換バンドコレクションを購入
Apple Watchが発表されて、多くの人々が思い浮かべたのが「交換バンドが充実するだろう」ということ。発表直後から、Kickstarterなどのクラウドファンディングに、Apple Watchの交換バンドが掲出されるようになった。発売が決まってからは、その勢いはより強くなっている。
そこで、いち早くKickStarterにプロジェクトを立ち上げた交換バンドのブランド、Monowearの黒い革のバンドを、早速取り寄せてみた。Monowearは、かなり早い段階でApple Watchのバンドのアダプターを再現し、本体に直接装着できるバンドを開発しているメーカーだ。
Apple純正のバンドは、バンドとアダプターが一体型になっているものも多いが、Monowearはアダプターを自分たちで作っており、多彩なバンドが使えるのが魅力だ。アダプターはアルミ、ステンレス、ブラックの3色を用意して、Apple WatchとApple Watch Sportの各モデルに対応する。
バンドには、レザー、メタル、そしてナイロンの3種類の材質を用意し、さまざまな色やデザインを取りそろえている。例えば純正のリンクブレスレットは5万円を超える精巧な仕組みを備えたものだが、Monowearでは非常にスタンダードなメタルバンドをおよそ1万2000円でオーダーできる。
黒い革のバンドをApple Watchに付けてみる
筆者はMonowearの黒いレザーバンドをKickstarter経由で取り寄せた。通常の販売価格はおよそ9500円で、純正のレザーバンドよりも8000円ほど安い。アダプターは、Apple Watch本体に合わせて、シルバーの磨きのものを選んでみた。
ミラネーゼループを取り外し、Monowearのアダプターを装着してみる。特に違和感なく装着することができ、腕に巻いてみることにした。届いた革は厚手でピンとまっすぐに張っており、固くてまだ馴染んでいない。少しきつめに装着して様子を見ることに。
装着してみると、当たり前の話ながら、特にこれといった違和感はなく、腕を振っても、アダプターがApple Watchから抜けてしまうこともなかった。心拍センサーもきちんと動作しており、大きな問題はなさそうだ。
Monowearのレザーバンドは、非常にシンプルな作りであることから、バックルやアダプター周りの処理、そして無骨で分厚く固い革の感触が、Apple純正のレザーバンドシリーズに比べると安っぽい印象は否めない。
しかし、割とバンドは「何でもいい」ということも分かった。もちろんAppleはトータルデザインでバンドのコレクションを用意しているが、時計のバンド自体はさほど難しいものではなく、自由度の高いパーツである、ということだ。
バンドで発揮する個性とApple Watchのエコシステム
レザーバンドは、少しフォーマルな服装をするときに使うことにして、普段はミラネーゼループに戻した。大きな理由は日常生活における水濡れを避けるためだが、折を見ながら付け替えて、革を柔らかくしていくことも必要だろう。
Monowearのシリーズでは、ナイロン素材のバンドも面白そうだ。少し布のような雰囲気に仕上げてあり、Apple純正のスポーツバンドよりも馴染みやすいのではないだろうか。
Monowearのバンドはまだ手元に2本しかないが、バンドを交換しながら時計を毎日使う、といのは想像していた以上に楽しい経験だった。腕時計は何本か持っているが、これまではバンドも含めてそのまま使うに留まっていたからだ。
ワンタッチでバンドを取り外せる簡単さから、Apple Watchは「バンドのエコシステム」による発展の可能性を担保しているように思う。実際、Apple自身も、バンドの仕様を公開しており、サードパーティのバンド開発を奨励する方向に舵を切ったようだ。
iPhoneがケースやバッテリーなどでエコシステムを作ったのに比べると、Apple Watchのそれはさほど充実しないかもしれない。
Apple Watchの弱点の1つはバッテリーの持続性だが、Appleは心拍センサーの正しい動作を理由に、充電しながら利用できるバンドは認めないようだ。また、ケースといっても、小さな時計の装着感を損なわずにアレンジするには限度がある。
ただ、Apple Watch向けのバンドは、充実の余地がある。ブランドやデザイン、素材、新たな機能性など、まだまだその可能性はあるはずだ。
筆者の幼少期は、まだ腕時計が「大人らしさの象徴」だった頃だが、スポーツウォッチのバンドにコンパスを付けたり、カレンダーを装着したり、時計のバンドにも機能や情報を追加する様子を見てきている。
もちろんカレンダーはApple Watchにも入っているので不要だが、バンドに機能を追加する世界も面白そうだ。例えば、Suicaのチップが入っていても便利かもしれない。
関連記事
- Apple Watch バンドに関するガイドラインが公開 各社からオリジナルデザインバンド登場か
Apple Watchのバンドをデザインする際に必要な情報が、「Band Design Guidelines for Apple Watch」として公開されました。これにより、Apple Watch用のサードパーティ製バンド市場が活況を呈しそうです。 - Apple Watchのステンレスケースは傷が目立つ
磨き上げられた鏡面仕上げのケースが魅力のApple Watch。でもそのケースは傷が付きやすく、結構目立ちます。気を付けていても傷は付くものですが、なるべく気を遣った方が良さそうです。 - Apple Watchで人気のケースとバンドは? 読者にアンケートしてみた
ITmedia読者は、「Apple Watch」のどのモデルを予約したのでしょうか。 - 第28回 Apple WatchのHandoffから面白い使い方が生まれる?
Apple Watchを使うようになり、iPhoneをずっと握りしめながらの生活からの変化を感じる一方、Apple WatchとiPhoneの連係にはまだ便利なパターンがよく分からない。ここが大きく変わると、面白い使い方が生まれるかもしれない。 - なぜApple Watchは「防水」ではなく「耐水」なのか
Apple Watchは、「IPX7」の防水性能を持ちますが、公式Webサイトには「防水性能はありません」と記述されています。耐水性能はあるのに、防水性能はない、という不思議な表現はなぜ生まれたのでしょうか。また、本当にApple Watchは防水ではないのでしょうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
-
「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
-
友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
-
後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
-
毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
-
「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
-
「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生
-
余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」