第34回 「Coin」 クレジットカードをウェアラブルデバイスに変えるアイデア:“ウェアラブル”の今(1/2 ページ)
米国では、「Coin」という、さまざまな磁気カードを1枚にまとめられるカードが注目を集めている。ウェアラブルやIoTにおけるデザインパターンとして、注目すべきだと考えている。
ウェアラブルデバイスの1つのデザインとして、スマートフォンやそのアプリと連動する、身に着けたり持ち運んだりできるデバイスというパターンが広く用いられている。
例えば「Apple Watch」は、秋に公開されるwatchOS 2で単体での通信にも対応するが、現状はiPhoneがそばになければアプリの実行や通信などには対応できず、前述のウェアラブルデバイスのパターンと合致する。
同じようなパターンで創られたデバイスを、今日は1つ、ご紹介しよう。
複数枚のクレジットカードを、1枚のカードに統合するデバイス

「Coin」は、複数のカードを1枚に統合することができるBluetooth LEデバイスだ。黒い券面には、電子ペーパーのディスプレイとボタンが1つ取り付けられており、裏面にはプラスチックカードにおなじみの磁気データを読み取らせるためのストライプと、ユーザーのフルネームが刻み込まれている。
このデバイスには、ちょうどモバイル決済アプリSquare用のカードリーダーのようなイヤフォンジャックに差し込むデバイスが付属してくる。セットアップする際には、このリーダーからアプリにクレジットカード情報を読み込み、CoinへはBluetoothでカード情報を送り込む。
これまでのプラスチックカードと同じサイズのCoinは、券面にあるボタンで複数読み込ませたカード情報を切り替えて、決済を行うことができる。
米国で生活していると、クレジットカードは必需品だ。しかも、カードは複数枚ある方が安心だ。
というのも、用心していても、カード情報が吸い取られるスキミングが、リアルの店舗やオンラインで発生するため、カードを止めている間、もう1枚のカードが利用できるようにしておくと便利だからだ。
米国の西海岸で生活する友人に聴いた話だが、半年から1年に1度は、カードを止めて再発行する、というイベントが発生するという。これは必ずしも大げさではない、と筆者も感じる。
加えて、銀行のカード(デビットカードとして店頭決済でも使える)や、店舗向けのギフトカードやプリペイドカード、スーパーなどの会員カードなど、プラスチックカードは財布の中で増える一方だ。
AppleやGoogleは、スマートフォンを決済デバイスにする努力を続けており、例えば最新のiOS 9では「Passbook」から「Wallet」に改名されるアプリに、Apple Payやプリペイドカード、ポイントカードなどを統合できる仕組みが用意されている。
しかしまだまだプラスチックカードが活躍する場面は多く、Coinの存在価値は依然高いといえる。
スマホでセキュリティを担保する
Coinで当然気にするのはセキュリティの問題だ。正直なところ、Coinを使い始める際に、カード情報をアプリに読み込むのだが、この作業はカード情報を盗み取るスキミングと同じような手順と言えるからだ。
アプリへのカード情報の取り込みには256ビットの暗号化が、Coinデバイスへの書き込みは128ビットの暗号化がそれぞれ施されている。また、外出先でCoinデバイスを設定する機会は少ないことが考えられるため、作業中についてはあまり心配しなくてもよさそうだ。
ここから先は、スマートフォンと通信するBluetoothデバイスとしてのメリットを体験できる。
Coinはスマートフォンがなくても、あるいはバッテリーが切れてしまっても利用できるが、スマートフォンがBluetoothの通信範囲外になった場合、ロックすることができる。解除するにはスマートフォンからか、もしくはモールス信号のようなパスコードを、Coin表面のボタンから入力する必要がある。
また、レストランなどの店舗でカードを使用した際、店にカードを忘れるというパターンも防ぐことができる。Coinが通信範囲外になると、スマートフォンに通知が来るため、手元にカードがないことに気付くことができるからだ。
ロック機能と、置き忘れや紛失の通知は、通常のクレジットカードにも搭載してほしい機能。これは現状、スマートフォンとつながるCoinを使用するセキュリティ面のメリットとなっている。
ちなみに、同じようにクレジットカードやデビットカードを読み込ませるモバイル決済のApple Payとは、Coinは異なる方式だ。Apple Payは、クレジットカードと紐付いたトークンをNFCデバイスであるiPhoneやApple Watch向けにそれぞれ発行することで、そのカードでの決済を行えるようにする仕組み。
Coinの場合はそうではなく、レガシーな磁気データをコピーする方式を採ってるため、利用できる店舗が限られているApple PayやAndroid Payとは異なり、どのクレジットカード利用可能な店舗でも使うことができる。

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