iPhoneアプリの「Tinder」、Apple Watchの心拍数測定機能を利用したサービス展開へ
出会い系アプリ「Tinder」のプラットフォームとApple Watchの心拍数計測機能を使った、新感覚のマッチングサービスがアメリカで発表されました。人工知能やビッグデータを使ったテクノロジーやサービスが私たちにとって身近になっていることを実感します。
マッチングサービスもついにここまできたか――。
2015年4月10日にApple Watchの予約が開始され、販売当初はiPhoneの機能がそのまま腕時計に移植されるだけでなく、ヘルスケアに特化した機能の充実度の高さも話題となりました。一方でApple Watchならではの体験を求める声も多数。
そんな中、2015年7月、アメリカの開発会社 TexasT3が、オンラインマッチングサービス大手「Tinder」の機能を生かした新サービスを発表。Apple Watchの心拍数測定の機能を使い、心拍数の変化によって、人の相性を測定するというものです。
視覚から「脳」の興奮度で計測する新しい試み
Tinderは、2012年12月に開始したマッチングサービス。スマートフォン向けのアプリで、ダウンロードしてFacebookアカウントと連携させればユーザー登録は完了。位置情報を入力すれば、現在地から近くの場所にいるほかのユーザーが写真とともに表示されます。
その写真を左にスワイプすればまた別のユーザーが表示され、気に入った相手に出会ったら右にスワイプ。気に入った相手が自分のことを気に入ってくれたらマッチングが成立。アプリ内でメッセージのやりとりを始めることができます。
現在、30カ国以上で利用されており、ユーザー数は5200万人以上。Tinderが2015年4月に発表した統計によると1日に2600万組、サービス開始から約3年間で累計60億組のマッチングが成立。世界でもっともリアルの場でユーザーを引き合わせることに成功してきたサービスです。
このTinderと、Apple Watchの心拍数測定機能と組み合わせて作られたのが「Hands-FreeTinder」です。WatchKitとよばれるApple Watchのソフトウェア開発キットを使って作られたこのサービス。残念ながら、現在のApple WatchのOSでは精度の高い診断測定が難しく、サービスの本リリースは今秋を予定しているそうです。
このアプリはTinder非公式ですが、その特徴は「ハンズフリー」であること。従来のTinderのサービスは、気に入った相手が見つかるまで写真をスワイプし続ける必要がありました。これをApple Watchの「ハートビート」機能を使うことで、心拍数の変化を自動計測し、心拍数が高い人とだけマッチングするという仕組みです。
心拍数と人の相性はどのような関係性があるのでしょうか。
開発を担当したTexasT3は、Hands-FreeTinderの開発にあたり、ある実験を行いました。Tinderのユーザーを集め、スワイプ後とスワイプ前の心拍数の変化を測定したところ、魅力的な写真を見て右にスワイプしたときの心拍数は、そうでないときよりも10%上昇しているということが明らかになったそうです。
TexasT3のクリエイティブ・ディレクターであるベン・ガディス氏は、テクノロジーメディアDigital Labの取材に対し「ユーザーのスワイプにかける時間をもっと効率化させたかった。マッチングしない時間を減らすことで、ユーザーはより多くの精度が高いマッチング体験ができると考えたからだ。この実験で、写真を見た直後から判断するまでの一瞬の間、脳内ではたくさんの選択が行われていることが分かった」と語っています。
ガジェットと人工知能の恩恵を受け、自分の生活を「最適化」するということ
Apple Watchのヘルスケア機能をうまく活用したHands-FreeTinder。既にApple WatchやiPhone標準のヘルスケアアプリには、歩数などを記録するフィットネス、心拍数や血圧などを計測するバイタルチェック、睡眠状況の把握といった多くの機能が実装されています。今後こうした機能を拡張させたアプリはますます増えていくでしょう。
Hands-FreeTinderに生かされたApple Watch専用の心拍数グランスは、リアルタイムの変化を確認することができるため、怒りや緊張といった一時の感情の変化も心拍数を通して認識することができます。自分の精神状態を確認できると、メンタル面でのセルフコントロールに有効かもしれません。
こうした利便性の高い機能が生活に入り込むときに気を付けたいのが「自分の判断基準を磨く必要性が高まっている」ということ。ビッグデータや人工知能を使って数値によって最適な判断を行うという仕組みは、今回のマッチングサービスにかぎらず職業適性診断でも登場しています。
膨大なデータと人工知能が割り出した「答え」はある意味間違いではないでしょうが、自分の判断基準を持って取捨選択を行うことを意図的に行わなければ情報の波に埋もれてしまう可能性もあります。
テクノロジーの恩恵を受けつつも、自分の頭で考えて取捨選択し、決断することの大切さを再認識させられます。自分の伴侶を探す場面ならなおのことです。
ライター:井上美穂
大学で外国語学部を卒業後、民間企業に就職しOLとして勤務する傍ら、ライターとしての活動を開始。その後、旅行業とITを学ぶためタイで短期留学。現在は、東南アジアのテクノロジー事情などを中心に記事を執筆。翻訳、写真撮影も行う。(編集協力:岡徳之)
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