「寝る前の考え事」は危険? 睡眠過剰反応の罠
夜なかなか寝付けないとき無理に眠ろうとするとかえって眠れなくなります。そのメカニズムと対処法をご紹介します。
明日は朝から大事な用事があって、早起きしなくてはならない。そんなときに限って、前の晩、なかなか寝付けないことってありますよね。「眠れない……でも、寝なきゃいけない」と焦る一方。こういった場合、どうすればいいのでしょうか?
「寝なきゃ」の過剰反応は逆効果!
眠れないとき、多くの人が不安になるのが「明日の朝、時間通りに起きられるだろうか?」「このままだと寝不足になって昼間眠くなったり、具合が悪くなったりするのではないか」「寝不足は健康に悪い」といったことです。このように、「眠れない=寝不足=不健康」という図式に対して過剰に反応してしまうと、不安が募り、かえって脳が覚醒してしまいます。
するとますます眠れなくなり、何をしても眠れなくなるという恐怖の悪循環に陥ってしまうのです。こんな調子を毎晩続けていれば、当然不眠になりやすくなってしまいます。
ではこのような、「眠らなきゃいけないのに、眠れない」ときには、どのように対処するのが効果的なのか、考えてみましょう。
対策1:「開き直る」
多くの睡眠医は、眠れないときの対策として「開き直る」ことが大事だと述べています。眠れないと自覚したときは、無理に寝ようとせず一度布団やベッドから出て、簡単な本を読んだり、リラックスできる音楽を聴いたりして眠くなるまで待ちましょう。
日本睡眠学会の内山理事によれば、暗いところで一人で悶々と考え事をしていると、本能的に警戒心が高まり、悪い方向にばかり考えが向かってしまうのだそう。そのような非生産的な考えを断ち切る意味でも、開き直って、早々に切り上げたほうが良さそうです。
対策2:「何もしない習慣をつける」
また、精神科医・岡田尊司さんの「働く人のための精神医学」によれば、働く毎日の習慣付けとして、布団やベッド、もしくは寝室に入ったときに、条件反射で「何も考えない」「何もしない」というのを徹底するのもいいといいます。寝床に入った後は、本を読んだり、手帳を見て明日の予定をチェックしたり、頭の中で考え事をしたりしている人もいるかもしれませんが、寝つきが悪い人はそれが原因かもしれません。
寝室に入った瞬間や、寝床についた瞬間は、頭を真っ白にして何もしない・何も考えないというのが習慣づけられれば、特に眠ろうと意気込まずとも、布団に入るだけで眠気が襲ってくるのだそう。ぜひ試してみましょう。
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