iPhoneで皮膚がんの早期発見をサポート スマホカメラ用スコープ「MoleScope」:近未来の健康ガジェット
iPhoneと連携して病気の早期発見や診断のサポートに役立つデバイスが増えています。「MoleScope」もそんなデバイスの1つ。こうした機器が普及すると、健康管理の考え方も変わっていきそうです。
日本人は欧米人に比べて皮膚がんを発症する割合は少ないといわれていますが、社会の高齢化が進むにともなって皮膚がんの罹患者数は2001年の8211人から、2011年は1万7429人と倍増しています(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターの統計データより)。
治療のしやすさから皮膚がんによる死亡率は高くはありませんが、 「メラノーマ(悪性黒色腫)」は進行が早いため、死亡率が高い傾向にあります。このメラノーマを含む皮膚がんの早期発見に役立てるためのスマホカメラ用スコープが「MoleScope」です。
MoleScopeは、MetaOptimaが販売する、皮膚表面の詳細画像を高解像度、高倍率、特殊照明により撮影するスマホカメラ用のアタッチメント。開発元のMetaOptimaによれば、医療用の「ダーモスコープ」に匹敵する詳細画像を撮影できるとのことです。ただし現時点で利用可能なスマホはiPhone 5/5c/5S/6/6 Plus/6s/6s Plus。Androidスマホには今後対応する予定ですが、端末ごとにカメラスペックが大きく異なるので、限られた機種のみの対応となるでしょう。
MoleScopeのiPhone用アプリケーションはすでにApp Storeで公開されています。MoleScopeと専用アプリケーションを組み合わせて定期的に身体中のホクロを撮影することで、身体のどこにホクロがあり、そのホクロが急に大きくなったり、色が変わったりしていないかなどを確認できるわけです。
MoleScopeには、個人用のHome Edition(149ドル)と、医療専門家用のMedical Professional Editionの2種類が用意されています。Medical Professional EditionではWebアプリケーションで患者の遠隔モニタリングやデータ管理が可能になっています。つまり本来は、個人と医療専門家の両方が導入してはじめて、最大限に有効活用できる製品なわけです。
加齢によりシミやホクロは必ずできるものなので、皮膚がんを過度に心配する必要はありませんが、それでも用心にこしたことはありません。現時点ではまだ日本から注文できず、また導入する日本の医療専門家がいるかどうかも分かりませんが、個人的に身体中のホクロの写真を経過撮影しておくだけでも、皮膚科にかかる際にスムーズに診断を受けられるでしょう。ぜひ日本でも正式発売してほしいヘルスケア製品です。
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