JINS MEME ESとZENアプリで集中力トレーニング:“ウェアラブル”の今
体と目の動きを可視化できるメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」向けの新しいアプリ「ZEN」は、集中力を鍛えることができるアプリ。前回、自分が思っていたほど集中できていないシーンがあることが分かったので、このアプリで鍛えてみることにした。
前回、眼電位センサーとモーションセンサーを搭載したメガネ型ウェアラブルデバイス、「JINS MEME ES」向けの新アプリを紹介した。
これまでJINS MEME向けのアプリは、ランニング時の重心や体幹のブレなどを可視化する「RUN」や、体幹を鍛える「TAIKAN」など、トレーニングを中心に機能が増強されてきた。しかし新たに提供を開始した「OFFICE」「ZEN」「WALK」といったアプリでは、集中力や心を可視化し、鍛えられるようになった。
JINS MEMEの新アプリリリース直前に、JINSブランドを展開するジェイアイエヌの創業者で代表取締役を務めるの田中仁氏に話を聞く機会があった。この場で、JINS MEMEの取り組みは、「これまで自分の外の世界を見るための道具だったメガネに、自分の内面を見る機能を加えた」という考え方を改めて聞くことができた。
その上で、JINS MEMEの発展は、将来JINSブランドが、メガネ販売から心と体のヘルスケアビジネスの企業へと転換する可能性までもたらすとの考えを示した。メガネは無料で配布し、Webサービスのように月額料金制に移行することもできるのではないか、というアイデアだ。
そんな可能性が詰まったメガネを使って、今回筆者は、自分と向き合うことにした。
仕事中の集中力を鍛える
前回、JINS MEME OFFICEアプリで、仕事中の集中度合いを計測してみた。すると、朝一番の計測結果は、アタマが寝ぼけていることがバレてしまった。
ココロとカラダはうまく集中できていたので、朝起きてすぐデスクに行くのではなく、コーヒーを入れて散歩をして、逆立ちをしたりと、なにかアタマを起こすための行動をとったほうが良い、という解決策にたどり着くことができた。
そのときOFFICEアプリは、結果を踏まえてZENアプリで集中力のトレーニングすることを勧めてくれた。そこで今回は、そのZENアプリを試してみることにした。
ZENアプリでは、目の動きから自律神経の変化を読み取りながら、トレーニングを進めていくことができる。アプリは石川善樹氏が監修している。予防医学などを専門としており、Google発のマインドフル・リーダーシップ研修で日本人3人目の公認インストラクターでもある。
集中力を高めるトレーニングと、創造力を高めるトレーニングが用意されている。まずは、集中力を高めるトレーニングを行ってみることにした。
トレーニングは、床や机にスマートフォンを置き、50cmほど離れた場所に座って、画面を眺めるだけだ。セッション中は音声が流れ、瞑想に入る補助を行ってくれる。残念ながら、この原稿を仕上げようとしている仕事場には、音声をオープンに再生できる場所がなく、また床に座れるスペースがないため、椅子に座りながら試してみることにした。
ちなみに、これは、のちにご紹介する言い訳でもある。
結果は散々なものに……
結論から言えば、初めてのZENアプリでのセッションは、散々な結果だった。
集中を示すFAポイントはゼロ。調身は良いスコアが出ていたものの、安定感に欠ける。呼吸やココロは、全くと言っていいほどスコアが伸びず。特に後半の調心のスコアはゼロだった。
トレーニングのセッションを始めると、アプリの画面の中心にはグレーの円が現れ、このサイズがだんだん小さくなったり、また大きくなったり、という変化を繰り返す。これを見ながら、呼吸を整え、自分を集中状態に持って行く。
たった5分間のセッションだったが、本当のところを打ち明ければ、要するに、飽きてしまっていたのである。これじゃ集中なんてできないのも無理はない。
コワーキングスペースの共用スペースで、周りからはランチを楽しむ人々の声と、何やら焼うどんのような麺類をすする音と香りが漂ってくる。米国にいるのに……だ。そしてその時考えていたのはこんなこと。「そういえば、ランチまだだったな」「しかし原稿を仕上げるために、このアプリを試さなければならない」「それにしても、今日の円相場の下落は恐ろしかったな」。
5分間のセッション中に考えていたことは、まあ邪念も邪念、ひどいものだ。
裏を返せば、JINS MEMEとZENアプリは、筆者のこうした頭の中を見透かすように、0点を付けてくれたわけだ。
トレーニングを続けたいと思った
筆者は自分の仕事中の集中力には、割と満足していた方だった。淀みなくなり続けるキータイプ音を聞きながら、目の前に現れてくる文字列を見ていると、とても楽しい気分になる。スムーズにタイピングが進んでいくと、次のフレーズが浮かんできて指先にその情報が伝わり、良いサイクルでだいたい50分ほどの「ライティング・セッション」を終える。
ライティング・セッションとは、筆者が勝手に名付けている原稿を書く時の1つの単位であり、この連載の原稿も含めて、1回のライティング・セッションで書き上げるようにしている。
ただ、たまに、1回のライティング・セッションで書き上がらないこともある。情報収集が不十分だったり、書こうと思っていたことがまとまっていなかったり、理由は明確ではないがしっくりこなかったり。そうしたときの対処法は、一度その原稿か離れる以外になかった。
ただ、その対処法は、筆者にとって満足できるものではなかったのも事実だ。もしかしたら、自分とは異なる集中力や創造力のトレーニングを取り入れることで、こうした悩みを解決できるのかもしれない、と思ったのだ。
そこに、環境が不十分だったとはいえ、全く集中できていないデータがあれば、なんとかしたいと考えたくなる。今日・明日ですぐに身に付くものではないと思うが、JINS MEME ZENアプリでのトレーニングを続けて、自分とは異なる集中の仕方を身につけてみようと考えている。
自分の可視化は面白い
Time誌が毎年発表するPerson of the Year。2006年は「You」だった。それまで、1年を代表する著名人が選ばれていたが、「あなた」が選ばれたことは、ユーモラスでもあり、個の時代を象徴する出来事だったと振り返ることができる。
インターネットやSNSによって、個人が活躍したり、日常生活の中に他人への情報発信が組み込まれるようになったことは、メディアにとっても、我々の生活にとっても大きな変化だった。そして、モバイルデバイスは、個人性をより高め、増幅しているように感じている。
ウェアラブルデバイスが、個の時代を変化させるとすれば、それは内面の可視化やアクセスのためのツールとして、だろう。JINS MEMEはそのことをよく体現していると思うし、我々がよりよく生きるために、取り組めることはたくさんあることを教えてくれる。
ただ、自分のことを知り過ぎてしまい、それをすべて改善しようとすることは、あらゆることを自己責任として捉えるようになりそうだ。これもまた息苦しく、あるいはすべての人々がバラバラに切り離され、幸せや価値の共有から離れてしまうかもしれない。
ウェアラブルデバイスで人々が自分たちに向き合い、なんらかの社会的な現象が生まれる時、Time誌は再び、「You」を今年の人に選ぶかもしれない。
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