watchOS 3でApple Watchのアクティビティはどう変わる?:“ウェアラブル”の今
Appleが2016年の秋にリリース予定のApple Watch向け新OS「watchOS 3」では、フィットネス機能が大きく進化する。Apple Watchユーザーがよく使っている機能でもあるフィットネスがどう変わるのか、詳細に見てみよう。
Appleが6月13日から開催したWWDC16では、新しいApple Watch向けOS、watchOS 3の新機能が披露された。前回、watchOS 3の概要について、基調講演で話された内容を中心に紹介したが、引き続きこのwatchOS 3について触れたい。
Appleは、Apple Watchをリリースして1年の間に、「さまざまな文字盤を手軽に楽しみたい」「よりフィットネス機能を活用したい」という、大きく2つのニーズをユーザーから得ていたようだ。
手軽に変えられる文字盤
そこで、文字盤については、画面を左右にスワイプするだけで簡単に変更できる新しい操作方法を与えた。加えて、アプリの情報を文字盤に表示するコンプリケーションズについて、開発者は、自分のアプリのコンプリケーションズをプリセットした状態の文字盤を提案することができるようになった。
これにより、ユーザーがApple Watchに新たなアプリを入れれば、そのアプリの情報を確認しやすくするための文字盤をあらかじめ追加することができ、文字盤をアプリ活用の場として楽しむ使い勝手を楽しみやすくしている。
アクティビティを、より楽しく
もう1つのニーズであるフィットネス機能についても、文字盤との連携を増やしている。スポーツウォッチのように、アクティビティの3つのリングをより大きく扱った文字盤を追加し、アプリを起動しなくても現在の状況をグラフと数字で把握することができるようになった。
アナログウォッチの文字盤全体がアクティビティの3連リングになっているデザインの文字盤で、リング部分をタップすれば、すぐにアクティビティのアプリをApple Watch内で立ち上げることができる。
また、デジタル文字盤では、時計とともに、3連リングを分解して並べ、それぞれの進ちょくを数字で確認できるデザインも用意した。このように、Apple Watchにおいて、よりアクティビティやフィットネスを強調しながら日々の生活を送ることが可能になっている。
アクティビティを共有できるようになった
Apple Watchはこれまで、Apple製品の中で最も個人的なデバイスとして位置付けられてきた。アクティビティ機能についても、できるだけセキュリティーを高めながら、自分の記録を蓄積していくことができるよう、注意深く作られてきた。
しかしwatchOS 3では、フィットネスツールとしての側面を底上げするため、アクティビティを友達と共有することができる機能を追加した。アクティビティアプリの中で、自分の情報は、1ページにまとめられ、デジタルクラウンでスクロールすることで、その日の歩数や消費カロリー、エクササイズの時間や消費カロリー、スタンドを確認できる。
そして右にスワイプすると、アクティビティを共有している家族や友人の情報を表示する。ここで面白いのは、単純に消費カロリー数で比較するのではなく、それぞれ各自が設定した目標の達成率の順に並べられている点だ。
ゴールを達成した共有相手に対しては、Apple Watchからプリセットされているメッセージをタップするだけで、簡単にメッセージを送れる。もちろん、絵文字や音声入力、スクライブ(手書き入力)などを送信することも可能だ。
コミュニケーション+αでモチベーションを維持する
Apple Watchのアクティビティ機能の開発に取り組む責任者で、カリスマトレーナーでもあるジェイ・ブラニック氏は、アクティビティ共有機能の狙いについて、「日々の活動によるコミュニケーションとモチベーションの促進だ」と話す。
自分たちの運動や活動の結果が、友人同士の日々のコミュニケーションツールになり、またフィットネスに取り組むグループにとっては、とても身近にモチベーションを高めることができるからだ。トレーナーとしての経験上、必ずしも競争心をあおらなくても、共に取り組む相手の存在が、フィットネスにとって重要な役割を果たすという。
もちろん、フィットネスは自分ごとであり、他人を気にしながらやることではない。それでも、モチベーションを高めること、あるいは達成感を自慢できる共有機能は有効に作用するだろう。
また、Apple Watchを使ったフィットネス仲間のグループができることは、Apple Watchの販売にとっても、プラスの効果をもたらすのではないだろうか。
きめ細かなコミュニケーションと見守り
アクティビティ共有機能は、双方向での情報共有以外に、片方向の共有機能を備えている。そのため、例えば、医師やトレーナーが生徒のアクティビティをまとめて管理する用途にも応用できる。
この機能の搭載により、生活習慣病予防のカウンセリングや、トレーニングのサービスを提供するプロフェッショナルにとって、Apple Watchを組み込んだサービスづくりも可能になった。
プロでなくても、活用方法はある。
例えば離れて暮らす親に、毎日の適度な運動を勧める際、Apple Watchのアクティビティ共有を活用する、というのは、すぐに思いつくアイデアの1つだろう。
筆者の場合米国に住んでいるため、日本に住む両親との間での時差を考えなければならないが、例えば日本時間の夕方近くになってもアクティビティの消費カロリーが伸びていなければ、「散歩でもしてくれば」とメッセージを送ることができる。もっとも、現地の天候によっては、無理に外出させる必要はないと思うが。
また筆者も、例えば妻から「ちゃんと動いているか」と監視される対象になるかもしれない。原稿を書く仕事は基本的には座っての作業となるため、ちゃんと1時間に1度は立っているか、仕事場との行き帰りで30分のエクササイズを達成しているか、などなど。
いや、本当は自分で管理しなければならない話ではあるが、なんというか、こう、モチベーションとは違う、プレッシャーもまた、フィットネスを促進させる燃料にはなるわけだ。
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