連載
» 2016年06月26日 06時00分 公開

Apple Watchの新アプリ「Breathe」とは何か“ウェアラブル”の今

Apple Watchの機能が大幅に進化する次期バージョンの「watchOS 3」では、フィットネス機能に、「Breathe」という新アプリが加わる。Appleも「マインドフルネス」の領域へ踏み込んでいく。

[松村太郎,ITmedia]

 Appleが開発者向けの年次会議「WWDC16」で発表したApple Watch向けの次期OS、「watchOS 3」では、フィットネス機能に、新たなツールが追加される。これまでは、運動計測、活動量計測に特化した機能が提供されてきたが、今度は心のフィットネスに踏み込んでいく。

 新たに搭載された「Breathe」は、名前の通り、深呼吸を行うためのアプリだ。「アクティビティ」のスタンド機能と同じように、1時間に1度のセッションを設定することもできる。

watchOS 3 Breathe Breatheアプリは、スタンド機能と同じように、一定時間ごとにメッセージで呼吸を促してくれる

 新しいBreatheの機能については、WWDC16の基調講演で、カリスマトレーナーとして著名で、Appleのフィットネス機能の開発に取り組むジェイ・ブラニック氏が紹介した。

watchOS 3 Breathe watchOS 3になると、Apple Watchに「Breathe」という新機能が加わる

深呼吸の習慣を作る

 Breathe機能の使い方は簡単だ。

 Apple Watchで何分間の深呼吸を行うかを選択すると、Apple Watchに大きくなったり小さくなったりする花びらのような青緑のアイコンが現れ、拡大していく間は息を深く吸い込み、収縮していくにつれて、ゆっくりと息を吐き出していく。これだけだ。

watchOS 3 Breathe Breatheは、まず時間をセットし、スタートする
watchOS 3 Breathe 画面に映る青緑のアイコンが大きくなったり小さくなったりするのに合わせて呼吸を整える

 画面の拡大、縮小と同時に、Apple WatchのTapTic Engineの振動も手首に伝わる。息を吸い込んでいく時に、「トットットトトト」というテンポで振動し、この振動が頂点まで行くと、振動が止まる。これが息を吐き出すサインとなる。再び、振動が始まる時に、息を吸い込み始めるのだ。

 Breatheの機能を実装するに当たってAppleは、さまざまな研究を行ったという。

 画面のアニメーションをどう動かすといいか、という点はもちろんだが、TapTic Engineをどう振動させるのが最適か、といった点も研究から導き出している。息を吸う時には体に力を入れるため、振動を伝え、息を吐き出す際には静かな方が良いので振動がない、といった挙動になっているようだ。

 また、呼吸のペースについても、掘り下げると奥が深い。呼吸のペースや仕方によって、さまざまな効果を狙うこともできるという。ただし、Apple WatchのBreatheでは、「誰もがシンプルに、生活に深呼吸を取り入れられるようにすること」を主眼に、1つのテンポでの実装から始めた。

 具体的には、1分間に7回の呼吸を行うテンポに合わせられており、吸気と呼気の時間の割合は1:1.5に設定されている。これについても、より多くの人にとって、簡単で、かつ最もリラックスしやすいテンポを、研究を通じて決めたのだそうだ。

深呼吸についても、データを取る

 始めは、画面のアニメーションを見ながら深呼吸のセッションをこなせば良いが、慣れてくれば、手首に伝わる振動に合わせて、深呼吸のセッションを行えるようになるという。

 目をつむって、呼吸に集中しながら、より深いリラックスの時間を作ることが狙いだ。

 このように説明されると、Apple Watchに早くwatchOS 3を導入して、深呼吸の習慣をスマートウォッチにアシストしてもらいたくなってくる。平日の夜だけでなく、朝や日中にも、何度かこのセッションを取り入れてみたい、と筆者は思った。

 さて、フィットネスに関しては、Apple Watchではより確実なデータの記録が行われてきた。深呼吸のセッションについても、もちろんデータが記録される。

watchOS 3 Breathe Breatheアプリで呼吸のセッションをこなすと、その時の時間の長さや心拍数などのデータが記録される

 いつBreatheのセッションをしたか。その時のセッションの長さ、そしてセッション中の平均心拍数も記録される。そして、前日のセッションと比較しながら、心拍数が落ち着いてこない時には、もう一度セッションをこなしてみよう、という判断もできるようになる。

マインドフルネスの流行に寄せて

 もちろん、呼吸と心拍数だけで、その人のリラックス度合いや集中力を図ることはできないし、人によって実感するかどうかも異なる。そのため、Breathe機能を使いながら、自分がどんな状態かを、自分で知ることが重要になってくる。

 こうした、リラックスや集中力を高める手法については、「マインドフルネス」というキーワードで、シリコンバレーや米国のビジネスシーンでの流行がある。

 本連載でも、眼電位と6軸加速度センサーを備えたアイウェア、「JINS MEME」が、スポーツからオフィスでの活用に転換する際に取り入れたのが、マインドフルネスの計測だったことを紹介した。

 しかし、JINS MEMEの方が先進的だ。体のバランスや安定感、そして瞬きまで認識できるため、より深いデータを取得し、トレーニングによる改善まで行えるのだ。「心」「集中」「体幹」をオフィス空間で鍛えながら仕事をする、そんなメガネだった。

 Apple Watchは、手首に装着しているため、JINS MEMEに比べると、多くのデータを取れるわけではない。ただ、1000万台以上販売されているウェアラブルデバイスで、こうした機能が搭載されることは、マインドフルネスの考え方そのものを広める役割を担うことになるだろう。

 Apple Watchが登場後も、FitBitやMisfitのような、フィットネス計測の専用機器の人気は衰えをみせない。そのことから考えると、Apple WatchのBreathe機能は、マインドフルネスに関連するデバイスの販売を盛り立てる可能性すらあると考えている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2110/20/news075.jpg 「シーンとなった球場に俺の歌声がして……」 上地雄輔、後輩・松坂大輔の引退試合で“まさかのサプライズ”に感激
  2. /nl/articles/2110/19/news191.jpg 【その視点はなかった】古参オタクがネタバレしないのは、優しさではなく単に「初見にしか出せない悲鳴」を聞くために生かしているだけなのでは説
  3. /nl/articles/2110/19/news190.jpg 亀田家の末っ子が「ずっとしたかった鼻整形」公表 「パパは了承すみ?」と父・史郎を気にかける声殺到
  4. /nl/articles/2110/20/news101.jpg 中尾明慶、“新しい家族”の誕生にもう「超カワイイ」 6万円超の赤ちゃんグッズ代にも満面の笑顔 「喜んでくれたらいい」
  5. /nl/articles/2110/20/news089.jpg 保田圭、転倒事故で“目元に大きな傷”を負う 「転んだ時に手をつけなかった」痛々しい姿に心配の声
  6. /nl/articles/2110/19/news043.jpg 「学校であったつらいこと」を市役所に相談したら対応してくれた――寝屋川市のいじめ対策が話題、監察課に話を聞いた
  7. /nl/articles/2110/20/news081.jpg 篠田麻里子、前田敦子とともに板野友美の出産祝い 赤ちゃん抱っこし「こんな小さかったっけ〜ってもう懐かしい」
  8. /nl/articles/2110/19/news188.jpg ポンと押すだけで転売対策できる“転売防止はんこ”登場 「転売防止に役立つハンコは作れませんか?」の声から商品化
  9. /nl/articles/2110/18/news113.jpg 「ちびちゃん自分で書いたの?」 賀来賢人、“HAPPY”全開なイラストへ反響「愛情かけて育てているのが伝わります」
  10. /nl/articles/2110/19/news139.jpg 梅宮アンナ、父・辰夫さんの“黒塗り看板”が1日で白塗りに 今後の対応は「弁護士を入れて双方話し合い」

先週の総合アクセスTOP10

  1. 葉月里緒奈、美人な元マネジャーと“再会2ショット” 「共演した俳優さん達は私ではなく彼女を口説いてました」
  2. docomo×進撃の巨人キャンペーンの商品「リヴァイ兵長フィギュア」が悲惨な出来だと話題に → 公式が謝罪「対応方法を検討しております」
  3. 有吉弘行、妻・夏目三久との“イラストショット”を公開 蛭子能収からのプレゼントに「下書きも消さずにうれしい!!」
  4. 「印象が全然違う!」「ほんとに同じ人なの!?」 会社の女性に勧められてヘアカットした男性のビフォーアフター動画に反響
  5. 梅宮アンナ、父・辰夫さんの看板が黒塗りされ悲しみ 敬意感じられない対応に「残酷で、余りにも酷い行為」
  6. 子猫が、生まれたての“人間の妹”と初対面して…… 見守るように寄り添う姿がキュン死するほどかわいい
  7. 工藤静香、バブルの香り漂う33年前の“イケイケショット” ファンからは「娘さんそっくり」「ココちゃん似てる」
  8. 板野友美、エコー写真とそっくりな娘の顔出しショットを公開 ぱっちり目の美形な姿に「こんな美人な赤ちゃん初めて見た」
  9. 後藤晴菜アナ、三竿健斗との2ショット写真で結婚を報告 フジ木村拓也アナ、鷲見玲奈アナからも祝福のコメント
  10. 「とりあえず1000個買います」 水嶋ヒロ、妻・絢香仕様の“白い恋人”に財布の紐が緩みまくる